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「夏に過去問10年分やるべき」の是非論(1)【塾業界の発信の背景にあるもの】

東京のオンライン個別指導塾のcastdiceさんの動画が物議をかもしているのだとか。

批判となったのは、「過去問を10年分やりましょう」という提案とのことです。
この塾さんは、YouTubeでの発信の先駆けとなったところでもあり、発信の影響力のあるが故の炎上(?)となったのでしょう。

それを受けての続編というか、別チャンネルの動画がこちら。

まあ、塾長さんのぼやきも理解できるところではありますね。

「夏に10年分の過去問をやるべきか」という点については、個人的には、正しくもあり、正しくもない(間違っているわけではない)という立場です。

過去問についての私の考えはこちらになります。

今回、批判の矛先となった理由としては、「過去問を10年分やりましょう」という主張が、受験の常識となりつつある「過去問はできるだけ早くやるべき」という文脈の中で、より先鋭化した主張と映ったのではと感じています。

受験産業の発信する「常識」は、往々にして自分たちのビジネスへの誘導となっている場合もあり、発言を先入観なしで受け止められにくい背景もあったのかなとも思います。
解釈によっては、不安を煽る表現とも取れなくもない。不安を煽るのは、塾業界のお家芸でもあります。

また、塾業界からの発信は、~せよという定言命法的な言い回しになりがちで、図らずも「塾業界文学」的な表現となり、そこには批判の余地が当然でてしまいます。

過去問の早期対応説については、私は↓のように考えています。

また、

順調に準備ができている受験生は、この夏、過去問10年分にチャレンジしよう

となれば、そこまで批判はなかったかもしれません。

このような主張については、フレーズとしてシンプルにするよりも、条件節付で語るべきなのでしょうね。

確かにインパクトは弱まりますが、誤解からの批判によるデメリットもやはり考慮すべきなのかもしれません。

ただ、そもそも論として、過去問演習はどれほどの効果があるのか。最近考えが変化したこともあり、(2)でそれを書いてみたいと思います。

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