暗黒に浸る読書について(エルロイの『ブラック・ダリア』)
James Ellroy's "The Black Dahlia"
けっこう、読もう読もうと思いながら、そのままになっていたジェイムズ・エルロイを読み始めました。
ジェイムズ・エルロイは別名「アメリカ文学界の狂犬」って呼ばれてる作家さんなのですが、どんだけやねん!って感じですよね。
でも、著者近影を見たら......た、たしかに怖そう!
取りあえず、エルロイを読むなら「暗黒のL.A.4部作」からだろうということで、第1作の『ブラック・ダリア』を読了しました。
実際の未解決事件「ブラック・ダリア事件」を題材にして、未解決となった裏側の真相をフィクションで描き出した作品なんですが、なかなか闇深い本でした。
主人公の刑事が、ブラック・ダリアに魅いられるように事件に没入していくのですが、真相に迫れば迫るほど闇深くなっていくという展開でした。特に序盤はあがくような苦しさがあって読み進まなかったです。
暗い小説だなあと思って読んでいくと、終盤は真相が二転三転するミステリー要素が強くなって、俄然、面白くなっていったんですよね。おかげで、すぐに読み上げてしまいました。
「ブラック・ダリア事件」は、かなり凄惨でショッキングな未解決事件なんですが、エルロイの想定した真相も、なかなかリアリティのある展開でした。(自分は怖くて見てないのですが、実録系の「ブラック・ダリア事件」の考証記事もたくさんありますので参照してください。)
事件も闇深いのですが、登場人物たちもそれぞれに闇を抱えていて、事件の闇と共鳴するように進行していくのが物語の醍醐味です。
ただ、最後は、ちょっと心休まる部分もあって、読み味は悪くないんですよね。きっと、そのあたりが、名作と呼ばれる所以なのかもしれません。
正直、味付けが濃すぎて、連続読みには適さない感じもするので、この「暗黒のL.A.4部作」の続きについては、少し、間を空けながら読んでいきたいと思います。
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『ブラック・ダリア』は、2006年に、ブライアン・デ・パルマ監督によって映画化されています。
公開当時、観たかったのですが、原作を読んでみたいという思いもあって、実は、まだ、観て無いんですよね。
今回、原作を読み上げて、ようやく観れるようになったなと思う今日この頃なのです。(←何年、積読してたんだ!)
若き日のスカーレット・ヨハンソンに会えるのが楽しみです。
同じように、4部作の3作目『L.A.コンフィデンシャル』も1997年に映画化されてるんですが、こちらは観ちゃってるんですよね~。(エルロイを知る前だったのです。)
原作通りかどうかは、わからないのですが、映画はけっこう面白かったんですよね。いずれ、原作を読むのを楽しみにしてたりします。
ケヴィン・スペイシーやラッセル・クロウに混じって、キム・ベイシンガーの美しさが際立ってましたね。
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