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復興への点照、どんなふうに先達が夢を繋いできたか

現パナソニックの創業者、
松下幸之助氏は
昭和21年1月1日〜同36年1月25日まで
毎月の給与袋に添えて社員に向け
メッセージを送った。

「日に新た」(PHP研究所)は、
その98回分の手紙を束ねた一冊。
いわば社長訓示集。

同氏の、仕事への考え方と情熱、
健康と摂生、貯蓄の大切さ、
季節ごとの過し方、
政局への不安、総じて、
終戦から復興を遂げてゆく
日本の姿が見える。

この本は2015年8月4日が
第1版第1刷であり、
僕は5年前に購入して以来、
何度か読み返しているもの。

今週とてつもなく、
この一冊が読みたくなった。
その理由はなんだろう。

「復興」ということではないか。
同著からは、戦後の復興からの産業界、
その時代の人の生き方、
その息吹が感じ得られる。

僕らは、現下のコロナ禍だけでなく
東日本大震災から10年など、
様々な復興に向かっている。
そして昨今.この文字を見ない日がない
「SDGs」。
これこそ、17ゴール全てが
復興なのだと僕は思う。

経営の神様と讃えられる同氏が
家族のように愛した社員の方々に向けた言葉。
それを松下電器産業の社員でない僕らが
当時の世相を感じながら堪能できる贅沢。
途方もない程の価値ある一冊。

どんなふうに、先達が夢を繋いできたか。

復興とは元に戻すことではなく、
そこから何か新しい価値を
創造していくこと。
次の時代に向けて、
深化と進化をクロスさせること。
僕ら一人ひとりが未来への道程の、
担い手なのだと。

昨日の新聞で見つけた訃報。
松下幸子さん、享年99歳。
幸之助氏の長女であり、
2代目社長の奥様でもある。
22日の午後6時50分にご逝去。

今週月曜朝に、
この一冊を手に取った理由は
他にあるような気がしてきた。

合掌

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