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デジタルロゴデザインの寿命

スマートキャンプデザインブログ、モリシゲです。

Webサービスの会社で、プロダクトデザイン、コーポレートデザインを仕事として経験してきて、数多くのデザインを手掛けてきました。

数え切れないほどのデジタルデザインのデータが、一体いつまで使われているのか、思い返しながら「ロゴデザインの寿命」について考えてみることにしました。

会社ロゴの寿命

会社ロゴの消費期限は比較的長いと思います。現在のスマートキャンプの会社ロゴは2017年に作成したもので、4年半ほど経過しています。

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ただ、1年前にカラーを調整しています。数年間使ってみて、印刷・モニターでの発色を改善したいという理由でした。

ロゴデザインを大きく変えるタイミングは、どの会社でもほとんどないと思います。直近でリブランディングしたWeb関連の会社を見る限り、会社設立から約10年前後で会社ロゴを変更しているように見えます。

スマートキャンプもあと5年後には「そろそろロゴを変えようか」という話が出てくるかもしれない、と思いました。当社はマネーフォワードグループにジョインしているのですが、グループ会社の数も多く、これからもきっと増えていくことを想定しています。

そういった背景もあり、グループブランディングの一環として「デザイン的な統一感もいくつか必要になりそうだ」という話もちらほら出ているので、そう遠くないどこかのタイミングでロゴ変更はありそうです。


サービスロゴの寿命

スマートキャンプでは複数の事業を運営しているので、サービスロゴもその分たくさんあります。

社名とサービス名が同じ場合は、会社ロゴぐらいの長めの寿命だと思いますが、別々の場合はもう少し寿命が短い場合もある気がしています。

サービスロゴを変更しても影響範囲はその事業単体にとどまりやすいので、会社ロゴよりは変更を加えやすいというのも理由としてあると思います。

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実際にスマートキャンプでも1~2年でサービスロゴを変更した事例があります。新規事業として「Biscuet(ビスケット)」というサービスを作ったのですが、うまく認知が獲得できないなど問題がいくつかありました。

そこで既存サービスの「BALES」にブランド統合しようという経営判断によって「BALES CLOUD」として名前とロゴを変更したのですが、それがだいたい1~2年での変更でした。

新しくブランドブックやデザインシステムを作成していたので、1年程度でなくなってしまうと、デザイナーとしては少し辛いものがありますね。

ロゴ撤退

ブランド統合以外にも、事業がうまくいかず1〜2年でなくなってしまった新規サービスもいくつかあるので、3年以上生き残っているロゴデザインは総数の20%ぐらいの感覚です。

個人的にはサービスロゴも10年ぐらい寿命があればいいのになと思いますが、経営判断に大きく左右されるので、難しいなと思います。

ビジュアル面だけでなく、事業戦略や事業ブランディングもあわせてデザインできるようになると、PMFの精度が上がり、もう少し寿命が伸びる気がします。


ブログロゴやイベントロゴの寿命

数名〜数十名のチームから「こういう取り組みをやるからそのロゴを作ってほしい」という依頼がよくきます。それはブログ設立だったり、集客イベントだったり、セミナーだったりと様々です。

こういった取り組みは、担当者のやる気や継続力次第で寿命が決まるので、かなり寿命が短く感じます。

ブログであれば、通常の業務もやりながら、定期的に更新する必要があるので、継続して行うのは容易ではありません。
実際、スマートキャンプでもこれまでたくさんブログが始まりましたが、担当者がいなくなったり、業務に追われ後回しになってしまったりで、更新が止まってしまうことがあります。

最初の1年を継続して続けるだけでも難しいことなので、寿命としては1年未満のケースが多いように思います。

イベントロゴについても、「第○回開催」と継続して行うようなイベントではロゴを作ることがあります。「思ったより人が集まらなかった」「切り口を変えたい」というようなことがあると、別の名前に変えてロゴを作り直すといったこともあります。

イベントも同じく10回、20回と継続が難しいものなので、デザインの寿命は必然的に短くなってしまいます。

ロゴを作るということは、その取り組みの象徴を作ることです。継続的な活動をして、認知されていくものです。

ブログやイベントを始めることは顧客や採用の接点が増えていいと思いますが、思いつきで始めると頓挫してしまうことも多いので、デザイナーはロゴデザインをするだけでなく、「その取り組みはどんな戦略をたてていて、どういった継続計画を考えているのか」というところまで踏み込めるのなら、成功の確率を増やせそうな気がします。

逆に、施策の担当者はデザイナーを設計段階から巻き込むと、継続率を高めてくれると思います。デザイナーはビジュアルをきれいにしているのはもちろんですが、「きれいにできる=情報を設計できる」力があるということですので。


おわりにここまで振り返ってみて、デザインは作品ではなく、生き物のように管理が必要なので、必要以上に生んだり、放置しすぎたりしないために何ができるのか提案していこうと思いました。

WRITER & EDITOR
SMARTCAMP デザイナー モリシゲ @MorishigeYuta

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