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Slow Neighborhoodの成長

偶然の出会いから動き出す

Slow Neighborhoodが実際に形づけられるきっかけは、偶然の出会いによってもたらされました。

2021年6月~8月、新大久保駅ビル「K,D,C,,,」3階のシェアダイニングに、東京で手に入らない地方の農産品をジャムにした「fam」というpop up shopが出店していました。6月のとある日、当時19歳で大学2年生の八太菜々子さんが来店し、いろいろと質問をしてきます。これが、Slow Neighborhood総合ディレクターを担うこととなる彼女との出会いでした。

八太さんは、学業の傍ら地方の生産者を訪問し東京のマルシェで販売のお手伝いをする、そんな大学生でした。地方のジャムを❝売る❞ことよりも、ジャムに込められた生産者の想いを❝伝える❞ことに熱心な店に関心をもったのだ、と彼女は当時を振り返ります。

「おいしい」からつながるをコンセプトとしていたfam

この出会いをきっかけとして始まった、東京と地方の暮らしを対等に❝重ねる❞取り組み。
9月からは、観光庁の事業として「Slow Neighborhood佐渡×東京」が具体に始まります。八太さんもそのプロジェクトに関わり、相互に進化を遂げることで、今のようなSlow Neighborhoodのプログラムとプロセスが形成されていきました。

自律的関係であること

さらに11月、Slow Neighborhoodに自らが自律的にかかわるため、八太菜々子さんは「llc.CICLO」を立ち上げます。このことこそ、Slow Neighborhoodの特徴を表しています。

今までつながりのない人と人、地域と地域がお互いの価値観を重ねながら新しい価値を生み出すこと。そして地域間の循環経済を継続させるためには、それぞれが自立し❝自律的関係❞になることが前提です。

日本の地方がなぜ疲弊していったか。それは高度成長のなかで、東京への依存体質が地方に蔓延した結果なのではないでしょうか。相互の依存体質のうえでのおつきあいでは、Slow Neighborhoodは成立せず一過性に終わってしまいます。私たちは東京と地方を相互の自律的関係とし、持続的な循環経済を生み出すことを目指しています。

価値はゆっくりと生み出される

Slow Neighborhoodはそれぞれの地域にある未利用資源を地域価値に変えるため、距離を超えたひとりひとりのつながり、おつきあいを基本としています。
それは最初から10,000人につながるのではなく、まずは10人の出会いと交流のおつきあいから始まります。10人のつながりから見出した資源を価値に変えるため、生まれた共創プロジェクトを10×10人へと広げていきます。共創プロジェクトによるモノ・コト体験を提供する段階で、10×10×10人に紹介し、広まっていく。そんな過程を大切にしています。
これは決してすぐ成果がでるものではなく、ゆっくりとしたお付き合いの継続の中で生み出される価値なのです。

東京と地方を結ぶ企画会議をz世代中心に開催


デジタル社会において、地球上のどこにいても情報を取得できる世界。
技術の進歩と共に"距離をこえたご近所つきあい"が可能となったこそ、顔と顔をあわせたおつきあいには新しい意味がもたらされています。

今まで忘れ去られていた、地域ごとの暮らしや文化のなかにある地域資源を地域資産としてゆっくりと熟成されるように生み出すこと。それがSlow Neighborhoodなのです。