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白と赤と涙


こんな私でも、この国を憂うことがある

歌を聴いて涙を流すように

最近涙が止まらない
笑ったかと思って一人になれば、気づいたら泣いている
大量の安定剤で誤魔化して
ふわふわの気分を楽しんで
また、泣く

私は何が欲しかっただろう
私は何を要らないと捨てたのだろう

綺麗な日本語も話せやしない私が
何を残せるのだろう

私と共に逝ってくれますか?

憂うことも、残された人のことも
何も考えなくていい世界へ
旅立ちたいと思いませんか?

地獄が繰り返されようと
例えば地縛霊としてそこから動けなくても
父や母やユイ姉の元へ逝けなくても
あの人たちは、綺麗だったから
私の心なんかより、よっぽど、白くて真珠のように光った
すごくすごくきれいな心だったから

だから、置いて行かれたんだね
もっともっと一緒に居たかった
もっともっと声を聞いて
もっと笑顔が見たかった

人の最期を看取る巫女は
触れずとも、その人の思いを背負うのです
愛した人がいても、そのまま籠の中で

それでも毎日のように昇るお日様はとてもとても赤く
綺麗なまま逝ってしまった人たちは後ろで純白に包まれながら


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