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スピーチ・セラピスト?!

「言語訓練専門職員」、、、これなに?

 時は1988年、昭和のバブル絶頂期。サラリーマンとして6年が過ぎた頃、会社を辞めることを決めていた私は「では、何で食べていくのか?」と思案していた。芸術関係に職があるだろうか、、臨床心理士や当時脚光を浴びていた日本語教師はどうだろう、、そんな頃、仕事帰りに寄った本屋で手にした職業の本を捲っていくと、目に飛び込んできたのが「言語訓練専門職員」だった。「言語訓練」、、一体どういう仕事だろうか、興味が湧いた。

 スマホもネットもない時代、頼りになるのは図書館である。その頃毎週のように行っていた柏市立図書館で調べた。言語訓練専門職員とは言語療法士、英語でスピーチ・セラピスト(Speech Thrapist : ST)というらしい。放送大学の「言語障害」という教科書も見つけた。早速購入して1年間、休みの日にラジオ(もちろんBS放送大学もradikoもない時代)を録音して聴いた。講師は日本の言語障害学の草分けのひとり、筑波大学の内須川洸先生だった。

面白そう、、🙂

 一番興味を惹かれたのはアメリカの言語病理学者で吃音当事者でもあったヴェンデル・ジョンソンの言語関係図(下図)だった。言語障害の大きさ、深刻度と言っても良いだろう、それはX(吃音の症状)とZ(聞き手の反応)そしてY(Zに対する吃音者の意識)の掛け合わされた体積(容量)である、と説明されていた。つまり、症状がどんなに強くても、周りが気にせず聴いていれば障害は無きに等しく、また周りの人が怪訝な顔をしていても本人が図太く鈍感で気にならなければこれも障害とは言えない、ということである。畢竟、障害は関係性の中で生まれると。

伊藤伸ニ「吃音相談室」 http://kituon.livedoor.blog/より


よし、スピーチ・セラピストになろう!!🤗

 孔子の言葉に「三十而立」(30にして立つ)、があるが、丁度私も30歳であった。ビニールカバーを掛けた内須川先生の教科書は今も本棚の奥にある。

🫱友人などの宅に行くと本棚に興味が湧きますね🧐 その人の内面を窺い知ることができそうな気がします。昭和の代表的なジャーナリスト、評論家、ノンフィクション作家でもあり、「知の巨人」と呼ばれた立花 隆の「ぼくはこんな本を読んできた」に倣って、私がSTに成ろうと決めた頃から読んできた本を紹介して行きたいと思います。noteは本の紹介も大きなテーマですので、先ずはタイトルだけでも書いておきます。

📕その頃読んだ本
「親和力」ゲーテ 岩崎文庫
「夢みる脳」鳥居鎮夫 中公新書
「菜の花の沖」司馬遼太郎 文春文庫
「健康な人格」D.シュルツ 川島書店
「甘えの構造」土居健郎 弘文堂
「自立と孤独の心理学」加藤諦三 PHP
「クセの日本文化」神崎宣武 日経新聞出版
「遠い夜明け」John Briley ペンギン
「愛あるところに神はあり」トルストイ
「自分作りの法則」加藤諦三 PHP
「ダーウィン進化論を解体する」浅間一男 カッパ・サイエンス
「生きがいについて」神谷美恵子 みすず書房
「人間の心を探究する」宮城音弥 岩波新書



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