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村から都市への発展過程で求められるもの─シリーズE調達 SmartHR VPリレー連載#1

SmartHRは、2024年7月1日にシリーズEラウンドの実施と、新規領域への参入や、労務管理・タレントマネジメントの新プロダクトを発表しました。
シリーズEラウンドの実施や新領域への参入を受け、それぞれの管掌組織の挑戦や戦略について、SmartHRのVP陣がリレー形式でnoteを執筆します。

第1回:本記事です
第2回困難だからこそやりがいがある。エンタープライズ事業本部の進化と挑戦─シリーズE調達 SmartHR VPリレー連載#2
第3回:Alignment と Autonomy と Agility ── シリーズE調達 SmartHR VPリレー連載#3 
第4回:カテゴリー型マルチプロダクトのブランディングのための重要3テーマ─シリーズE調達 SmartHR VPリレー連載#4
第5回:社会の非合理をハックし、well-workingな世界を求めて─シリーズE調達 SmartHR VPリレー連載#5

第1回は、経営管理統括本部長(VP of Finance and Accounting)の治さんです。


はじめに

みなさん、こんにちは!
SmartHR社で、経営管理統括本部のVPを務めている治(haru)と申します。

「経営管理とは何ぞや?」と思われる方も多いかと思いますが、財務会計と管理会計の両方の機能を担っている部署です。2023年までの組織で言うと「経理」と「経営企画(の一部)」が一緒になったと言うと、もう少し伝わるでしょうか...?

きっと伝わらない人も多いですよね。という訳で、詳細については近々別のnoteを執筆予定ですので、そちらに譲りたいと思います。少々お待ちを!

そして今回noteを執筆するにあたり、私たち管理部門の考え方を共有したいという思いから、社内向けのメッセージも含むかたちでお伝えしたいと思います。


もう1つのキーワードは「Solid Scaling」

さて、自己紹介や部署紹介はほんのさらっとにしておき、本題に入っていきたいのですが... つい先日、シリーズEラウンドの実施 が公表されました。

続くその週の後半の全社キックオフでは「マルチプロダクト」をキーワードに、各CxOからのプレゼンもありました。

事業戦略の遂行をさらに加速させるための資金調達であるため、SmartHR社の今後の事業展開にワクワクした方も多いのではないでしょうか? 私もその内の1人です。

さてさて、社内では「マルチプロダクト、略してマルプロ」が着目されていますが、社外から多くの資金をお預かりしてきた以上、もう1つ心に留めておきたい言葉があります。

それは「Solid Scaling」略して「ソリスケ」です。

2023年の下半期に、CFOの森さんから発信されたもので、平たく言うと、利益成長を伴いながら、事業規模を拡大させていこう、というコンセプトです。
当時ご入社されていなかった方もいらっしゃると思うので、社内で未視聴の方は2023年11月のBoard Members Talkをぜひご覧ください!

SmartHR社は、村から都市へと発展していく過程にある

勘が良い方は気づかれたと思いますが、このSolid Scalingは『Blitz Scaling』という本がその由来となっています。読まれた方も多いのではないでしょうか?

『Blitz Scaling』の中では、このような表現があります。

1. ファミリーステージ:1〜9人
2.部族ステージ:10〜99人
3.村ステージ:1,000人未満
4.都市ステージ:数千人
5. 国家ステージ:1万人以上

リード・ホフマン / クリス・イェ『Blitz Scaling』

SmartHR社は、従業員数でいうと1,000名を突破、ARRは150億円超え、というように、今まさに「村」から「都市」へと発展していこうとしているフェーズです。

管理部門(バックオフィス部門)は「会社の基盤・インフラ」とよく称されます。村から都市へと発展する過程で、大きく整備されるものの一つに、そうした「インフラ」も含まれそうですよね。

この後に続く VP連載 では、事業側のみなさんからビジネスに関する様々なトピックが発信されると思いますので、今回のnoteでは、私が所属する管理部門について少し触れたいと思います。

管理部門を「道路」に例えてみると?

繰り返しになりますが、今回の資金調達の目的は「事業戦略の遂行を加速させるため」です。会社全体としては、更にアクセルを踏んでスピードを上げていくフェーズ、まさにギアチェンジをしていくフェーズになります。

我々のこれからの管理部門のミッションについて考えるために、(やや強引かもしれませんが)「道路」に例えてSmartHRの状況をみてみましょう。

その道路、走りやすいですか?

かつては雑草が生い茂っていた道なき道も、人が通るにつれて次第に道になってきたのが今です。

これまで辿ってきた道はキレイに整備されていますが、これから先はどうでしょうか?
管理部門としては、ちょっと先回りをして、整備していきたいところですよね。

また、過去にできた道もどうでしょう? 砂利道や凸凹道は、歩く分には差し支えないかもですが、走ろうとすると少し危険... 更には、スピードを出すために車で走ろうとするなら尚更危ないかもしれません。

信号や標識が多すぎると、逆に迷う

道路が整備されていく過程で信号や標識が設置されるように、会社の中でも、いろいろな「ルール」や「制度」が整備されてきたと思います。
これはこれで素晴らしいことなのですが、改めて今、俯瞰的な目で各種ルールや制度を見渡してみるといかがでしょう?

事業の拡大に伴い「交通量」はどんどん増えていく一方で、ルールや制度間の不整合は発生していないでしょうか? 信号や標識が増えすぎたあまりに、かえって迷いを生むことも増えていないでしょうか?

歩道と車道を使い分けることも有効

マルチプロダクト化が進んでいくと、グループ会社も含めてですが、いろいろなフェーズの事業が生まれていきます。

歩道と車道では登場人物が違いますし、それぞれの目的も異なれば手段も異なり、取っているリスクも異なります。走るレーンが異なれば、適用されるルールが異なる可能性があることも意識していきたいところですね。

一方で、当然みんな事故は起こしたくないので、コンフリクトが生じそうな場合の「決め事」も新たに必要になっていきます。時には「高速道路」を用意するといった「発明」が求められる場合もあるかもしれません。

工事を行うなら、定期的にこまめに

実際のアスファルトの道路では定期的に舗装工事が行われているように、つくったものは次第に「劣化」するため、定期的なメンテナンスが必要です。凸凹道だと危険ですし、スピードも出せないですしね。

一方で、全部が全部に対応するのは大変です。人やお金がいくらあっても足りません。本当に直すべきところ、そうでないところの見極め、つまりはメリハリが重要になっていきます。

そして、交通量の多い道路ほど、後から改修するのが大変になるので、早め早めの小さなメンテナンスを心がけていきたいところです。人通りの少なくなった道路は封鎖する(=やめる)などの思い切った判断も、これからの管理部門には求められるかもしれません。

そもそも、目的地に繋がっていますか?

さて、管理部門で意識していきたい視点について、ここまで「道路」に例えて触れてきましたが、そもそも「道路」は何のためにあるのでしょうか?

言わずもがなですが、どこかに行くため、つまり「目的地」があってこそですよね。

繰り返しですが「管理部門は会社の基盤・インフラ」と言われているように、今後の事業戦略をいかに素早く実行できるかどうかは、我々管理部門の卓越性にかかっているとも言えます。良いルールやプロセスは、シンプルでわかりやすく、拡張性が高く、組織の自律駆動を促します。

管理部門の領域は、その領域の幅広さと専門性ゆえに、一般的に細分化・複雑化しがちです。当然ご多分にもれず、自分たちもその罠に陥る可能性があります。

“ミッション達成にベクトルを向けましょう。ミッションに忠実でいきましょう”

2024年期初の全社キックオフでのCFOメッセージの再掲ですが、こちらを意識して日々の業務に取り組みたいところですね 。

We are hiring

もはやお決まりの言葉かもですが、SmartHR社では一緒に働く仲間を募集しています。事業成長のための資金調達であるため、ほぼ全方位で採用強化中です!

今回の管理部門のnoteでは「会社の基盤・インフラ」として「道路」に例えてみましたが、今後のSmartHR社の事業展開の広がりや可能性を考えると、「港」や「空港」の建設に携われる面白い機会もこれまで以上にきっと出てくると思います。

そんなSmartHR社に少しでも興味を持ってくださった方は、カジュアル面談からでウェルカムですので、ぜひお気軽にご応募ください!


次回は、VP of Enterprise Business 佐々木さんの記事をお届け予定です!どうぞお楽しみに!