「地域で育てる」の難しさ
我が家の長男は、今年小学校1年生になりました。
小学校入学時に学校からの連絡用に入れたアプリに、たまに「不審者情報」という注意喚起情報が届きます。
そして不審者情報の最後には「登下校や、公園に遊びに行く時など、お子様が1人にならないようご家庭でもご注意下さい」と締めくくられています。
どこからが不審者?
1人で行動はいつからOKするべき?
と色々な思いが堂々巡りした事について、まとめてみます。
1.小1長男が1人で行動する範囲
保育園時代は親の送迎。
小学校入学後は、登校はお友達と一緒。下校は親か民間学童の送迎車です。
休日も親と一緒に行動しているので、長男が「1人で行動」するタイミングは、目の前のコンビニへ行く時、親が車を取ってくるのをエントランスで待つ間位で、殆ど1人で行動した事がありません。
2.親の幼少期
私自身は3歳頃から1人で近所をお散歩したり、お散歩してるうちに知らないお姉さん(2歳位上)とお友達になり、そのまま家へ着いて行く…何てことが普通にありました。
幼稚園時代も子供同士で待ち合わせをして、子供だけで遊ぶ事が殆どでした。
団地に住んでいた事や、時代背景もあると思いますが、自分自身はヘッチャラでした。
でも、今親になってみると長男がかつての自分と同じように自由に行動させるのはとても不安です。
3.3歳で痴漢にあった妹
私には3個下の妹がいました。
妹も小さいうちから子供同士で外へ遊びに行っていましたが、3歳頃に住んでいた団地の別の棟で痴漢被害に遭いました。
お友達と二人で団地の階段を登っていたところ、3階と4階の間辺りにロングコートを着た中年男性が立っていて、いきなり下半身を露出され、「よく見てごらん、ここを触ってごらん」等と声をかけられたのです。
妹もお友達も、幼すぎて
「大人の言う事は聞かなきゃ」と普通に受け止めた様で、帰宅後も母親に向かって特に同様した様子もなく「今日、階段におじさんがいてね・・」と普通に報告をしていました。
母親はとても驚いていましたが、特に大騒ぎになる事もなく
私も妹も、その話を聞いた他のお友達も相変わらず1人で団地周辺をウロウロしていました。
時代なのか、地域なのか、そのころの親たちの心理が今となってはよく分かりません(笑)
4.どこからが「不審者」なのか問題
長男の小学校から届く「不審者情報」の中には、「つきまとい」「下半身露出」など明らかに「不審者」と思えるものもありますが、たまに
「身長何センチ?と声をかけられた」
「お菓子食べる?と差し出された」
「どこの小学校?と聞かれた」
等、ちょっと微妙な「声かけ」も含まれていたりします。
公園清掃をしてるおじいさんにそのセリフを言われたら「良い人」と思うかもしれない。
でも、昼間から公園でビールを飲んでるおじさんに言われたら?
等、人によって印象も変わると思うのです。
つい最近、中居君もTVで「不審者扱いされた」というエピソードを話していました。
中居君の話は別としても、学校からくる「不審者」情報も大体は『学区内』で起きた話です。
中には本当に近づいてはいけない人もいますが、もしかしたら何の悪意もなく、「地域の子供」として親しみを持って話しかけてきてくれたのかもしれない。
その判断はとても難しく感じます。
5.親が地域と関わるのを拒否した結果かもしれない
私は今、世帯数500超の大規模マンションに住んでいます。
そのため、同じマンションでも数人しか顔と名前が一致する人がいません。
長男の通う小学校周辺は戸建てエリアですが、もちろんその戸建て周辺の方とも接点はありません。
戸建てエリアには、それぞれの町にしっかり「町内会」というモノがあり、昔から住む人達は当然の様に町内会に入って、地域のお祭り等かなり力を入れていますが、結婚を機にこの町へ引っ越してきたママ友等と話すと殆どの人が「町内会には入っていない」「町内に知り合いはいない」と言います。
皆「公園清掃とか面倒」「町内会のお祭りに参加するのは良いけど、運営側になりたくない」等が理由です。
確かに、共働きで貴重な土日を潰されるのは負担です。
でも、この「不審者情報」を見て、「地域の目」がある事の重要性を以前より感じるようになってきました。
付き合いたい人、少し距離を置きたい人、色々な人がいるのかもしれない。
それでも、「同じ世代の子供」ばかりに囲まれて生活するのではなく、世代もバラバラ、良い人も悪い人もいる…その付き合いの中で成長できるのかなと思います。
いつまでも親がベッタリついて行く事はできない。
これが現実なので、少しでも「地域で育てる」に近づけるよう自分の意識も変えて行こうと思いました。
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