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SDGsのロマンティックな良心 インクルーシブ #1

 「サステイナビリティを哲学する意義#2」の解説で、スチュワード・ブランド氏の世界の見方を振り返ろう。ロマンチスト、科学者、エンジニアの3者の関係性を示し、その役割と相互理解の大切さを期待を込めて述べた。SDGsが持つロマンチックな姿勢を伝えるのが、この記事の目的だ。

 そう、それは、SDGsの理念
「誰ひとり取り残さない-No one will be left behind」
 インクルーシブ 包摂的であること。
である。
 これは、国連が平和を目的とし創設され、貧困問題に取り組み、環境問題を扱ううちに、それをひっくるめて、たどり着いた理念だ。かつての先進国と途上国の関係性をこえ、人類共通の目標AGENDAとしよう、という世界史上で初めての理念なのだ。だって、世界の193か国が「合意」するなんて、交渉過程が透明だったにせよ、すごいの一言

 そして、その理念を具体化するために、「5つのP」が提示される。例えるなら、193名の学年で大切なものは何かを話し合ったうえ、目標を定め、教室に掲げる。それは、誰も否定できない言葉が並ぶ。「スローガンに過ぎない」と言うことも出来よう。でも、もし実践できれば、その学年はすごい成果を残し、後輩たちは素晴らしい学園生活を送れるだろう。

People 【人間】
Prosperity【繁栄】
Planet【地球】
Peace【平和】
Partnership【パートナーシップ】

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©国際連合広報局

「ザ・ブルーハーツ」で自分事に。

 「誰ひとり取り残さない」、「5つのP」誰も否定できない、崇高な理念だ。そうありたいし、世界のみなが目指すことで、きっとよい未来が開けるだろう。
 ただ、心のどこかで、どうしても「きれいごと」に感じるのは、自分の「誠実さ」の表れだと思っている。自分で精一杯、ましてや家族を思いやることも難しい時があるのに、世界中の誰ひとり、って!!!

 今の社会、ダイバーシティ・多様性が重要視されつつある。そして、それは着実に社会を良くしている、と思う。そして、インクルーシブ、包摂的であることは、それをさらに発展させた理念と理解してよい。でも、世界には77億人もいるんだよ!!!と、再び、叫びたくもなる。

 ちなみに、私は、日本に住み、中年男性で、学歴もあり、職業に就き、家族がいる。これだけ書くと表面的にはマジョリティの代表のようだ。

 ただ、表には出さないマイノリティの部分も抱えている。それでも、私以上に苦しむマイノリティは多いはずで、仕事上で、プライベートで、そのことを理由に不利益が被らないように接している。そうできるよう、関連する書籍を読み、研修も受けている。その努力は惜しまない。

 さらには、世界で苦しむ誰かを、「UNICEF」、「国境のなき医師団」、「WWF」への寄付が送られてくるたびに、遠く離れた誰か「one」を思い浮かべる。自分にできることはないか、と。

  ただ、私は、もちろん、そんなにきちんとした人間ではない。むしろ、口と論だけが達者な未熟者で、誰か「one」に役立つことなど何もしてこなかった。だから、ソーシャルな活動をされている方々、エシカルな商品を生み出す方々のことは、心から尊敬している。いつか、そんな方々が活動しやすい社会の仕組みと価値観の定着を学者の立場からデザインしていきたい。それがせめてもの目標だ。

 そして、『note』にせよ、研究にせよ、教育にせよ、プライベートにせよ「他者への思いやり」をその動機・モチベーションとしている。この原体験は、数えきれないほど、聴き、歌い、歌詞の意味を考えた「ザ・ブルーハーツ」の「青空」にある。

「ブラウン管の向こう側 かっこつけつけた騎兵隊が
 インディアンを打ち倒した ピカピカに光った銃で
 出きれば僕の憂鬱を 打ち倒してくれればよかったたのに」
 「生まれたところや皮膚や目の色で
 一体この僕の何が分かるというのだろう」

 ザ・ブルーハーツ『青空 (1994年)』作詞・作曲;真島昌利

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©Pixta

 「誰ひとり取り残さない-No one will be left behind」。人々は、同じ青い空の真下では、崇高な理念と現実とのはざまで必死に生きている。私はキリスト教徒ではないので、博愛を深く理解できない。仏教を信じるが慈悲の境地には達していない。ただ、青い空を思い浮かべながら、どこかで暮らす誰か「one」への不条理を感じ取り、一人の人間として接したい。私観としてのロマンチックな思いは、「今」ここにある。

 自分を大切にし、家族を大切にし、友人を大切にし、先輩・同僚・後輩を大切にし、それでも自分でない、家族でない、友人でない、誰か「one」の笑顔が増えるようにSDGsに取り組む、そんな気の持ちようでありたい。

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