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SmartHRに今から入社して何ができるの?スケールアップ企業の「人事戦略」オープン討論会を開催しました!

2024年、SmartHRは社員数1,000名を突破しました。
1,000名以上の組織ではどんな課題が発生するのか?解決すべき課題は何か?誰も答えを持っていない中、みんなで考えて、決めて、捨てて、やり抜く日々です。
それは「人事戦略」も同じ。そのリアルをお伝えすべくイベント「SmartHRに今から入社して何ができるの?人事戦略オープン討論会」を開催しました!

同内容の動画も公開しています:https://youtu.be/MO5bR_zPRs8

登壇者紹介


イベント当日はCEO芹澤さんがモデレーターを務め、人事統括本部から4名がパネリストとして登壇しました。当日は「タスケテ札」を導入。今悩んでいることや、これから入社するメンバーと一緒に解決していきたい課題など、札とともに「タスケテ」ポイントを挙げながらディスカッションしました。

「タスケテ札」を掲げる登壇者4名

パネリスト(写真左から)
六原 恵(人材開発本部 マネジメント育成部 部長)
豊田 聡(人材開発本部 本部長)
日永 早希(採用本部 本部長)
宮下 竜蔵(CEO直下 CEO室)

モデレーター
芹澤 雅人(代表取締役CEO)

登壇者の詳細なプロフィールはイベントページをご覧ください。

パネルディスカッション


当日は4つのテーマに沿ってディスカッションを実施。テーマに関する全体像を簡単に説明した後、「タスケテ」ポイントが次々に挙げられました。

テーマ1「SmartHRの人事戦略」

SmartHRの人的資本経営における価値創造モデル(「well-working story」から抜粋)

宮下:SmartHRでは経営戦略を実現するために人事戦略を策定しています。中核となる人事戦略は「スケールアップ企業として活躍する人材の確保と環境の整備」「再現性をもって急成長を持続させられるサスティナブルな組織基盤の構築」の2つです。
前者について、外部から必要な人材の獲得と、社内での人材育成の両方を進める環境の強化を目指しています。後者については、SmartHRではスタートアップ企業の考え方も色濃く残っているがゆえに、仕組み化が追い付いていない部分も多いんです。そこを強化したいという意味を含んだ戦略です。
この戦略を基に人事施策を展開し、経営戦略を叶えることで、最終的にはミッションである“well-working”を社内外で実現させていきたいと考えています。

芹澤:資料や今の話を踏まえ、視聴者の方はすでに人事戦略ができあがっている印象を受けるかもしれません。実際のところはどうですか?

豊田:組織図を見ていただきたいのですが、実はここに「タスケテ」ポイントがあります。今私は人材開発本部と人事管理本部の本部長、そして図では省略されているのですが労務部の部長を含め3部署を兼務している状態なんです。人事周りの基盤はしっかり作られているように見えるのですが、実態としては兼務の負荷が多く、正直、なんとか回すことしかできいません(苦笑)。

人事統括本部の組織図(簡略版)

芹澤:最初から本気の「タスケテ」ですね(笑)。人事戦略は立てたけれども人事部門の人員がそもそも足りていないという話ですね。他部門ではどんな状況ですか?

日永:豊田さんがお話したとおり人材は常に急募している状況で、今も人事だけで7ポジションの募集をしています。採用を進めてはいるものの、今ある課題を解決するために十分な人数には達していない状況ですね。

芹澤:人事戦略を実現するために、まずは人事部門の人的リソースを強化したいというのはリアルな話ですね。先ほどの人事戦略の話に戻すと「働きがい」向上の取り組みはどういう状況ですか?

宮下:現状ではSmartHRは「働きやすさ」を評価をしていただくことが多く、実際社内の働きやすさの満足度は高くなっています。今後は「働きやすさ」に加え「働きがい」にも軸足を置いていきたいですね。

芹澤:宮下さんは入社して約半年が経ちましたが、どんなところに「働きがい」を感じますか?

宮下:まず会社のミッションやバリューを社員全員が大事にしていて、働くメンバーの志向が一致していることが「働きやすさ」を作っていると感じます。加えて、人事部門で働くことを通じて、ミッションの“well-working”に直結する業務に携われていることには「やりがい」を感じています。

日永:今日の登壇者の中で一番社歴が長い私としても、入社当時から今まで働きがいを感じ続けることができていますね。入社当時から採用業務に携わる中で、新しい方が1名入社するだけでも、組織の雰囲気や動向がガラッと変わるのを目の当たりにしてきました。1,000名規模になった今でも、採用で組織が変化することを実感する機会が多々あります。

宮下:入社して感じるのは自分の意見をしっかり聴いてもらえて、自由に動けるということですね。手を挙げた人にチャンスを与えようというカルチャーが根付いていると思います。

テーマ2「2024年のSmartHRの採用計画と課題」

日永:直近の採用状況と計画は「大盛り」な状況です。実績としては2023年に約330名の方を採用し、2024年は上半期だけで240名の採用を目指しています。下期に関しては各部門で業務変化が激しく、計画を精査している段階です。

中途採用:2023年の採用実績と2024年上期の目標

芹澤:目標数が年々大きくなっている採用業務の「タスケテ」ポイントは?

日永:ひとつは、採用チャネルにかなり偏りがあることです。今はスピードを優先してたくさんの方に応募〜入社いただくことを重視しており、エージェントさま経由での応募が60〜70%を占めています。そのほかスカウト送付などの媒体経由が15%、リファラルが15%という割合です。

エージェントさま経由での応募が多いことは嬉しいですし、すごく頼もしい存在に感じているのですが、採用目標がどんどん大きくなる状況で、幅広いチャネルからバランスよく応募が来る状態を作っていかなければと考えています。一般的に見てもリファラルの15%という数字は決して高くはなく、組織の分母が拡大する中で割合が増えないことは課題と捉えています。

芹澤:スタートアップやベンチャーはリファラルで人員獲得していくイメージが強く、SmartHRも多いほうなのかなと思っていましたが、改善の余地があるポイントなんですね。
宮下さんは前職までさまざまな会社の採用業務を経験したと思いますが、採用チャネルの割合についてはどう思いますか?

宮下:リファラルに関しては紹介者である社員のメリットを私たちがより明確にする必要がありますね。またリファラルに加え、ダイレクトソーシングの割合も上げていかなければと思っています。SmartHRの採用はどんどん新しい試みに挑戦していく、やりがいのある領域だと思います。

芹澤:ほかに採用周りでの「タスケテ」ポイントはありますか?

日永:オファーの伝え方を改善していきたいですね。採用候補者やエージェントさまから年収が低いイメージを持たれていることが悩みでして。2023年は平均年収740万円と市場においても低くはない水準ですし、既存メンバーの年収水準も年々上昇しているので、社内外にこの点も周知していきたいです。

4名の社員がハイチェアに座って並んでいる。背景にはSmartHRのロゴマーク。
テーマ2についてディスカッション中

芹澤:あとは「SmartHRはすでに完成されていて、今入社しても自分がやることがないんじゃないか」といった捉え方をされてしまうのも課題ですね。対外的に今のSmartHRのよさや完成度の高いプロダクトをアピールすればするほど、我々が求めるチャレンジ精神がある人に、「挑戦することがなさそう」と捉えられるジレンマもあると思うんですけれど。採用では何か工夫していますか?

豊田:一例にはなりますが、昨年HRBP*ポジションの採用をする際に、面接の中であえて「外から見ると仕組みや業務が整って見えると思うんですけれど、ほとんど何にも整っていないです」と発信していました。その結果、課題がある場所で働きたいと思っているチャレンジ精神旺盛な方とのマッチングを上手く図れましたね。(*厳密にはまだ「HRBP」というポジションはなく、HRBP機能が大きく「採用」と「組織パートナー」に分かれている状態です)

テーマ3「人材育成方針と研修」

SmartHRの人材育成 4つの軸

六原:現在SmartHRでは人材育成方針として4つの軸を掲げています。
1つ目の「育てて成果を出す」は、組織が拡大し新たに加わるメンバーも増えているこのタイミングで、今までのような初期OJTはありつつも「あとは自分で頑張ってね」にせず、組織全体で人を育てることにもコミットしようという意思で作りました。
2つ目の「主体性を持つ」は1つ目と対になっています。会社として育てる文化を作りつつ、会社・キャリアで何を成し遂げたいのかは自分自身で考え抜いてほしいという意図です。
3つ目の「“本当に”良い関係性を築く」は一人ひとりが主体性をもって育つ土壌には、時にはお互い厳しいフィードバックもできる関係性が欠かせないものとして。
4つ目の「チャレンジする人にチャンスを」は、スケールアップ企業として積極性のある人には何度でもチャンスをしてほしい。そのために会社としてもさまざまな支援を行うという意思を表しています。

この4軸を基に、研修制度も整備しはじめています。ここではマネジメント層向けの必須研修を意識的に増やしました。加えて任意研修をチャレンジしたい人向けに設立、さらに会社として育成していきたい人材に投資するための選抜研修も新設しています。

従業員の成長と自律駆動を支える研修制度(「well-working story」から抜粋)

芹澤:ここに関して「タスケテ」ポイントはありますか?

豊田:研修について、実は中身がまだ半分くらいしかできてない、というのが「タスケテ」ポイントなんですよね(苦笑)。

六原:この中で今完成している研修は3分の1くらいですね。トライアルバージョンの研修まで入れると半分は進めているのですが、道半ばな段階です。2024年中には提示している研修プログラムを完成させつつ、将来的にはメンター制度やコミュニティは人事からの提供だけではなく社員同士で使ってもらう文化になるまで育てていきたいです。

宮下:研修プログラムの選抜項目である「タレント研修」に付随しての話になるのですが、SmartHR内の「タレントマネジメント」の仕組みも、2024年からやっと回り始めたところなんです。今年に入り、初めて「タレント会議」を実施し、将来の幹部候補や育成候補の見える化をしました。研修の内容を含め、将来を担う人材のためにも土台作りは急いで進められればと思います。

芹澤:事業の2本目の柱としてタレントマネジメント領域のプロダクト開発をしているSmartHRなのに、実は社内のタレントマネジメントがやっと動き出したというのは、「医者の不養生」的な話ですが、社内のタレント開発の基盤もこれから固めていきたいですね。

登壇者のほうを向いて話しかける芹澤さん
モデレーターの芹澤さん

テーマ4「スケールアップ企業として、まだまだ足りないもの」

芹澤:これまでのテーマで出し切れていない課題や、スケールアップ企業としてSmartHRに今どんな成長痛があるのかを、皆さんに聞いていきたいと思います。

六原:入社受け入れ側の成長痛として感じているのは「新しく入ってきた方が情報の洪水に飲まれることが増えてきた」ことですね。SmartHRはフラットでオープンなカルチャーを大切にしていますが、事業や組織も急拡大していく中で、情報の交通整備ができていない面もあります。制限がなくオープンであることが、新しい仲間の立ち上がりを阻害する懸念もあるので、今までのカルチャーでいいところを残しつつ、どう皆さんの仕事のやりやすさを最大化させるか?は考えていきたいですね。

芹澤:急成長していく中で昔からのオープンでフラットで、個々が自律駆動しているカルチャーをどう維持するかは難しい問いですよね。それがスケールデメリットになる可能性はあっても、型にはめるのはSmartHRの方向性と違う。悩みながら良いバランスを模索していきたいですね。

豊田:前段で出し切れてない課題として、研修後のフォローアップ体制があります。人材育成では「人が成長する7割は業務経験、2割が薫陶、1割は研修である」という個人の能力開発についての影響度合いを示す「7:2:1の法則(ロミンガーの法則)」というものがあります。研修の影響度合いは一番低い1なんです。これを踏まえると研修だけが整っていても完全ではなく、研修で得た知見を日々の業務に活かすためのフィードバックやカジュアルな相談の場作りを人事施策として進めたいですね。具体的にはマネージャーやチーフなどの研修に参加するメンバー同士でのコミュニティ作りを強化していきたいと思っています。

日永:採用選考における共通言語がないのが課題であり成長痛だと感じています。
組織が急拡大する中、採用ポジションの数も常に100種類前後ありますが、全ポジションで共通して大事にしたいことの言語化や選考基準への落とし込みがまだできていない状況です。人事戦略に紐づいたキーワードも使ってその軸を作っていきたいと考えています。

宮下:フィードバックし合うカルチャーがまだ弱いというのも課題ですね。今のSmartHRはいろんな意味で“良い人”が多く、何か思うことがあっても指摘するのを遠慮してしまう人も見受けられます。さらなる組織成長のためには必要な意見はお互い真摯に言い合える強さを育てていきたいと思っています。そのための伝え方や受け止め方のトレーニング研修は人事としても企画している最中です。

芹澤:スタートアップのカルチャーを保ったまま組織を大きくしていくのはすごく難しい課題ですが、今日登壇している4人を含む人事のみんなと一緒に柔軟で強い組織を作っていきたいですね。

ハイチェアに座る5名の登壇者
テーマ4についてディスカッション中

Q&Aコーナー


当日いただいた質問と回答をまとめました。たくさんのご質問ありがとうございました!

イベント中に回答できたQ&A書き起こし

アーカイブ動画で確認いただくこともできます。動画のほうが説明が丁寧なので、詳しく知りたい方はぜひ動画をご覧ください!
https://youtu.be/MO5bR_zPRs8

Q:人事部内の連携はどのようにしていますか?部長間のみでの共有なのか、メンバークラスまで戦略が落とし込まれ、ボトムから発信することもあるのか知りたいです。

チーム間の垣根を超えて横に連携する体制は取れています。きっちり決まった形というよりはトピックスごとに有機的に連携していますが、基本的には部長からはWhyを伝えてWhatはみんなで考え、Howは現場のチームで考え動いてもらうといったやり方をしています。(豊田)

Q:人が足りていない理由は?離職が多いからですか?

離職率は低く、組織の拡大と連動して人員増幅ニーズのスピードが採用スピードを上回っている結果、人が足りていない状況に陥っています。(芹澤)

事業や組織の成長スピードが速いがゆえに、やらないといけないこと、やりたいことがどんどん増えていき、人手が足りない!という声が上がっています。新しい仲間が増えていくからこそ、人事へのニーズも加速度的に増えていく。だからどうしても人手が欲しくなるといった状態ですね。(六原)

Q:平均勤続年数が2年前後と、IT業界の中でも短いと感じました。 離職や定着に関しての課題はないのでしょうか?

離職率は4%と低いのですが、採用数の増加に伴い勤続年数の平均値は下がってきています。勤続年数1年未満で計算される方も多く(2023年は約330名)、数字のからくりであり、課題とは捉えていません。(芹澤)

Q:「権限移譲」について、どのような手法を心掛けていますか?

思い切って兼務を次の方に託す!というやり方をしています。私自身は昨年度は今の3部門に加え、マネジメント育成部や人事制度部や組織パートナー部のマネージャーも兼務している状態だったのですが、今期は六原さんに託しました。ある意味強引な権限移譲かもしれませんが(笑)。(豊田)

それを受けて(笑)。引継ぎとしては、Howではなく課題を渡してくれるような形でした。相談したいことがあったときも「こうしようと思っているが抜け漏れはないか?」といった要点のフィードバックや感情面で背中を押してもらうといった伴走をしてもらえました。(六原)

全社的に見るとまだまだやりきれてない部分もあります。まずマネージャーは任せると放任の違いを理解する必要がありますね。その上で役割を渡すときに任せる理由や期待値を示すことが大切です。また、前任と後任の間で「仕事の難所」をすり合わせるとうまくいきやすいなど、手法を広める手助けも人事として行えるのではと考えています。(宮下)

Q:タレント会議のアジェンダが知りたいです!

例えば、執行役員のタレントに関しては3つのレイヤーに分けて議論を進めました。1年以内に登用できる人、3年以内に登用できる人、5年以内に登用できる人といった区分で選出し、その上で取締役や執行役員が1人1人の選出理由を語り、参加者で意見を出して揉んでいくといった進め方でした。(宮下)

Q:新卒採用を始めた意図を知りたいです。将来的に新卒が会社の中核を担う人材となり、文化を体現してほしいと考えているのでしょうか?

新卒採用は、2025年入社の方を0期生として、エンジニアとプロダクトデザイナーの採用から始めています。始めた意図の1つは、「育成の文化」を獲得することです。組織の成長スピードに追い付くためにはキャリア登用だけでなく内部メンバーの育成も必要で、新卒社員に活躍してもらえる土壌を作っていくことに加え、新卒を迎え入れることで既存社員のレベルアップを引き出していけると考えています。ただ質問にある「中核を担う人材」に関しては新卒に限らず中途入社の社員も含めて全員に担ってほしいと考えています。(日永)

Q:これまでの急成長による弊害で個別最適になっていた人事周りの仕事を、文化やスピードを維持しながら全体最適にしていくのが今の大きな課題感ですか?

人事周りに絞った課題でいうと質問の通りです。組織の急拡大に伴いオペレーションに追われてしまう状況に陥りがちだったので、今後は組織をよりよくする活動を増やしカルチャーをアップデートするスピードを維持することが、人事にとってチャレンジになると思います。(芹澤)

Q:ビジョンを従業員に伝える場や伝え方で工夫している点や伝え方はありますか?10、100、1,000人と組織拡大の中で変化があるのではと思いました。

ミッションやバリューの腹落ちやWhyを伝えることを大事にしています。1月と7月にキックオフと称した全社集会を実施し、事業戦略や中長期のビジョンを語る機会を設けています。一方でキックオフのようなトップダウンだけではなく各現場レベルでビジョンの浸透を図っていく必要があるとも感じています。CxOからVPへ、VPからマネージャーへといったレイヤー間での情報伝達の機会が増えるため、解釈や伝え方の精度アップにマネージャー研修などの人事の取り組みも活かしたいですね。(芹澤)

Q:会社の成長に合わせて、人事戦略で大事にすることも変わってくると思いますが、逆にずっと変わらずに大事にしていることはありますか?

「誰と働きたいか」にこだわって採用することは続けています。カルチャーマッチしているか、一緒にカルチャーをアップデートしていける方かは大事にしています。(日永)

Q:社員のキャリアアップの仕組みや、実績など教えていただけると嬉しいです。

今は「キャリア検討会」というものを社内で実施しています。年に1回、社員にキャリアアンケートに回答してもらい、それを基に各マネージャーと議論して異動の提案をしています。キャリア検討会以外でも異動が発生することもありますし、仕組みとしても伸び代がある部分です。(六原)

Q:人事に求めるスキル・経験、性格などを教えてください。

スキルや経験はポジションによりますが、性格については造語ですが「ASK(アスク)」が大事だと伝えています。「A:明るく物事を前向きに捉える、S:素直、K:謙虚」が人が育つためのベースだと考えています。(宮下)

Q:人事戦略策定のマイルストーンやお手本にしている企業さまはありますでしょうか。

1つの企業ではなくさまざまな企業とお話して良いと思った点をまんべんなく取り入れつつも、真似ではなくSmartHRに合った形にカスタマイズしています。(芹澤)

Q:即戦力を求められてきたとのことですが、他業界からの転職者は求めていますか?

他業界からの転職者も求めています!SmartHRは単にプロダクトを売るだけではなくお客さまの課題に寄り添った提案が必要になるので、SaaS以外の業界のことを知った人が社内にいることが力になります。多様なバックグラウンドを持った人が社内にいますし、今後も増やしていきたいです。(日永)

sli.do画面と登壇者の映像
回答中の様子

イベント中に回答できかったQ&A(New)

人事戦略や人事組織、会社全体に関連する質問について回答を記載しています。テキストで回答すると長くなってしまう質問に関しては、申し訳ありませんが割愛させていただきました。
個別職種に関する質問はカジュアル面談SmartHR Engineer Online Meetup(エンジニアの場合)、その他イベントでぜひご質問ください。noteTech Blogも定期的に更新しております!

Q:フルリモート勤務と伺っておりますが、働き方の実態をお伺いしたいです。

2023年7月〜2024年12月までの働き方制度に関して、プロダクトサイドは「フルリモートOK」、ビジネス・コーポレートサイドは「リモートワークOK(≠フルリモート)」としています。いずれの場合も居住は国内に限ります。制度の詳細や具体例は、以下の記事もご参照ください。
*SmartHRの働き方制度(2023年7月〜2024年12月)
*プロダクトエンジニアにとって、SmartHRはリモートワークしやすい環境なのか?

Q:リモートOKで研修制度もしっかりされているようですが、入社後研修中は出社になりますか?もしくは研修中でもリモートでしょうか?

入社直後の合同オリエンテーションは、出社でもリモート参加でも大丈夫です。初日は同期ランチを開催しているので出社を推奨しています。
部署ごとのオンボーディングにおける出社状況は、部署によって異なります。たとえばインサイドセールスの場合は、現状入社後1か月は原則出社をお願いしています(立ち上がり観点のため)。

Q:HRBPの方がどんな役割で具体的にどんな業務を行なっているのか聞きたいです!

厳密にはまだ「HRBP」というポジションはなく、HRBP機能が大きく「採用」と「組織パートナー」に分かれている状態です。イメージしにくい「組織パートナー」についてご紹介すると、「組織や従業員を深く理解し、人事施策・人事制度も活用して事業貢献の一翼を担う」ことをミッションにしているチームで、主に組織課題の発見・言語化・解決に向けた伴走を行っています。従業員サーベイなどの定量情報と、実際にマネジメントされている方などとコミュニケーションを取って得た定性情報を組み合わせて、日々組織課題に向き合っています。また、現場組織における人事制度(等級、評価、報酬制度)運用のサポートを行うなども業務の領域としており、幅広く活動しています。

Q:研修は外部に委託して実施するものでしょうか?内製でしょうか?

目的・ニーズに合わせて、内製・外部パートナーを使った研修をどちらも実施しています。

Q:人材・組織開発の観点で質問です。マネジメントラインの方の必須研修は集合型で運用されているのでしょうか?また、本人の意思と関係なく、強制受講なのか、受ける意義を本人に周知した上で受講してもらうのか、だとどちらでしょうか?

必須研修に関しては現状は集合型で運用しています。オフラインだけではなく、オンラインでも参加できるような形をとって参加のハードルを低くしています。必須研修は「役割の期待値」や「役割に紐づく必須知識」がメインになるため必ず受講をしてもらっていますが、別途任意研修として、本人がニーズを感じた時に受けるもの・会社のその時の課題に合わせて人事からセッティングする研修なども用意しています。

Q:入社後にメンバーがすぐ業務に入れる環境のように見えますが、オンボーディングの内容はどのように整理されていますか?

SmartHRの入社後オンボーディングは大きく分けて2種類あります。
1つは全社共通のオンボーディングで、セキュリティ研修や各種SaaSツールの使い方、会社の沿革・組織構造、バリューなどのインプットを入社者全員に対して行います。こちらは人事が取りまとめています。
もう1つは部署ごとのオンボーディングで、多くの部署では「オンボーディングチェックリスト」のようなものが用意されていたり、メンター制度を敷くなどして、立ち上がりに向けて必要な知識をキャッチアップできるように仕組み化されています。*部署の大きさやフェーズによって違いがあります

Q:評価制度や昇進・昇格の仕組みについて教えていただきたいです!

評価は年に2回行われ、ミッション達成度評価と行動評価の2項目が評価対象です。評価結果に応じて「給与改定」「成果給の付与」が行われます。
昇格は、SmartHRでは等級制度の枠組みで扱っており、半期ごとに各部署のマネージャーから昇格候補の方を上げてもらい、半年かけて見極めを行っています。マネジメントロール(役職)への任命に関しても、各部署から候補の方を上げてもらい、人事ならびに関係者のチェックを経て、その方の期待値・育成プランを検討した上でポジションを確定しています。
*会社紹介資料(評価制度ページ)や、以下の記事もご参照ください。
*人事制度は組織のOS。経営課題に紐づく制度変革を─SmartHR人事制度改定プロジェクトの全容

Q:SmartHRの人事ならではの辛いこと、しんどいことはありますか?

事業や組織の成長スピードに負けないように、個々人や人事チームが成長していくことが求められます。人事の施策はすぐに効果が出るものばかりではないので、先回りで施策を検討していくことも必要だと考えています。急成長フェーズならではの苦しさがあると思います。

Q:アーリーフェーズではできたけど今は正直できないなと思うことはありますか?

スタートアップのときのように「みんなで物事を決めること」は難しくなってくるフェーズにあると思います。物事を動かすスピード感を担保するために、アーリーフェーズとは異なるリーダーシップが求められており「やらないことを決める」重要性は増しています。

Q:事業・社員数共に急成長されていますが、急成長に対応するために、どのような組織作りをされていますか?

バリューの浸透とオープンでフラットな情報提供を徹底しています。私たちは、同じ価値観を持ち、持っている情報の量が等しくなれば意思決定も似てくると考えており、可能な限り情報をオープンに公開するようにしています。ただし、本編でも話が出たように新入社員が情報の洪水に飲まれることが増えてきたのは事実であり、情報の交通整理や何らかの対策をする必要性が増しています。

Q:日々の業務で経営陣とコミュニケーションをとるのは、マネージャーがメインでしょうか?どのくらい経営者とすり合わせができていますでしょうか?

人事統括本部の業務に関しては、メンバーレイヤーが経営会議で制度改訂の提案をするなど役職によらずコミュニケーションをとって施策を推進しています。ただし、権限移譲が進んでいる点に関しては、本部長や部長の意思決定で物事を進めるため必ずしも経営層の決裁をとるわけではありません。
*参考記事:人事制度は組織のOS。経営課題に紐づく制度変革を─SmartHR人事制度改定プロジェクトの全容

配信画面。5名の社員がハイチェアに座って手を振っている。背景にはSmartHRのロゴ。
ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました!

アーカイブ動画は以下よりご覧ください!

おわりに


最後までお読みいただきありがとうございます!(質疑応答を追加すると12,000字超の大作になってしまいました!)
SmartHRでは“well-working”な世の中を1秒でもはやく実現するために、ミッションに共感いただき一緒に働くメンバーを募集しています。多様な職種の採用を行なっておりますので、採用サイトや求人情報をぜひご覧ください!

制作協力:リスナーズ株式会社