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小学校受験は個性を潰すのか?

私は6歳の長男、4歳の次男を育てています。
自宅は割と下町的な雰囲気で、いわゆる「教育熱心なエリア」ではありません。
その中で、長男は小学校受験に挑戦し不合格、今は地元の公立小学校へ通っています。

次男は受験をするかどうかわかりませんが、長男と同じ幼児教室へ通い日々「受験指導」を受けています。

そんな中、感じた事について書きたいと思います。

お利口さんは可愛くない?


仕事で元教職員の方とお話する機会がありました。

その方は私と同じ市内在住ですが、隣の市で40年間小学校の先生を務められた方でした。

その「市」はとても広く、エリアによってかなり雰囲気が異なるので

「地域によってやりやすい、やりにくい等ありましたか?」と聞いてみました。

すると、「教育熱心なエリアの子供達はお勉強はできるけど、子供らしさがなくてかわいくないよ。親の要求も高いしね。逆にやんちゃな子が多いエリアの子供達の方が、勉強できないしどうしようもないけど可愛いよ」と仰ったのです。

私はその「やんちゃな子が多いエリア」の方が自宅から近く、知り合いも多いので「市内で一番レベルが低い」「不良が多い」等自虐的な言葉を聞く機会が多かったので、逆を言われるかな?と予想していたので驚きました。

その数日後に、同世代で学校の先生をしている友人に会う機会があったのでまた同じ質問をすると、やはり同じ回答でした。

個性や好奇心は否定されるのがお受験の世界


小学校受験を目指す指導の中で一番言われるのは「姿勢」です。

また、立つ・座るの時の動作、質問されていない時に喋らない、近くのものに触らない等細かく指導されます。

運動、プリント、制作、全ての課題で自分の番が終わっても「綺麗な姿勢を維持したまま一言も喋らず待つ」これが良しとされています。

次男は現在年中ですが、既に「模擬テスト」というものも毎月開催されています。

その対策もあり、幼児教室の中で姿勢が崩れたり、待ち方が良くない時は先生から「みんな~大変!テストの時も、あの子は姿勢が×とか、あの子はお喋りしてるから×とかチェックされちゃうんだって!気をつけて!!」と頻繁に言われています。

確かにそのチェック項目はある。

加点か減点される。

ただ、その「加点」の為に行動するのが本当に子供にとって良いのか?というモヤモヤが、私は常に残ります。

結局答えは出ない


私は、元麹町中学校校長の工藤勇一先生の講演や本が大好きです。

工藤勇一先生は明らかに、幼児教育や中学受験の世界は「否定派」です。

そういう教育が子供の主体性を失わせていると仰ります。

ただ、私が長男と一緒に幼児教室へ通い、受験に成功したお子さん達に接すると、同じように騒いだり走ったり、「子供らしさ」も残っていると感じます。

一方で私立小学校の入学式では全ての子供が綺麗な姿勢のまま足をブラブラさせたりもしなかったとの事だったので、やはり公立小学校とは違います。

結局「TPOに合わせる行動」ができる子がお受験に合格する子供なのかもしれない。

その「自制心」が5~6歳の幼児に必要なものなのか?は価値観ですが、私は今もその答えが出ていません。

きっと受験に合格して私立小学校へ進んだとしても迷い続けたと思います。

多様性が叫ばれ、N高や42tokyo等、新しい形の学校が増えていく中で、我が子が中学・高校と進む頃には教育の常識も大きく変わるかもしれない。

そんな事を思いながら、常に広い視野で考えていきたいと思います。

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