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中国スタートアップ勉強会

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2019年3月の記事一覧

中国ネット通販2位・京東、遠いアリババの背中

1月下旬、創業3年半の社交電商(共同購入)型ネット通販「拼多多」が、創業20年の京東を、時価総額で上回ったと話題になった。 また蘇寧グループが小売業界の“黒馬(ダークホース)”として大暴れをしている。蘇寧はOMO(Online Merges Ofline)のバランスが取れている。このままでは、首位のアリババを追うどころか、2位の座も危ないともいわれた。 ただし物流は依然として強力だ。今年の春節休暇、世間から“春節も配達”の代表と見做されたとのは京東だった。2018年の国家郵

スタートアップ投資件数、日本が中国に迫る

「スタートアップへの投資件数は増えたが、金額は米国の5%、中国の13%に過ぎない。」「大手企業はスタートアップ投資をリスクと見て、大きな投資に踏み切れない。」これこそ日本経済抱えるの根本的な構造問題である。 中国のIT巨頭、テンセントは2011年、ゴールドマンサックスに在籍していた中国人を引き抜き、投資部門を任せた。以来600社以上に投資し、2017年は投資部門の利益は全社の38%に達している。 2018年は、同社の投資した企業13社が、米国市場、香港市場へ上場を果たした

中国・京東、米グーグルのネット通販に商品供給 家電など500品目

2018年2月、欧州を訪れた京東の創業者、劉強東は、2019年中に欧州市場へ進出する、すみやかに広範囲に展開し、アマゾンと戦いたい、と述べた。そして4月には、中南米への展開を見据えたスペイン語サイト「Joybuy.es」を立ち上げた。 その後、6月には東南アジアを訪問し、ネット通販のシステムと中国家電の導入で、各国の家電価格を下げたい、と発言した。その同じ6月、グーグルから5億5000万ドルの出資を受ける。互いに対アマゾンを意識した戦略という受け止めが多かった。さらに8月に

アリババ、中国宅配大手に760億円出資 物流網強化

これは中国でもかなりインパクトのあるニュースとなっている。アリババは2013年、投資会社3社、運送会社5社とともに、菜鳥網絡科技有限公司を設立し、董事長にはアリババのジャック・マー会長が自ら就任した。このとき1000億元(約1.6兆円)を投資すると表明していた。 そして「中国智能物流幹網」を構築し、中国全土の24時間以内配送を目指している。これは他の物流業者の参加を募るオープンプラットフォームでもある。直近では全国284都市で2時間以内の集荷体制が整ったというニュースがあっ

アリババ、NBA試合を無料配信開始 通販拡販に

中国で人気の観戦スポーツは、欧州サッカーとNBAである。中国人にとってこの2つは、日本人がプロ野球やJリーグと同じようなものだ。最も一般的に語られるなスポーツの話題なのである。 CCTV-5のスポーツチャンネルは、欧州サッカーを報道した後、国内リーグ(中国スーパーリーグ)の話題に移る。バスケットボールも同様で、NBAを報じてから、CBA(国内リーグ)に移る。扱いには大差がある。ネットニュースでも同様だ。 欧州サッカー人気は、国内リーグや代表チームが盛り上がらないところへ、本

テンセント10~12月期3割減益 党の意向、業績を左右

増収減益の原因は、稼ぎ頭のゲームが当局の新作認可を得られないためで、これは不可抗力である。テンセントのゲーム事業は、今後も比重は低下していく。高収益部門だったため、その過程で全体の利益率に影響を与えるのは仕方がない。 すでにテンセントに関わるニュースは、①WeChat、 ②投資、③金融に関わるものがほとんどである。ゲームは主役ではない。 ①は、WeChat のミニプログラムが、スマホアプリの在り方を変えている。いちいちアプリをダウンロードする必要がなくなり、WeChat自