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時計:1950年代のヴィンテージ腕時計、ソ連製の1MChZシュトゥルマンスキーを手に入れたぞ。/Часы Штурманские 1МЧЗ им Кирова, 1950 е годы, СССР

Здравствуйте! 皆さん、闘争してますか? 遍く世界を革命的共産主義の鉄槌によって粉砕し、労働者階級の革命的闘争で資本家階級を打倒しよう!

Домо、素浪汰 狩人スキー слаугхтеркултски です。突然ですが労働者階級の相棒と言えばやはり『腕時計』ですよね! 日本では人民が時計を見るが、ソビエトロシアでは時間がお前を見ている! 怠け者は粛清の時間だ!

In Japan, people watch time. Meanwhile in USSR, time watch YOU!

――ロシア的倒置法

ロシアが「ウクライナとベラルーシとはズッ友だょ……!」(戦争も辞さぬ)伝統的ツァーリ仕草してるけど、構わず国際的♂お買い物していくぅ⤴

今回お世話になったのは、ネットショップ・VintageDuMarko=サン。

店はウクライナにあるようだが、実際の商品の発送地はベラルーシ共和国のフロドナ(ベラルーシ語発音。ラテン語転写の綴りはGrodno)なのだが。

これぞ、烏白親善だね♡ なのか?(国境地帯のロシア軍から目を逸らし)

どうなっとんねん。ままええわ、そも日本に送ってくれるんかいな……。

届きました(即堕ち1コマ) 海外通販は色々試してみたが、ポーランドもトルコもギリシャもガワがここまで汚くなかったので、本場のスラブ仕草を感じられて興奮を禁じ得ない。あと欄外に殴り書きされたキリル語しゅき♡

БEЛПОШТА……まあ順当に考えて、ベラルーシ郵政公社ってことですかな。つか名前ネット検索したら”БЕЛПОЧТА”って出たぞ。名前まで適当かよ。

ラベルとネットで綴りが違うって……これが戦略的曖昧さですか(違う)

差出国は当然、BELARUS。ベラルーシと言えば、ジョン・ウィック3で突然ベラルーシの組織が出て来て、「ジョンは私が育てた(ババァーン)」してビックリしたよね。あと陸上選手が大統領に文句言って揉めてたり、デモであーもうめちゃくちゃだよ(社会)になってたり、何だか一般市民の方々は大変ですね……という感じです。隣国のウクライナでは、クリミア侵攻からこの方、ロシアとウクライナがずっと花一匁()してるし治安悪すぎやろ。

終わり! 閉廷! 以上! みんな解散! 平和が一番、ラブ&ピース! 

まあ、平均的プロレタリアートの私には関係ないので、ブルジョワジー的な世界経済の尖兵として革命的購買行動し、世界平和に寄与するとします。

飾り気のない、雑然とした緑ラベル。ゆうパックや宅急便なんかで商品名を書き込むアレと基本的には一緒ですね。ただどうにも拭いきれずに溢れ出るチープ感がスラブクオリティ。少しバカにし過ぎ? そろそろ怒られそう。

・DÉCLARATION EN DOUANE/ТАМОЖЕННАЯ ДЕКЛАРАЧИЯ
訳すと『税関申告』……併記された言語はなぜフランス語? わからん。

・Peut être ouvert d'office/Может быть вскрыта в служебном порядке
『オフィスで開けます』……危険物は中を開けて確認するよ、ってことか。

・Opérateur désigné(なぜフランス語?)/Назначснный оператор
訳すと『指定オペレーター』……記載は『Belarus Grodnoy』、発送地かな?

・Подаро/Cadeau『贈り物』に☑が入れてある。

・商品名と思しき欄には『used wrist watch』。

そう、今回買ったのは新品じゃなく中古です(重要)。吾輩ケチだから……というのもあるけど、新品で手に入る可能性が限りなく低いブツなんでね。

つーか、包みかっるいな。これちゃんと中身入ってんのか? ひょっとして税関で開けられた時、中身だけ抜かれてんじゃね?(ティピカル共産仕草)

とか何とか、上げたり下げたり、矯めつ眇めつしつつビビる私だった。

まあ、あんま深刻に考えてても仕方ない。中に誰もいませんよ、だとしてもそれはそれでおいしいので、手術を始める……メス! 入党……違う入刀!

入ってた。ちなみに、紙袋に包んだボール箱以外は、エアキャップのような緩衝材の類は、丸めた新聞紙すら入っていませんでした(マジ) いいねぇこういう雑な梱包、オラわくわくすっぞ! ……壊れて無きゃいいがなぁ。

販売業者のラベルが張られた、何の変哲も無いボール箱。やっぱスカスカに軽くて心配。時計ってこんなに軽かったかしら……買ったの機械式やぞ……?

御開帳。緩衝材はエアキャップかと思った? ……残念、紙でした!

ほらよ。って感じで入っとった。包装するジップロックの汚さは、何となくAliExpressで中国(シンガポール)から買った電子部品を思い出すね。何気に袋は二重で包まれており、努力できる範囲の贅沢さに微笑ましくなるなど。

思ったより小さいと言うのが、開けた時の第一印象。良いか悪いかというと断然いい。デカ乳輪のスポーツ時計でオラつく年でもなし、手首が細いから大きな腕時計はそも似合わねんすわ。実用的な大きさ、そして軽さが良き。

キャリバー何mm? ってメジャーで実測したら、33mm径っぽいですわ。昨今、推されがちなデカ輪と比べ一回り……下手すると二回りくらい小さい女々か? なサイズですが、こまけーこたぁいいんだよ! マジな話、余り径がデカすぎると、シャツの袖と擦れて服が消耗するんで好かん(貧乏性)

道具としてまともに動き、大体の時間が分かれば御の字。この機械式時計の日差ときたら、大体±30~60秒(クォーツの月差)ぐらいあるらしく。別に構いやしませんよ。現代人なんだから、正確な時間はスマホで見るっしょ?

半分遊び用途、お飾りとして付ける実用時計(一行矛盾)ってことです。

能書きは不要だ。パッションが大事。一目見た瞬間から一目惚れしました。20回ぐらいネジを巻き上げ、キリまで巻かれてピタリと止まると、テンプを健気に震わせ小刻みな機械音をチクタク。う~んこれこそ機械式の醍醐味。

前に買った自動巻きのSWISS WATCH()なんか、ネジがビックリするぐらいガッサガサの巻き加減だったからね。多分、内部の製造交差か研ぎなんかが甘かったのかも知れん。まあそれでもちゃんと動いたことは動いたけどさ。

それに比べると、この旧ソ連製の機械式時計、自動巻き機構も付いていないスパルタ仕様だが、ネジのクリック感と巻き加減は、実にナイスでーす♂な滑らかさ。いい意味で謹厳実直な工業製品してるっていうか。やっぱ自前で工場持ってムーブメントも内製してるし、部品製造から組み立てに至るまでノウハウがあるんだろうね。ネジを回した感じだと、噛み合った部品同士が無理をしてる感じがしないのよ。安物とは違う。実はSWISS WATCH()より何千円か安いんだけど、まあ中古ですから。元の値段はいくらなのかなぁ。

で、驚くべきことにこの時計、1950年代製造なんすよ。私が30歳だから、製造年を信じるなら、軽く私の倍以上は生きてる時計なんすよ、こいつ。

凄いよね。第二次大戦後の10年くらいで、既にこんなの作ってたんだから。

まあぶっちゃけ、時計の製造能力に関しちゃ、日本も負けちゃいませんが。

よく第二次大戦の面白ソ連ネタで、クソ田舎出身の露助の土人は、腕時計がどうやって動いてるか分からなくて、旧日本兵から巻き上げた時計なんかも直ぐに壊したとか笑い話にする人いるでしょ? 少なくとも、モスクワじゃきちんと文明が出来てて、それなりの工業製品を作ってたってことですね。

じゃなきゃ、戦後直ぐに突撃銃AK-47だの、海外から接収した最先端装備を参考に、先進兵器を設計して国産化できるわけがねーですな。やっぱ工業は社会の基礎って、ハッキリわかんだね。まぁご自慢の工業力でちゃんとした腕時計が造れたとして、一般市民がそれを買えたかどうかは話が別だが()

テンプが駆動する微かな音が聴こえますか? 驚いたことに、時を刻む音が秒単位じゃなくて、「チッチッチッチッ……」と感覚1/4秒ぐらいのペースで面白い。所持したことは無いけど、クロノグラフってこういう感じなんじゃないだろうか? 気持ち、軍用だけあって一般用より凝ってる気がする。

あと現行シュツルマンスキーを15万円って書いてるけど、この値段は限定の特別モデルで、現行シュトゥルマンキー・ガガーリンは58,000円だったわ。

画像は https://sturmanskie.com/upload/iblock/a1c/a1cc5d809e4cf0dcb6074062de38dd32.png より転載されています。

文字盤に『ШТУПМАНСКИЕ 1 МЧЗ им Кирoва』って書いてるが、念のため補足しとくと、見た目を似せたレプリカだからね。シュツルマンスキー社は1 МЧЗ/モスクワ第一時計工場のロシアにおける後継企業とされているが、そのもじゃないからね。文字盤の下に小さく『СДЕЛАНО В ЛОССИИ』って書いてるでしょ。製造時期だとかモデルにもよるけど、私が購入したような真正『1 МЧЗ』製造の時計だと、ЛОССИИじゃなくСССР=USSR、要するにソ連製ですよと書いてあるんですな。輸出向けには記載が多かったっぽい。

ちな私の時計には製造国書いてない。СССРって書いてて欲すかった……。

で、下の二つがロシア製Poljot 3133クロノグラフ・ムーブメント(廃版)の残りで組み立てられた、限定品の3133シュトゥルマンスキーとオケアン。

画像は https://sturmanskie.jp/wp-content/uploads/2021/04/STURMANSKIE-025.jpg より転載されています。

(上はオープンスペース・クロノグラフ・ヘリテージ。下はオケアン3133。何れもPoljot 3133ムーブメントを使用し、日本市場価格は税込159,500円だ)

画像は https://sturmanskie.jp/wp-content/uploads/2021/04/STURMANSKIE-016-1.jpg より転載されています。

159,500円!?……たっか! ホンマたっかいわぁ。オープンスペースよりオケアンのデザインが好みやけど(海用の時計だからかブレゲのマリーンやパネライのラジオミールにパッと見似てるよね)オケアン売り切れてるし。

機械式なら、昔から国産オリエント時計(今ではセイコーエプソン傘下)のオリエントスターも欲しかったけど……フラッグシップは税込み319,000円……そんだけ金あれば、中古のIWC買えるやんな(クラシックな時計大好き)。

……ン、中古? 待てよ、その手があったか。どうせ中古買うなら、国内で簡単に買えるタマ買っても面白くないわ(ここでいつもの悪い癖が出る)。

いっそソビエトロシア謹製の中古品買うのはどや? 中古なら安いやろ。

カチカチカチ……(トラックボールクリック)、うーん、何か現行の時計が沢山見つかるんだけど(1 MChZ/POLJOTの後継企業には、名前を受け継ぎドイツで製造している会社もある)……モダンな時計はお呼びじゃないぜ。

もっとこう、洗練されてない、ダサくてバタ臭くて芋臭い……そうこれ!

そう~これこれ! こういうの、探してた時計! こういうのちょうだい!

というわけで、オークションサイト・Etsyに流れ着いたワケである……。

【☟ 私が購入したネットショップ/オークション ☟】

おっと、1950年代のシュツルマンスキー? お値段 $176.00(21,206円)が今なら割引で、特別に $140.80(16,965円)ですって? しかも、残り1点?

あぁ~、Paypal決済の音ぉ~! ($140.80+送料 $9.00=$149.80/18,049円)

支払いしたのが1/12、発送したのが1/20で、2/1にはもう到着したのよね。

意外と早く届いたな~(嬉しい誤算)……スラブ人、意外と仕事早い説。

で、これである。正真正銘、旧ソ連の1 МЧЗ/モスクワ第一時計工場製で、ベラルーシに眠っていた1950年代のヴィンテージ・シュトゥルマンスキー。

正確な製造年は分からないが、ロシア製の機械式ムーブメントは、70年後の現代でも、ネジを巻いたらバッチリ動くぜ。整備は完璧だ。自動巻きなんてブルジョワジーな便利機能は無い、潔いネジ巻き一択のプロレタリアートな機械式腕時計。簡潔な構造だから軽いんすよ。理論上、故障にも強いはず。

20代の頃にアメカジショップで買った『SWISS WATCH(大嘘)』、まあ多分チャイナレプリカだと思うんですけど(名推理)、腕輪が金属製だった上に自動巻き機構まで入ってたから、付けててクッソ重かったのよね(遠い目)

あのSWISS WATCH(迫真)割りと気に入ってたんだけど、手首の汗がヤバくステンレスの裏ブタが錆び錆びになっちゃって、いつしかムーブメントまでぶっ壊れて竜頭が回らなくなり、泣く泣く使うのを止めた残念な記憶……。

裏ブタの篏合部周辺に浮かんだ錆とか、全体に刻まれた小傷とか、使用感に時計の歴史が感じられて堪らなく愛しくなる、本物の旧共産圏ヴィンテージ軍用機械式腕時計、整備済みの動作品が18,000円。おまけに腕輪は手仕事の温かみが感じられる新品だし、コリャぶっとくていい革使ってんぜぇ~?

いやマジで、こりゃトンデモない大バーゲンなんじゃねえですかい……?

粗にして野だが卑ではない。無駄無く余計な装飾の無い、素っ気無いまでに実直な生活の道具。質実剛健と言うのが相応しい、ソビエトロシア民藝だ。

こういうのでいいんだよ、こういうので。貧乏人が気張って、ロレックスやIWCを買うのも上昇志向が感じられていいが、よく考えたらそんな見栄とか別にいらねーんすわ肩肘張らない、他人と被らない時計なら何でもヨシ!

安価で実用品をお探しの貴方は、国産のセイコー・シチズン・カシオ辺りのクォーツだけじゃなく、中古の旧ソ連製メカニカル・1 MChZに手を出して共産趣味に入門するのも……アリかも!? 外れを引いた時は自己責任だで

軍用なので蛍光塗料入り。暗い所では文字盤の数字と針が光るぞ。可愛い。

トカレフやマカロフがあれば最高だったが、生憎M1911A1しかなかった。
日本では人民が薬を飲むが、ソビエトロシアでは薬がお前を呑む!

In Japan, people take medicine. Meanwhile in USSR, medicine take YOU!

――ロシア的倒置法

薬の飲み過ぎには気を付けよう! そして、みんな真面目に不真面目に……生きようね! モスクワの時計を見たら、腹もすくわ! なーんちゃって!

ズコー!!!!!

そこで唐突に窓をぶち破り、闖入する特殊部隊員スペツナズ! 手にはマカロフ拳銃!

「ウワッ、何をするヤメロ」
「Сука Блядь!!」

BLAM!BLAM!BLAM!BLAM!BLAM!BLAM!BLAM!BLAM!

……死ーん。

完!


From: slaughtercult
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