災害対策にはプロの物流担当者を

熊本をはじめとする九州地方から始まった記録的な豪雨による河川の氾濫・浸水・土砂災害による被害。

梅雨前線上を400km以上に及ぶ線状降水帯の影響で、中国地方から長野県までもが豪雨による被害に見舞われる事態になりました。

例年の梅雨明け時期までまだ半月程度、更なる被災地や被害拡大が起きる可能性もありますから、TV・ラジオ・ネットからの情報には十分注視する必要があります。

緊急時にスピーカーから音声を流して広域に伝える防災無線?も、小学校などの下校時に流れる交通安全アナウンスや行方不明者発生の情報など、天候が良い通常時には使えても、台風や豪雨の中では全く何を言っているのかも分かりませんからね・・・

被災各地では災害復旧と避難所への支援が始まっていますが、すでに被災地で新型コロナウィルスの感染者が発生しているようですから、集団感染リスクには細心の注意が求められますが、被災地支援に必要となる他の自治体職員や、警察・消防・自衛隊、災害復旧ボランティアなど、多数の人員が求められる救援・復旧活動を制限しながら活動するのは非常に難しい問題です。

少なくとも集団感染拡大を防ぐ為には、支援者の活動・移動も含めて、人の流れをある程度の地域単位で制限をかける必要があるでしょう。

個人的には、他地域から支援地に赴く人にはPCR検査での陰性確認をした上で活動して欲しいですね。

避難所には、重症化リスクの高い高齢者や、薬剤投与などで免疫力が弱くなっている病気治療・療養中・既往症を持つ人も少なくないのに、今のところワクチンなどの有効な治療薬や対処療法もないのですから。

また、自然災害が起きる度に毎回のように悩まされる支援物資の供給体制や、被災地から大量に排出されるゴミ、いわゆる廃棄物処理の問題もなかなか解消されませんが、これらをスムーズにする為には物流の専門家の力が必要でしょう。

例えば、被災した家屋・建物から排出される廃棄物の処理は、各自がトラック等に積んで広場や校庭など指定された仮置き場となる公有地にとりあえず集積していますが、地域によっては廃棄する為の順番待ちで長時間待たされる事態も起きています。

廃棄物は一か所に集める方が効率よく思われますが、最終処分場の様にそこに永遠に投棄してしまうならともかく、それらの廃棄物は後日分別しながら焼却やリサイクルなどを行いかなりの手間と時間(予算も)が必要です。

なるべく仮置き場を長期間使用しなくて済むように、なるべく地域の近隣に設置して持ち込む移動時間は短く、しかも持ち込む車の流れをスムーズにするように、接車して作業する場所も複数設けた上で、規模を大きくし過ぎない事により、元の更地に戻すまでの期間も短くする事が可能になります。

食糧や支援物資の供給体制にも物流の専門家がいると大きく変わってくるでしょう。

一部自治体では地元企業や業界団体と災害時協力協定も結んでいますから、食品・飲料・医薬品や生理用品等の在庫管理や各地に届ける為の物流も、スーパーやドラッグストアなどの流通網やシステムを一部でも活用できれば、無理・無駄なくしかも効率良く在庫管理も配送も出来るでしょう。

まだ協定を結んでいない自治体は、地域の物流・流通企業等に協力要請してみては?


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