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網膜剥離になった話(3)
【11日目】
早朝、爺さん患者の痰切り音に起こされた。
決められた起床時間には少し早かったけど、もう起きることにした。
手術は15時過ぎと聞かされていた。午後から30分おきの点眼が始まる。
手術室からなかなかお呼びがかからず、16時過ぎにやっとお迎えが来た。
病室から車椅子に乗せられ中央手術室へ。
ドアを二つ抜けた先の準備室のようなところで麻酔薬を点眼され、さらに長い廊下を抜け、奥の眼科手術室へ
網膜剥離になった話(2)
【5日目】
お昼頃に大学病院へ行った。
初診の書類などを渡されたが、右眼は砂嵐の中にいるような濁りと視界の1/4ほどがすでに見えなくなってきて書くのに難儀した。
眼科に通され、視力検査や眼圧の測定など一通り済ませた後に医師の診察があり、改めて網膜剥離と白内障と診断された。入院や手術の日程も既に決められていて、こちらの不安・迷いなど考える余地が無いのが逆に助けになったかもしれない。
診察の後、手術に
網膜剥離になった話(1)
【1日目】
3月になったある日、右目の視界に糸くずのようなものが見えた。糸くずにしてははっきり見えるな、と思いつつ、シャワーで目を洗ってみた。しかしそれは洗っても取れず、相変わらず視界の中を漂っていた。そのうち取れるだろう、と放って置くことにした。
【3日目】
仕事中に気づくと、目に粉か何かを振りかけたようなポツポツ状のものが視界いっぱいに広がっていた。仕事柄、プラスチックの切削粉でもかかったか
ガソリンスタンドにて
もう何年も前のことですが。
出先で燃料切れ間近になり、知らない街のセルフスタンドで給油をした。
キャップを開けてノズルを挿し込む。トリガーを引く。
給油が始まる…はずだったが、すぐにストップしてしまった。
暑い日はよくあることだ。そう思い、またトリガーを引いた。
またすぐにストップだ。やれやれ、またか。
そう思い、またトリガーを(以下延々
見かねた店主らしきおじさんが声をかけてきた。
「それ