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炊き出しを続けて感じること その5

以前の文章
炊き出しを続けて感じること
炊き出しを続けて感じること その2
炊き出しを続けて感じること その3
炊き出しを続けて感じること その4

その後、やはり色々あり、なんとか丸3年経ったところで、連携団体からの参加に切り替えました。僕の心身の調子を保ったまま、並ぶ人達と接し続けるには、その方法くらいしかないだろうという判断からです。「炊き出しを続けて感じること その4」は、公開してから非公開にしていたのですが、再公開することにしました。僕の信念的に、無理に配慮することはないだろうという判断からです。

・連携団体からの参加に切り替える
そもそも、僕は連携団体に参加している元主治医の紹介で、炊き出し団体に関わるようになりました。炊き出し外で接する友人知人も連携団体にいます。また、過去に別理由で炊き出し団体から連携団体へ移っていったメンバーなどもいます。なので、全く知らない場に、あらためて飛び込むわけではなかったので、参加を切り替えようと思いました。切り替えてから3回ほど参加しましたが、一部のメンバーが交流会みたいなものを開いてくれたりして、このまま一緒にやっていけそうな感じです。ストレスがかなり軽減しました。

・新しい炊き出し団体を立ち上げた
炊き出し団体の一部メンバーが集まって、新しい炊き出し団体を立ち上げました。12月に初回を無事に済ませました。初回は最大100人くらいしか対応できない感じで、これといった告知もしなかったのですが、それでも70人くらい口コミで集まりました。いつもの炊き出しに参加しているかたが多めでした。新しい炊き出しのほうでは、緩い感じの運営や、当事者との交流を重視しています。配布内容もいつもの炊き出しクオリティーのようなものではなかったですが、並ぶ人達は喜んでくれました。笑 月イチ開催の予定です。

・炊き出しと炊き出しの間の想像
常々思うことなのですが、夜回りを含めても、いつもの炊き出し団体と、新しい炊き出し団体を合わせても、ひと月に6食から8食くらいしか提供できていません。1日3食食べたとしたら、ひと月で90食くらい。個人的交流をしている、ガチ路上のXさん曰く、1日1食食べられたら良いほうだと言うので、それで計算しても、ひと月で30食くらいガチ路上の人だって食べるのです。ガチ路上の人達なども、支援と支援の間の時間帯もどこかで過ごしているのです。今日のご飯にありつけられるかどうか、先の見通しがハッキリしない中、生活しています。常にお腹が減っていたら誰だってイライラしてきます。怒りっぽい人がそこそこいることも、仕方のないことだと、僕は感じています。

・僕が帰る際に、ずっとこちらを見ていたXさん
こちら(あるホームレスのかたから言われたこと)などに書いていた、Xさんの寝床訪問などは続けていたのですが、Xさんの寝床は駅の傍で、僕が駅の入口に向かうまで、ずっと僕を見ていたのです。ある時、たまたま駅の入口に入る直前で振り返ったら、こちらを見て手を振っていました。それ以来、入口に入る直前で振り返り、手を振って別れる感じになりました。最近、ちょっと調子が悪いようで、今年の夏で70歳を迎えたので、たまに部屋に入ることも考えてみて欲しいと伝えています。結局、70歳までに部屋に入るような話は流れてしまい、他人の意識を変化させることは、とても難しいことだと感じ、命の危険があるにせよ、そういうことをして良いのだろうか?という迷いはあります。訪問するようになって丸2年くらい経ち、部屋に入る形にはなっていないけれども、お互いの影響はお互い受けたと思っています。

・僕が認識していないかたから、話しかけられることが増えた
中高年以上のおじちゃん達の一部は、僕には似た感じの風貌に感じており、マスクもしているから尚更わからず、僕は勝手に量産型おじちゃんと呼んでいます。そういうかたから話しかけられることが増え、その時に、初めて顔を認識する感じで、その後、名前交換をするような人も増えてきました。話しかけてくる理由は、大体、なにかの訴えです。基本は、ひたすら訴えを聞いて、運営のほうへ投げてみますねと話を終えています。たまに無茶苦茶な内容もあり、運営に投げても、即却下だろうなと思う内容もあります。ただ、下手なことをスタッフに言ったら、自分が不利益を被るから、無難なことしか言わないとかではなく、自由に想いのままのことを言えるような雰囲気は大事だと思いますので、良い傾向なのでは?と思っています。笑

・拳を振り上げてから、下ろす理由を探している
並ぶ方達は、顔見知りのかたがかなり増え、炊き出しに協力して欲しいことも、かなり浸透してきました。普段は落ち着いているのですが、いきなり激情してしまう、あるおじちゃんがいます。仮にGさんとします。数回前の炊き出しスタート前の、スタッフが集まりだした時間帯の話です。鍼灸の受付をしようと、Gさんは並んでいたようですが、受付の仕方がよくわからず、自分の前のかたの受付風景をジッと見ていたようです。そうしたら、前のかたが、自分に因縁を付けてきたのかと怒り出したらしいのです、それに対して心外だとGさんも怒り出してしまいました。そこら辺で僕は気づき、近寄りました。怒ってはいましたが、炊き出しで揉めたいわけではないと、今日は鍼灸を受けないからもう良いよと、Gさんは引き下がっていきました。怒り出すかたも、延々と怒っているのではなく、短気故なのか怒ってしまうのですが、怒り出してから収める理由を探り始めるかたが殆どです。なので、全方位から正論で追い詰めるのではなく、怒っているかたの退路も確保しながら対応したほうが、スムーズに収まることに気づきました。

色々あり、連携団体からの参加に切り替えましたが、次は来年5月の、3年半を目指して頑張ります。笑

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