福岡市LINE公式アカウントがなぜ住民に支持されているのか。セミナーでお話いただいた中身をちょっとだけ公開
こんにちは!Smart City戦略室です。
先日、GovTechプログラムを導入していただいてる自治体関係者様を中心に活用セミナーを実施いたしました。
テーマ
「福岡市LINE公式アカウントはなぜ住民に支持されているのか」
福岡市LINE公式アカウントの友だち数は現在182万人にもなります。
なぜそれほどまでに友だち数が伸び、2017年に開設して5年たった今も多くの住民に支持されているのか、実際に福岡市職員の方にお話しいただきました。
内容をいくつかピックアップしてお届けします!
1.LINE公式アカウントからの発信はあくまで広報手段のひとつとして捉える
いっけん、多くの方に日常利用していただいてるLINEでの発信はメリットが多いように感じます。
ただし、福岡市はLINEからの配信だけにせず、LINEのようにデジタルを使った情報発信はあくまで広報手段の1つとして捉えているそうです。
LINEを活用した情報発信は、数十万人規模でもすぐ情報が届くのが最大の強みだと考えます。一方で、ブロックによりそもそも情報自体の受取を拒否される(=配信できていない)可能性も捨てきれません。
そこに昔からなじみのある市政だよりなど、従来の情報発信も継続することで、高齢者でもわかりやすく情報を届けることができます。
このようにすべての情報発信をデジタルのみにするのではなく、従来の情報発信の手段とメリデメを補いつつ活用するというのがポイントになります。
2.LINE公式アカウント運用コンセプトの周知徹底を心がけ、配信パトロールを実施する
いい機能や広報活動により友だちが増えても、アカウント自体をブロックされてしまったら利用は進みません。
市民一人ひとり欲しい情報は異なるので、行政が伝えたい情報と市民が受け取りたい情報が一致するよう広報課で情報を調整しているそうです。
具体的にどういう役割を担っているのか。
・セグメント配信は各課に任せているが、運用コンセプトはしっかり共有し、それに沿う発信をするよう徹底
福岡市が運用コンセプトとして掲げている「One to One」。
これは、「顧客ひとりひとりに合わせたマーケティング」という意味のマーケティング用語です。
市民が「必要なときに 必要な情報だけが 手に入る」という運用コンセプトをアカウント開設当初から大切にし、広報課はこれを各課にしっかり共有しながら、発信権限を一任しています。
・所管する事業すべての配信をしようとしていないか、など配信内容のパトロールの実施
例えば、受信情報で「子育て」カテゴリを選択している人はおおよそ未就学のこども向けの情報を欲しています。一方で、こども向け支援を管轄している部署では成人式までの支援を担当しています。担当課は未就学のこども向け情報以外のイベント情報も発信したいと考えますが、情報を受け取る市民の方にとってみればそれは必要としていない情報。そこに乖離が発生してしまいます。
そういうことが起こらないよう、広報課が日々配信内容に関してパトロールを実施されています。
このように、市民と行政とのコミュニケーションを遮断せず、市民に情報が届き、市民に広がるサービスに成長してきました。
3.LINE公式アカウントを育て続ける
繰り返しになりますが、友だち数を獲得するには、「機能充実」とそれを広める「広報活動」が重要となります。
市民の課題に対して、新しい機能を追加していくのはもちろんですが、従来活用していた機能のアップデートも「機能充実」につながります。
*これまでの機能についてはこちらから
広報活動に関しては、市長会見や市政だよりへの掲載、福岡市LINE公式アカウントでの配信、SNSなど様々な方法でおこなっていますが、今回みなさんにもご紹介したいのはこちら!
分析コード付きのQRコードで友だち追加の流入数を確認
市のLINE公式アカウントを紹介するページだけでなく、各機能に関するページにも同アカウントへの導線を追加。
また、同様に市政だよりでアカウント自体の紹介や時期に合わせた機能紹介を掲載する際にも分析コード付きのQRコードを活用しています。
※分析コード付きQRコードは、LINE公式アカウントの管理画面「友だち追加ガイド」でもQRコードの発行・分析が可能となります。
以上、セミナーの内容をギュギュっとまとめてお伝えしました!
今日ご紹介した福岡市LINE公式アカウントの知見やノウハウをまとめた事例集。カスタマイズして利用可能なデザインデータをセットした「オープンナレッジ」も無料で公開しております!
ぜひ、こちらも市民に向けた、よりよいサービス提供の参考にしていただければと思います。
最後に本セミナーを運営したチームメンバーの舞台裏も添えて。
それでは、また次の記事でお会いしましょう!
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