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「過去問は早く取り組め!」に不安を持つ人たちへ。

今の受験生は、いろんなチャンネルで情報を入手しています。最近は、受験産業の情報発信機能も強化されており、主たる受け手となる受験生もアドバイスを求めて活用しているようです。情報入手の手段としては、手軽なのがYouTubeのようです。私も視聴していますが、玉石混交で、判断が難しいですね。「この人何言ってんの?」と思わなくもない主張も結構あります。

そんな中、結構受験生に圧を与えている情報だなと感じているのが、「過去問はすぐにやるべき」という主張です。

先日、受験生から相談を受けました。
「今すぐにでも、過去問はやるべきでしょうか?」と。武〇塾のチャンネルで、過去問はすぐにやるべしと紹介されており、不安になったのだというのです。

私は、過去問のやるタイミングは諸説あっていいと思っており、受験生にとってのベストタイミングを見極めればよいという立場です。↓で考えをまとめています。

早期対応説は、私も最も理がある説だと思いますが、一方で最もデメリットが多い説だとも思っています。それは、実力が未成熟な受験生、とりわけ現役生にとって、

解けなかったときのダメージが大きく、自信を喪失する場合もあるからです。

第三者的には、情報入手の絶好の手段としか見えませんが、受験生の目線では解けなければ不合格という現実を可視化させられるシミュレーション的な儀式ともなります。どちらに振れるかは、その人次第で、マイナスに振れたらデメリットは無視できません。

過去問に取り組むことによって、不安を抱え込む展開になるのは、得策ではないと思います。

過去問を早期対応してよい受験生、そうでない受験生。

私は、過去問対策のタイミングについては、性格によって使い分けるのがいいのかなと思っています。
・現実を冷静に受け入れられるタイプ
・問題対処能力の高いタイプ
・いい意味で打たれ強いタイプ
 ・・・の受験生には、早期対応を勧めています。

一方で、
・真面目で神経質なタイプ
・問題を深刻に受け止めてしまうタイプ
・・・の受験生には、ある程度過去問が解けるだろうと思うタイミングまではおすすめしていません。

私は過去問への対応は、手遅れだったという状況にならなければ、そこまで大きなファクターだとは思っていません。入試において、過去はあくまで過去であって、過去問を抑えることが、未来を保証する手段とはなりえないからです。

たしかに効率的に学習するためには、できるだけ早く過去問にあたり、状況を把握した方がいいに越したことはありませんが、メンタルにデメリットを負ってまで先んじて入手しなければならない情報ではないのかなと思っています。

疑問があれば相談することがベスト。ベターな選択をしてもよい。

この受験生、武〇塾チャンネルの主張に疑問があったのでしょう。だから私に意見を求めたのだと思います。この行動こそ、問題解決のアプローチとしてベストな選択だったと思います。

疑問に思うことはとても大切なことです。仮に正しいことだと結論が出ていいることであっても、疑問に思うのであれば、第三者に意見を求めることはともて正しい行動だと思います。検討の結果、ベストの選択が性格的に合わなければ、ベターな選択をしてもいいのです。

そのような判断力こそが今後社会人になった時、役に立つのではと思っています。

情報過多の時代だからこそ、「正解」にとらわれてはいけない。

この受験生は、理科に不安があるので、過去問に躊躇があるということでした。なので、現在取り組んでいる問題集を仕上げてから過去問対応をするといいのではとアドバイスしています。
また数学はよくできるので、すぐに対応してもいいとも伝えています。

過去問対応はこのように科目によってもベストタイミングが違ってきます。

また、過去問にとらわれず、受験問題集などにコツコツと対応していっても、十分な成果は得られることは一般入試のメリットでもあります。過去問を横に置いていても何とかなるのも事実です。

情報過多の時代だからこそ、「正解」とされる情報が流布しやすいものですが、疑問に思うことは案外大事にしていいのではと思います。




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