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炊き出しを続けて感じること その7

以前の文章
炊き出しを続けて感じること
炊き出しを続けて感じること その2
炊き出しを続けて感じること その3
炊き出しを続けて感じること その4
炊き出しを続けて感じること その5
炊き出しを続けて感じること その6

なんとか今年10月を終え、丸4年経ちました。最近は炊き出し公園でフラフラしているだけで、当事者から何かを訴えられるようになり、どんどん当事者への解像度が上がっています。ただ、4年間で積み上げてきた信用信頼も、失う時は一瞬なので、気を引き締めて臨み続けたいです。

・ガチ路上3人組の健康相談 その後
こちら(炊き出しを続けて感じること その6)で少し書きましたJさんは、最終的に炊き出し団体の支援を受ける流れになりました。Iさんの相談を受けてから半年以上、色々動きました。やり取りしている間に、寝床へ戻る道中の何処かで倒れ、救急搬送され一時的に病院のお世話になっていたり、色々ありました。以前にJさんから、昔は料理人だったと伺っていて、今では部屋で料理を作っている時もあるようです。
この件で、Jさんと同じ寝床だったKさんや、名前は教えてくれない数名など、認識してなかった方達とも交流が生まれました。無事にJさんが支援へ繋がった矢先に、Kさんの体調が悪いと別当事者から聞くようになり、何度か寝床に足を運んでいたのですが、全く会えずにいました。ですが、最終的に体調を持ち直したようで、また炊き出しに来られています。どちらも、とりあえず良かったです。笑

・僕自身の体調が良くなった
かれこれ27年以上の間、向精神薬を飲む生活なのですが、炊き出しを始める前より、薬が半減しました。笑 これは、本当に当事者のお陰だと感じています。なので最近は当事者に、この話を説明し、有難うと伝えています。僕は当事者の声に耳を傾け続けていますが、同じくらい僕の声を当事者が聞いてくれています。お互い話をすることで、何か変化が起きている部分があるのだろうと感じています。

・路上状態なのか、見た目と振る舞いだけではわからない
最近も何人かから、自分は路上なんだと自己申告があり、本当にこの判別は見た目や振る舞いだけではわからないなと感じています。意外と身だしなみに気を遣っている方は多く、「根性があること」「賢さがあること」「多少のコミュ力があること」ここら辺を、ある程度持ち合わせていないと、年単位で路上状態を続けていくことは困難なようです。僕には、相手と接していない状況で判別は、ほぼ不可能に感じます。炊き出しに並んでいる全体で考えると、僕と交流がある方は、路上の方が多めなのかもと思っています。

・自分の想いを、上手く言葉にできない方の名前がわかる
こちら(炊き出しを続けて感じること その6)で少し書きましたWさんの名前を教えてもらいました。コロナ対応直後から認識しており、かれこれ3年半くらいやり取りしてきましたが、ようやく名前がわかりました。笑 今後は名前で呼ぶので、Wさんに向けて言っていることなのかどうか、本人もわかりやすいと思います。今回のやり取りで、Wさんから他者への言葉が上手く文章にできず伝えられないだけで、僕など他者からWさんへの言葉は、ほぼ理解しているのだとわかってきました。なので、今迄、スタッフ側同士の内輪話で、傷ついてきたことも多かったのだろうと思います…。

・「大丈夫」と返答されてからが、本番
状態がヤバそうな方に話しかけ、「大丈夫ですか?」と訊ねると、判で押したように「大丈夫」と答えてきます。炊き出し参加し、一番最初にやり取りするようになった、こちら(あるホームレスのかたから言われたこと)のXさんの寝床訪問でのやり取りで気づきました。いつも僕が、「体調とか、困っていることなどないですか?」と、訊ねると、決まって「大丈夫」と答えるのです。最初の頃はそれで話が終わっていたのですが、その内、「大丈夫」と答えた後に、「脚が悪いので、ずっと立ち続けて待つのが大変」「目薬が欲しい」「寝袋がボロボロになってしまった」など、体調や困ったことなどを話し始めるようになりました。「おはようございます」のような挨拶のように、「体調とか、困っていることなどないですか?」「大丈夫」の形式的なやり取りはあるのですが、そのやり取り後の話が重要になってきました。Xさんとのやり取りで、それは理解したので当事者に、「大丈夫」と答えられてから、僕は正直に、「大丈夫じゃないように見える人ほど、大丈夫って判で押したように答えるんですよ。僕はその先を知りたいです。」と、少し突っ込んで反応を伺います。当事者の人懐っこさ度合いによりますが、そこから話が進む方もいるので、ダメ元で伺っています。

・当事者とやり取りし続け、わかってきたこと(食べ物関連)
これは別の文章にまとめようかと思っているのですが、今回は食べ物関連だけ書きます。
「温かい物を食べる機会が少ない」「油物が多い」「味付けが濃い物が多い」「ある時に提供する人が集中し、賞味期限が短い物が集中する」「何からの事情で余った物などを、提供されていると自覚している」「アルファ米やカップ麺を入手する場合が多いので、常にお湯を欲している」「歯のケアができない人が多く、歯がボロボロの人が多い」「歯がボロボロの人が多いので、硬い物や噛み切らないとならない物は困る」などがあります。
「食べ物を思うように入手できないので、食べ物の栄養偏り問題」「訳アリの物などを提供されることで、自尊心が削られていく問題」「全体的に余裕がないため、自分自身の歯や身体のケアに気が回らない問題」或いは、「歯や身体のケアをすることを、身近な人から教えられてこなかった問題」あたりに、上記内容は大別できるかな?と、思っています。

次は来年4月を終えれば、4年半を超えます。もう、僕の先輩スタッフも殆ど残って居ません。最近、疲労が酷く、自分達が立ち上げた炊き出しの方を1回、当日に休んだのですが、その後の炊き出しで、「あの時、居なかったね」「何で居なかったの?」など、当事者に言われてしまうと、気持ちが引っ張られます。最近はかなり当事者に助けられているので、このまま続けていけたらと思っています。笑

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