空白

エナジードリンクの空き缶、作成途中の作品が2つ、有線のイヤホン、充電コード。
机上は荒れまくりだ。

 久々に、何か文章を書きたいと思ったので課題を放り投げてノーパソくんに向き合っている。
高校生活、残りわずか。昨日、クラスメイトのひとりが卒業までのカウントダウンを提案した。
乗り気ではないが、士気下げマンになってしまいそうなので、紙を渡されたらしっかりやるつもりではある。

 正直なところ、今通っている学校のことは好きではないし、クラスメイトのこともあまり好きではない。
嫌いとか、苦手とか、そういうのでは決してなく、ただ単に波長が合わないしどうでもいいんだと思う。
おそらく興味がない、といったところだ。
異国の地に飛ばされて、友人と呼べるような存在は愚か、心を開ける人間なんて誰ひとり出会うことなく終わろうとしている。
それゆえ、いわゆる、青春であったはずの3年間ではほとんど「らしいこと」を何ひとつしていない。

 高校1年生のうち、特に最初の頃は、「ケッ、浮かれあがって。陽キャどもが」なんて捻くれていた部分が正直あった。
しかし、わたしという人間は厄介なもんで、心の底では少しだけ羨ましがっていたんだと思う。
だから、入学式の帰りにクラスの女子で撮った記念写真にはちゃんと写っているし、バレンタインデーで黒板の飾り付けを手伝っている写真だって、しっかり写真フォルダーに残っている。

 これは3年間のうちで、1番楽しかった年だ。

 思えば、楽しかったなあ、戻りたいなあ、と思う日は1年生の頃。
コロナ禍でほとんど行事が中止になったはずなのに、なんであんなに楽しかったんだろう。わからないや。
 異郷に飛ばされて、しばらくしてからマスクが不必要になった。
体育祭だって、文化祭だって、基本的に大きなイベントは全て行うことができた。
それでも、1度も心の底からいい思い出だったな、なんて思うことができなかった。
むしろ思い出すのは嫌な思い出ばかり。
泣きながら担任に打ち明けたって、数ヶ月後の面談であの時の熱い思いがどうの、なんて掘り返され、馬鹿にされる(実際にはしてきてないが、されたようにわたしは感じたのだ。)始末だ。
人間関係良好なわけないだろ。こっちが耐えてんだから。


 この先、高校時代の思い出は?と聞かれても、少なくともこの2年間のことを答えることは多分ないんだろうな、と頭のすみっこで考える。
人間社会の醜いところをギュッと濃縮しました!、みたいな狭い社会で生きていたことをいつか笑い話にすることができたら、わたしも大人になれるのだろうか。

この空白を共に埋めてくれたかもしれない友人たちに早く会いたいなあ、なんて。

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