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オカダマニラでFIRE!!!———マルコス新政権発足によせて


2022年6月30日、第17代フィリピン大統領にフェルディナンド・マルコスJr氏が就任します。本日から何ごともなければ6年間マルコス政権です。

本日はフィリピンの大統領の話ですが、始める前に少しだけ個人的なことを。

長年私は歴史というものを軽視しており、日本史も世界史もほとんど勉強しませんでした。理系だった私はそんなの文系の話でしょって思い込んでいたのと、日本がとても豊かで平和で疑問を呈しなくてものほほんと生きていけそうだったからでしょう。

しかし社畜になってから海外で仕事をしたり、旅行をしていろんなことにまみれるにつれて、

世の中どうしてこうなっちゃってるんだろう?

と深く考える機会が増え、世の中のありとあらゆる事象が積み上げれられた歴史の上に立脚していることにはたと気付きました。その理解なくしては物事が前に進まない、というわけではないのですが、どうも釈然としない。そしてアラサーを迎えて歴史を知らないことをとても恥ずかしいことと思うようになりました。


愚者は経験に学び、賢者は歴史に学ぶ


他社比較とか過去物件比較をやってばかりいる(やれと言われるので)社畜には耳が痛い言葉です。日本の某パチスロ会社を通じてフィリピンのことに興味をもつことになりましたが、この異国の地ひとつとってもいろんなドラマが繰り広げられておりその上にフィリピンの今があります。


ということで今日のテーマは、フィリピンの大統領にまつわる話です。そんなの知ってるよ〜という方は読み飛ばしていただきたいのですが、歴史を知ることでちょっとでもフィリピンを身近にとらえられるきっかけとなったら幸いです。

※タイトル画像はベスト・オブ・セブ・アイランドホッピングからです



1.歴代のフィリピン大統領


以下にここ半世紀のフィリピンの大統領とその就任期間を列記してみます。

・第10代 フェルディナンド・マルコスSr   1965~1986年(21年)
・第11代 コラソン・アキノ         1986~1992年(6年)
・第12代 フィデル・ラモス         1992~1998年(6年)
・第13代 ジョセフ・エストラーダ      1998~2004年(6年)
・第14代 グロリア・マカパガル・アロヨ   2004~2010年(6年)
・第15代 ベニグノ・アキノ3世       2010~2016年(6年)
・第16代 ロドリゴ・ドゥテルテ       2016~2022年(6年)
・第17代 フェルディナンド・マルコスJr      2022~

長くなりそうなので近代に限りますが興味のある方はこのサイトをのぞいてみてください。フィリピン大統領は6年ごとに選挙で選ばれ、現在では再選は禁じられています。

マニラベイリゾーツが計画されたのはアロヨ政権時代で、その後アキノ政権で軌道に乗りました。2016年のオカダマニラの開業前に渦中の岡田和生氏とトニーボーイ・コファンコ氏がドゥテルテ大統領に表敬訪問したのは今でもとてもよく覚えています。


そのドゥテルテ大統領に代わり、今回新しく大統領になるボンボン・マルコス。その父は、第10代の大統領です。彼は史上最長の大統領で21年にわたり権力の座に就いていました。


2.フェルナンド・エドラリン・マルコス


Ferdinand Emmanuel Edralin Marcos Sr. WIKIPEDIAより


近代のフィリピンは彼をなくしては語れません。弁護士だったマルコスSrは「アジアのケネディ」と称され、やがて下院議員、上院議員となり、1966年に大統領に就任します。悪名高き独裁者と称されることが多いマルコスSrは、1972年に政情不安を理由にフィリピン全土に戒厳令を布告するとその後十数年に渡る独裁体制を築き上げます。

マルコスSrは彼の独裁政治に反対する勢力を次々と国外へと追放します。その反対派の中心人物であったベニグノ・アキノ(Jr)氏も逮捕、投獄をされた後にアメリカ亡命を余儀なくされます。アキノ氏は1983年帰国した際に、なんとマニラ国際空港にて射殺されてしまいました。誰の手筈だったのか現在でも解明されていませんが、この衝撃的な事件は全世界へ知れ渡ることになり、その後フィリピン経済へ大打撃を与え外資からの投資が敬遠されることとなりました。

暗殺されたベニグノ・アキノ氏の愛称は「ニノイ」です。

そう、オカダマニラに行くときに降り立つニノイ・アキノ国際空港(NAIA)の名は彼の死を惜しんでつけられたものです。

そして、その暗殺されたベニグノ・アキノ氏の妻であるコラソン・アキノ氏がマルコスSrの次の大統領になります。暗殺をきっかけに民主化運動が盛り上がりマルコス氏はピープルパワー革命にてついにフィリピンを追われハワイへ亡命し、1989年にフィリピンの地を踏むことなく没します。

ちなみに、コラソン・アキノ氏の息子が第15代大統領のベニグノ・アキノ3世でその甥がトニーボーイ・コファンコという血縁関係です。

ほんのさわりですが、マルコス家とアキノ家には他ならぬ因縁があることが伝わりましたかね。

3.イメルダ・マルコス



ボンボン・マルコス氏の母はデヴィ夫人を3倍ぐらい強烈にした方です。「資産家の名門ロムアルデス家の娘」「タクロバンのバラ」と称され美貌を武器に大統領夫人にまで上りつめ、ファーストレディとしてマニラ首都圏知事、環境大臣、党首まで務めました。ちなみにですが、イメルダ夫人はデヴィ夫人とも交流があるようですね。



ピープルパワー革命での亡命後にマラカニアン宮殿に残されていた無数のブランド品「イメルダコレクション」は不正蓄財の象徴として知られています。

マルコス没後1992年に帰国を果たし、なんだかんだで自身も下院議員、娘のアイミー・マルコスも上院議員、息子も上院下院議員を経てからの新大統領と政治家ファミリーとして92歳となった今でも「鋼鉄の蝶」はご健在です。

悪しき独裁政権と浪費を彷彿させる彼女の存在は新政権にとってネックとなるかもしれませんね。

4.フェルディナンド・ロムアルデス・マルコス


こんなフィリピンのケネディと言われた父マルコスSrとマルコスの最強の武器と謳われたイメルダ夫人の一人息子、ボンボン・マルコス氏は1957年生まれの64歳です。現ドゥテルテ大統領が70歳ですので彼がちょうど大統領になった年に大統領になります。


彼の主だった政治家としての経歴を見てますと、

  • 1980-1983 北イロコス州副知事

  • 1983-1986 北イロコス州知事

  • 1986-1992 ハワイ亡命

  • 1992-1995 北イロコス州議員

  • 1998-2007 北イロコス州知事

  • 2007-2010 北イロコス州議員

  • 2010-2016 上院議員

  • 2016      副大統領選に出馬しレニ・ロブレドに敗北

  • 2022      第17代フィリピン大統領就任

州知事と議員を歴任した政治家ですね。

気になるのはオックスフォード大学の学歴詐称疑惑で、卒業していないのに学位を取得したと公表していたようです。父親が権力者で有名大学に入学させてもらったもののきちんと卒業もせず、20代で無投票で地盤の北イロコス州の副知事になりそのまま知事になって、知名度もあがり上院議員に当選といった典型的な親の七光り臭がします。

しかし、今回の大統領選ではサラ・ドゥテルテ氏とタッグを組みSNSを巧みに利用した選挙活動を展開し、ベニグノ・アキノ3世前大統領に近いリベラル派の現職副大統領レニ・ロブレド氏に大差で勝利を収めています。おそらく、いろんなものを巧みに利用し流れを読み権力を得る才能はあるのかもしれません。

前回の大統領選では副大統領候補として出馬をし、レニ・ロブレド氏に僅差で敗北していましたので6年ぶりの雪辱を果たしたことになります。
選挙中はドゥテルテ政権の主要政策継続を標榜していますので、強権的ともいえる方針が引き継がれる可能性が残されています。

ファーストレディは弁護士のルイーズ・アラネタ氏でスペイン系のアラネタ財閥のご令嬢だそうです。

彼の政治力は果たしてどうなのでしょうか?選挙期間中メディアの取材にも応じず公開討論会にも出席せず後ろ向きだった彼の政治家としての政策遂行能力や外交手腕は未知数です。

誰も彼に期待していないとか、中身は空っぽとか、父親の独裁を隠してSNSで当選したとかあまりよいニュースは聞こえてきませんが、それでも彼が大差をつけて当選したのはフィリピンの閉塞感に対して新しいものにすがる期待のあらわれなのかもしれません。

まあ、こんな強烈な父母の一人息子として生まれたらと思うと自分の運命を呪わずにはいられませんね。某社の強烈な父と息子のこともありますし(笑)、権力者は精神的に圧倒的にタフでないと務まらず、常人ではあたまがおかしくなりそうですね。そういう意味では彼も非凡なのかもしれません。

少し批判的な見方をしてしまいましたが、まずは新マルコス政権のお手並み拝見です。


5.おまけ


ずっと社長ぽい人の呟きが気になっていたのですが、

たぶんこれことでしょうか。

Change in Directors and/or Officers (Resignation, Removal or Appointment, Election and/or Promotion) Company Disclosure of Asiabest Group International from PSE
We would like to inform the Exchange that Mr. Alfredo E. Pascual has resigned as an Independent Director of Asiabest Group International Inc. (the “Company”).

The reason for Mr. Pascual’s resignation is due to his recent nomination as the Secretary of the Department of Trade and Industry under the Administration of President-elect Ferdinand R. Marcos, Jr.

ASIA BESTGROUP 社の社外取締役であったアルフレッド・パスカル氏が新マルコス政権の貿易庁長官に就任するそうです。

いいですね、コネクションはあればあっただけよいです。コネはおそらくこれだけではないと期待しましょう。


しかし、本日の株主総会延期の肩透かしにはマニアの皆さん激おこですね(笑)。6年ぶりの新政権発足なのにこういった法治国家ではありえないトラブルが続いているというのは、カントリーリスクとして捉えられ外資参入が敬遠される原因になるでしょうから早期に解決されるものだと思います。SNSに敏感なマルコスならなおさらです。

ということで、ボンボンマルコス政権、いろんな意味で目が離せませんね。

6.本日のオカダマニラ


オカダマニラのコーヴマニラで音楽フェスが行われていました。マスクは見えますが完全にコロナ禍前に戻りましたね。音楽好きの私としてはみているだけで楽しくなります。イベントを頻繁に開催されるようになるとオカダマニラに訪れたときに楽しみが倍増しますね。


7.本日のFIRE


いつもカレーばかり食べていますが、今日はFIREと言えば田舎で自給自足でしょ!という安直な理由で始めたガーデニングのインスタから。

4月に植えたミニトマトも結実しようやく色づき始めました。昨年はタネから発芽させて気合い入れたのですが社畜で忙しく剪定をサボって伸び放題になり味の薄いトマトで家族に大不評。さらにゴーヤが絡まって狭い庭がカオスになる始末。今年は美味しく実ってほしい、、、。








当ブログに掲載されている事項は、特定銘柄および株式市場全般の推奨や株価動向の上昇または下落を示唆するものではありません。投資は事故責任ですね。


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