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暗黙のルールが分からない人々

ASDあるある


自分の通っている就労移行支援事業所では
心理士さんによる定期的なカウンセリングが行われています。

そこで自分の障碍である自閉スペクトラム症(以下、ASD)の特徴を
学んでいるのですが、
とある話題の際に「分かるわ〜」となりましたので共有しておきます。

それは「暗黙のルールがわからない」です。


暗黙のルールとは?


暗黙のルールとは以下のとおりです。

明言あるいは明文化がされていない規則、
皆が暗黙のうちに従っているルール、などの意味の表現。

weblioより

ASDの方々は仕事の最初に言われていなかったり、明文化されていない
規則は「ないもの」とみなして仕事をこなしていきます。
そうすると「暗黙のルール」を無意識のうちに破ってしまうのです。

その事を上司に注意されてこう感じるのです。

「そういうのは一番最初に教えてくれよ…」
「どうして教えてくれないんだよ…」

このように自分の中に罪悪感を積み重ねていくのです。
そして精神的にすり減っていくのです。


説明してほしい、のにー


暗黙のルールは「暗黙」という名の通り
「全員わかっているよね」という前提のもとで運用
されています。
特に日本ではそれが強い(強すぎるくらい)です。

全員わかっているのなら、それについての説明を求められても
納得の行く回答が返ってくる、はず、
なのですが…
これが全く回答になっていないのです。
ただ注意するだけ、に成り下がってしまっています。

「今後は気をつけて」

ASDの方々は、そう言われても余計困惑してしまい
その後の仕事・プライベートの時間で考え込んでしまう
のです。

「どうしてこんなルールがあるのだろうか…」
これは上司(就労移行支援事業所では職員さん)に何故なのか
聞いてみるのが最良の方法ですが、
抱え込んでしまう方も少なくありません。


ASDの決定的な弱点


暗黙のルールが分からないー
自分はこの事で悩み、深掘りしてしまい、寝て起きても考え込み…
ついには就労移行支援の作業訓練中にも影響が出始めてしまいました。

そこで、この事を事業所に在職している心理士さん(公認心理師)、
心療内科の主治医に相談したら一致した答えが帰ってきました。

「経験していく以外方法がない」
とんでもなく地道な道を行く事にはなりますが
本当にこれ以外方法が無いのです。

なぜそういう結論にたどり着くか、というと
ASDとともに生きる方々は「中枢結合能力の欠如」があるためです。

例えば、論語から「一を聞いて十を知る」ということわざがあります。

物事の一端を聞いて、その全体像を理解すること、又はその能力。

weblioより

「一を聞いて十を知る」が普通の人であるというのなら
「一を聞いて一を知る」がASDとともに生きる人達なのです。


RPGの如く解決する


ASDとともに生きる方々は1つの物事からは1つの事しか分からないー
つまり暗黙のルールを知るためには1つ1つの物事に
自ら遭遇していく必要性がある
のです。

困難に自分から当たっていき、一度砕けてみて知っていく。
これはある意味RPG(ロールプレイングゲーム)のようです。

強敵に遭遇してわけも分からずゲームオーバーになってしまった。
強敵の行動を分析してどうすれば勝てるかを考える。
そして再び遭遇したときに勝てるようにする、そして勝つ。この繰り返し。

これを別の物事で何度も繰り返し学んでいく事で、
ASDとともに生きる方々は社会的に成長していくのです。


普通は結果、少数派は過程を大事にする 

ここまでの事を振り返ってみると、ASDとともに生きる方々は
「結果よりも過程のほうが大事だ」
と強く感じます。
この言葉は中学時代、数学の先生に言われた言葉です。

(『数学そのものは好き、授業は嫌い』を参照)


世の中は仕事をどのように片付けたか、なんて事は見られる事なく
成果物が全ての世界、と考えています。
(自分は社会経験がなく、あくまで推測です)

これがもし暗黙のルールとすれば、自分は、ASDとともに生きる方々は
下手すると就職したとしてもそのルールのせいで会社に馴染めず、
かえって引きこもってしまうのでは、と不安になるのです。

過程を大事にするASDとともに生きる方々、
結果を大事する普通の、世間一般の人々。
この両者に溝がある以上は少数派(ASDとともに生きる方々)が精神的に
すり減って社会から離れざるを得なくなってしまう方が
少なくとも存在すると思うのです。

そうであるなら、
個人事業主になる以外道はないのかな、と思ってしまうのです。
個人事業主なら、暗黙のルールにそれ程縛られることなく
社会貢献できる、執筆時点ではそう考えています。


あなたの意見を聞かせてください

あなたは「暗黙のルール」についてどう考えていますか?
是非ASD(自閉スペクトラム症)の当事者の方々の
ご意見をお聞きしたいです。

コメント欄にてお待ちしております。

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