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過去問演習を始めるタイミングは、人それぞれで良いというお話。

今回は、過去問の使い方について。

過去問の使い方については、諸説あります。それぞれの人がそれぞれの立場で語っていると思います。それぞれに一理ある一方で、問題もあります。

私は、それぞれの受験生にとって、ベストなタイミングは違っている思っています。また、過去問演習が合格の切り札になるかと言えば、そこまではないと思っているので、対応が遅れてしまったという最悪のパターンだけは避けられればいいのではと思います。

世間に流布している説は、概ね4つのパターンに収れんするかなと思いますので、それぞれについて検証ができればと思います。

(1)早ければ早いほどいいという説 

開始のタイミングとしては、春や1年前から対応すべきというのが多いようです。これは、中高一貫校出身者の方が主張しているように思います。先取り学習が受験生本人だけでなく、学校もそれなりに対応できている環境の場合、高校3年で理系であっても概ねすべての科目が習い終わっているならば正しいアプローチかと思います。

しかし中高一貫校でない場合、春や入試1年前のころは、数学もまだ未習領域があったり、理科などはまだ半分程度だったりします。そんな段階では過去問をやってもチンプンカンプンであったりします。自信喪失にもつながりかねず、おススメできません。

ただ、東大、京大などのハイエンド校は、可能な単元からからとりかかっておけるとベターだろうと思います。パートごとの過去問を集めたものも売られているので、それを活用してもいいのではと思います。

(2)夏開始説

これは、理科を自学で先取り学習し、学校はともかく自学でとりあえず終わらせたという場合、おススメできるパターンです。できるだけ過去問は早くやった方がいいと思う人は無理をしても夏から取り掛かってもいいかもしれません。

また、東大、京大などのハイエンド校は、夏が開始のタイムリミットになるだろうと思います。

(3)秋開始説 

これは夏の勉強を基礎から標準問題を頑張る人におススメできるパターンです。難関大を目指す人の中に、基礎や標準問題が未成熟なままハイレベル演習に突っ込んでしまい、失敗する人がいます。過去問はひとまず横に置き、夏はしっかりと基礎・標準問題に集中することは悪くありません。

秋から過去問にとりかかり、これをギアを上げる手段として使うこともできます。できれば秋の各大学の専用模試にピークを一度もっていけるようにスケジュールを組みたいところですね。

(4)直前説

これは絶滅しかかっている説かなと思います。流石に「直前でいい」という猛者は減ったなと思います。ただ、難関大でなければ、それなりに機能する説でもあるのも事実だと思います。中堅国公立大・私立大は、個性的な問題よりオーソドックスな問題が多いので、十分通用すると思います。そもそも共通テストで失敗して志望校ランクを落とせば、必然的に(4)のような対応となるので、結果として割と現実には生き残っている対応となるのではと思います。     

私は、過去問の対応については、それぞれの受験生の状況に応じたアドバイスをしています。過去問にいわゆる「正解」はないので、自分なりのベストのタイミングを周囲の人に相談しながら対応するといいのではと思います。

また、医学部受験生は、ランクを一つ下げた場合の受験校の過去問もチェックするようにアドバイスしています。              

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