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90年代の80年代アイドルたち(90年代ドラマとともに..)


 80年代アイドルに関する記事です。 

 1989年に『ザ・ベストテン』、1990年には『夜のヒットスタジオ』が終了するなど、平成になるとテレビの音楽番組が激減し、アイドルをめぐる環境は大きく変わっていきます。

 いわゆる「アイドル冬の時代」と呼ばれる時期なんですが、テレビで歌う機会が激減した80年代アイドルの中には、女優やバラエティなどのフィールドに進み、歌わなくなった人も多いのです。
 また、歌い続けたアイドルたちも、歌番組が少ないもんだから、有効なタイアップ、例えば ”自身の出演するドラマ主題歌とセット” というのが、90年代のひとつの定番になっていきました。

 今回は、そんな80年代アイドルたちによる、90年代のドラマ主題歌を紹介していこうと思うんですが、併せて、ドラマについても思い出しながら読んでいただければと思います。


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■   ■   ■ 小泉今日子 編 ■   ■   ■


 まず紹介するのは1982年デビューの小泉今日子さん。
 すでに「月曜ドラマランド」や「大映ドラマ」で主演していた小泉今日子さんなんですが、'89年の「月9」ドラマ『愛しあってるかい!』以降、本格的に女優業へシフトした印象です。
 そんな小泉今日子さんの、90年代にヒットしたドラマ主題歌といえば「あなたに会えてよかった」と「優しい雨」が思い浮かぶんですが、なんのドラマだったか思い出せますか?


「あなたに会えてよかった」1991.5

 作詞:小泉今日子/作曲・編曲:小林武史


「優しい雨」1993.2

 作詞:小泉今日子/作曲:鈴木祥子






◎ ◎ 答 ◎ ◎

 まず、大ヒット曲「あなたに会えてよかった」が主題歌だったのは、TBS系列の「金9ドラマ」で、田村正和さんと親子役を演じた『パパとなっちゃん』です。

 私的に、田村正和さんのホームコメディは、ほんと楽しくて好きだったんですよね!
 このドラマもドタバタするんですが、しんみりする場面もあって、主題歌の「あなたに会えてよかった」がつくづく心に響くんです。
 ちなみに、小泉今日子さん演じる ”なっちゃん” が結婚していく相手は大江千里さんでしたね。


 また、「優しい雨」が主題歌だったのは、同じく「金9ドラマ」で、緒方直人さんと共演した『愛するということ』です。

 このドラマは、緒方直人さん演じる主人公が、小泉今日子さん演じるOLに一目ぼれして猛アタックしていく物語なんですが、既に婚約者がいた小泉今日子さんに対し、”純愛” の名の下で執拗にアタックを繰り返すとこなんかは、現代だとかなり "怖いドラマ" だったかもしれません。時代を感じます…

 小泉今日子さんは、その後も『僕が彼女に、借金をした理由。』や『まだ恋は始まらない』などに出演してるんですが、'94年の『スウィート・ホーム』では、主題歌「My Sweet Home」のみで参加しています。

「My Sweet Home」1994.2

 作詞:小泉今日子/作曲・編曲:小林武史




■   ■   ■ 中山美穂 編 ■   ■   ■


 中山美穂さんは、そもそもドラマデビューだったので、80年代でも数々のドラマや映画に出演していました。
 そういう意味では、この90年代の流れの中で最も輝いていた80年代アイドルだと思います。
 ドラマ主題歌としては、クリスマスソングの「遠い街のどこかで…」やWANDSとのコラボ曲「世界中の誰よりきっと」、そして「ただ泣きたくなるの」の3曲を紹介しようと思うんですが、中山美穂さんの数多い主演ドラマの中で、タイトルが思い出せますか…


「遠い街のどこかで…」1991.11

 作詞:渡邉美佳/作曲・編曲:中崎英也


「世界中の誰よりきっと」1992.12

作詞:上杉昇・中山美穂/作曲:織田哲郎/編曲:葉山たけし
※中山美穂&WANDS


「ただ泣きたくなるの」1994.2

作詞:国分友里恵・中山美穂/作曲・編曲:岩本正樹






◎ ◎ 答 ◎ ◎

 それでは、まず「遠い街のどこかで…」は、「月9」ドラマ『逢いたい時にあなたはいない…』の主題歌です。
 このドラマ、遠距離恋愛がテーマだったんですが、その相手役は大鶴義丹さんでした。

 歌の歌詞で ”HAPPY Merry X'mas” って歌われてるので、最後はハッピー・エンドなんだろうと想像できるんですが、最終回では、いろんなトラブルが起きる起きるw、かなり焦らされる展開でした!
 また、中山美穂さんにアプローチする男性役が風間トオルさんだったのですが、私の周りの女性陣は、私なら、絶対、風間トオルさんを選ぶわぁ❤ って言ってましたね。


 続いて、大ヒット曲「世界中の誰よりきっと」が主題歌だったのは、フジの「水曜劇場」枠で放映された『誰かが彼女を愛してる』です。

 皆さん、このドラマ憶えてます?
 中山美穂さんが、的場浩司さんと根津甚八さん演じる父子と恋愛するドラマなんです。
 息子にする? お父さんにする? みたいな…  
    さて、その結末はどうなったか…. (←思い出せないんじゃないか?!)


 最後に「ただ泣きたくなるの」が主題歌だったのは、TBS系列の「金9ドラマ」の『もしも願いが叶うなら』です。

 このドラマ好きだったんですよね~。
 ある日、生き別れていた3人の兄が押しかけて来るってコメディなんですが、その兄たちというのが個性的で楽しかったんですよね。
 ダウンタウンの浜田さんに加えて、FLYING KIDS浜崎貴司さんと、To Be Continued岡田浩暉さん… そして、中山美穂さんの婚約者役にはKODOMO BAND だった うじきつよし さんという…  なかなか J-POP な楽しいキャスティングでした。

 ちなみにドラマの挿入歌にもなってた To Be Continued の「君だけを見ていた」はこちらです。(これも懐かしいです。)




■   ■   ■ 工藤静香 編 ■   ■   ■


 ソロデビューが1987年なんですが、昭和より平成のイメージが強い工藤静香さんです。
 90年代にはちょこちょこドラマに出てたんです。
 ヒットしたドラマ主題歌には、「メタモルフォーゼ」や「慟哭」があるんですが、私的に一番インパクトのあったドラマの主題歌だった「激情」を紹介しようと思います。
 さて、そのドラマのタイトルは… ちょっと難問かもしれませんね。


「激情」1996.11

作詞・作曲:中島みゆき/編曲:瀬尾一三






◎ ◎ 答 ◎ ◎

 「激情」が主題歌だったドラマは、賀来千香子さんが主演した関テレのドラマ『ゆずれない夜』です。

 実は、連城三紀彦原作のドロドロ系のドラマで、工藤静香さんは神田正輝さんの愛人役でした。
 まあ、神田さんの妻役の賀来千香子さんとのバトルを繰り広げるという展開なんですが、個人的には、けっこうハマり役だったのではないかと思います。




■   ■   ■ 松田聖子 編 ■   ■   ■


 この流れの中、アイドルの中のアイドルだった松田聖子さんも、ドラマで主演してたのを憶えてます?
 主題歌だったのは「きっと、また逢える…」や「大切なあなた」なんで、曲の方が印象的なのは間違いないんですけど…


「きっと、また逢える…」1992.2

作詞: Seiko Matsuda/作曲:Seiko Matsuda・小倉良/編曲: 鳥山雄司


「大切なあなた」1993.4

作詞: Seiko Matsuda/作曲:Seiko Matsuda・小倉良/編曲: 鳥山雄司





◎ ◎ 答 ◎ ◎

 「きっと、また逢える…」の方は、TBS系列の「金曜ドラマ」で放送された『おとなの選択』の主題歌でした。

 松田聖子さんの初主演ドラマだったはずなんですが、けっこうエグみのあるドラマでした。
 聖子さん演じる主人公が、学生時代から付き合っていた冴えない漫画家志望のる別所哲也さんをフって、いわゆる3K(高)の宅麻伸さんと結婚することからドラマは始まります。
 まさに大人の選択をしたわけなのですが、その後、実は…. という展開でした。
 毎回、聖子さんのメイクが決まりすぎていて、奥さんに見えなかったのが難のドラマでした。


 もう一曲の「大切なあなた」は、『おとなの選択』と同じく「金曜ドラマ」枠で放送された『わたしってブスだったの?』の主題歌でした。
 今、考えてもすごいタイトルですね

 松田聖子さんは、広告代理店で働く上昇志向の女性を演じてるんですが、けっこうイメージにピッタリでした。
 二人の男性の間を揺れるんですが、一人が同僚役の時任三郎さん、もう一人が若きカメラマンだったんですが、演じてたのは西島秀俊さん(えッ)だったりするんですよね、今回、確認していてあらためて思い出しました。




■   ■   ■ 酒井法子 編 ■   ■   ■


 さて、最後は、酒井法子さんのヒット曲「碧いうさぎ」が主題歌として使われたドラマについて…
 酒井法子さんの主演ドラマと言えば!だったりするので、これは簡単ですよね。
 一応、もう一曲、「鏡のドレス」って曲もあるんですが、こちらの方はどうでしょうか?


「碧いうさぎ」1995.5

作詞:牧穂エミ/作曲:織田哲郎/編曲: 新川博


「鏡のドレス」1996.10

作詞:三浦らら/作曲:宇佐元恭一/編曲:土方隆行






◎ ◎ 答 ◎ ◎

 まず、言うまでもなく「碧いうさぎ」の方は、日テレの「水曜ドラマ」枠で放送された『星の金貨』の主題歌です。

 先天性聴覚障害がある女性を酒井法子さんが演じ、その相手役となる兄弟をブレイク前の大沢たかおさんと竹野内豊さんが演じていました。
 回を追うごとに人気になっていったドラマでした。
    酒井法子さんの声が聞けるのは主題歌の時だけだったのですが、そのことが「碧いうさぎ」をより印象的なものにしてます。(手話を覚えたいと思ったのはこのドラマがきっかけではなかったですか?)
 とにかく、いろんな苦難が酒井法子さんを襲うんですよね~、このドラマ…    二転三転でした。
     さて、最終的なこの三人の結末はどうだったか…   お、憶えてますよね?


 このドラマ、続編もあるんで、それが結末の記憶に迷いを生じさせてるかもしれませんね。
 そして、「鏡のドレス」が主題歌だったのが『続・星の金貨』なんですよね。

 前作に輪をかけて苦難ばかりでした。
 あんなことやこんなことが起きたりして、あの人があんなになったり、この人はこんなになっちゃうし…
 私の周りには竹野内豊さん派が多かったのですが、沢村一樹さんが演じた悪い男を許すまじッて、いつも怒ってたのを憶えてます。
 さて、この続編の最後はどうなっちゃったのか…   
 私的には微妙な結末だったのですが、共感してもらえますかね。

 こういう次から次へと苦難が襲う展開は、ベタなんですが気になって観ちゃうんですよね~
 その後、『冬ソナ』を始めとした韓流ドラマがブームになるんですが、そのルーツは『星の金貨』なんじゃないかと思ったりしました。


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 90年代における、80年代アイドルのドラマ主題歌について書いてみましたが、懐かしいドラマと一緒に思い出してもらえれば幸いです!

 また、曲のリリース年を見てもらえば、この流れは90年代前半に集中していることに気が付くと思います。
 90年代後半は、TKブームや沖縄アクターズスクール旋風が起きて、安室奈美恵さんや華原朋美さん、SPEEDなんかが、80年代とは違ったアイドル像を作っていき、'98年には、いよいよモーニング娘。もデビューすることになります。

 考えてみれば、新しいアイドルたちへの過渡期ともいえる時代が、この90年代前半だったのかもしれませんね。



(90年代邦楽note)