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水族館と現代美術の話(頭の中のチャンネル)

 Aquarium & Contemporary Art


 個人的に水族館が好きで、旅行先でも必ず寄るようにしています。

 大きな水槽の前で過ごす時間はとてもぜいたくに感じます。許されるならゆっくりと眺めていたいので、つい長居してしまうことも多いです。



 以前、そこで出会う水槽の中の風景が、現代美術の作品に見えてきたことがあるのですが、そんな経験ありませんか?


 例えば、水槽の深い青色の光景を見て、イヴ・クラインの作品をイメージしたり____

サンゴ水槽9

(水槽)

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(イヴ・クライン)



 小さな魚たちが群れをなして回游する光景を見て、吉澤美香さんの描く回転体のドローイングをイメージしたり___

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(回遊する魚群)

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(吉澤美香さんのドローイング)
from ツイッター:@lucky_mika



 水族館にいるのに、美術館に居るような感じを持ったりすることは、我ながら面白い感覚に感じたのを憶えています。


 おそらく、人の頭の中にはたくさんのチャンネルみたいなものがあって、それを様々な場面に応じて使い分けているもので___

 私の場合、水槽の中の色や様子から、思いがけず現代美術のチャンネルにつながったのでしょうね。


 もしかすると、人の頭の中には、新しい見方や発想が生まれやすいように、気まぐれに思いがけないチャンネルにつなげる仕組みがあるのかもしれません。


 そういえば、現代美術の作品展を観た後は、帰り道の普段の風景が、なんだか違って見えることがありますが___

 それも、現代美術展で使っていたチャンネルが、つながったままになってるからなんでしょうね。


足場11

(改装中の建物が現代美術に....)


    

 チャンネルをたくさん持っている人ほど、その思いがけないチャンネルにつながる確率が高いのならば、たくさんのチャンネルを持っていることは豊かなことだ思いますよね。
 自分もそういう人でありたいと思うのです。




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