中国ネット通販2位・京東、遠いアリババの背中

1月下旬、創業3年半の社交電商(共同購入)型ネット通販「拼多多」が、創業20年の京東を、時価総額で上回ったと話題になった。
また蘇寧グループが小売業界の“黒馬(ダークホース)”として大暴れをしている。蘇寧はOMO(Online Merges Ofline)のバランスが取れている。このままでは、首位のアリババを追うどころか、2位の座も危ないともいわれた。

ただし物流は依然として強力だ。今年の春節休暇、世間から“春節も配達”の代表と見做されたとのは京東だった。2018年の国家郵政局による宅配便調査でも、順豊、EMSとならんで、トップ3にランクされている。

京東はアリババと異なり、自前物流を構築している。京東物流と京東到家という2つの部門と、無人物流を開発するX事業部がある。物流会社・京東の特徴を最もよく表しているのは「京東到家」である。ウォルマート、イオン、カルフール、マクドナルド、ファミリーマートなど名だたる外資系小売業の宅配を請け負っている。中でもウォルマートの信頼は厚く、昨年8月には、京東到家に対し、5億ドルもの投資を行っている。

今後注目されるのは、「極速達」という新しいシステムだ。このアプリをダウンロードすれば、個人商店でもOMOが可能となるからだ。まだ一部大都市での実験段階だが、中国OMOの台風の目になるかも知れない。

そして、昨年6月には、グーグルからも5.5億ドルの出資を受けている。先日は楽天との提携も発表された。単独で世界大手を目指すアリババとは違い、世界の大手と提携していく戦略だ。さらに副総裁クラスの幹部10%(数十人~100人)を“淘汰”する、とも発表した。既得権益を持ち、地位に安住する層にメスを入れる。京東に関しては、決して悪いニュースばかりでないことに留意しておきたい。

コスパ・テクノロジーズCEO / BtoB企業のブランディングと海外向け施策が得意なWeb制作会社 / SNS総フォロワー5万 / HP→ https://cospa-tech.com/