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【architecture】窓学

バーチャル窓という素晴らしい窓ができているので、リアルな窓は要らないのかもしれないが、『窓』について私なりに考えてみたいと思う


『窓』は建築とは切っても切り離せない要素のひとつだろう
窓の開け方で建築の良し悪しが決まると言っても過言ではない
学生の頃『窓』には大きく分けて3種類あると教わった

・光を取り込む窓
・風景を眺める窓
・風を取り込む窓

実際にはこれだけではない
そんなに簡単に窓を分類することはできない

ただ三つの窓の使い方を意識しているだけでもデザインとしての窓のクオリティは変わってくるように思う

今後『窓』について私なりの考えを記事にしていこうと思う

まず窓について考える前に基本的なことを…

窓に関する考え方は世界において地域性がある
日本のような木造の建築が発達した地域は、柱と梁からなる骨組みを基本構造としている
地震に対して面(壁)で支える考え方が近年では主流であるが、基本は骨組みである
故に窓を設ける際の緊張感は比較的ゆるい
ましてや高温多湿の気候から外部との関係性も繋がりを求めることから大きな窓を設けることが多い
日本人は縁側にあるような、引き違い窓で掃き出し窓(足元からある窓)でスッとスライドして縁側にでるのを好む性質がある
ほとんどの家の庭やバルコニーに出る窓はこのタイプのはずである
これは日本人の気質と文化によるものだろう

一方ヨーロッパなどはもともと石の文化である
石は木造と比較して石を積み上げる組積造になるので構造的に簡単に窓を設けることができないのだ
故にヨーロッパの建築は日本に比べると窓を開ける際には慎重にならざるおえない点が大きな違いである


今では技術が発達して世界中でほぼ同じ工法をすることができるため窓に対する制限は少なくなりつつあるが、やはり窓はヴァナキュラーな影響を今でも色濃く残しているように思う

そんな地域性も考えながら、色々な『窓』から建築を見てみたいと思う‼︎

以前ご紹介した安藤忠雄氏設計の『光の教会』はまさしく【光を取り込む窓】の例である


光だけで建築が出来ることを証明している
そんな普段は意識していないような『窓』をテーマにして建築を見ていこうと思う

つづく

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