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鍵っ子だった私が多大なる迷惑をかけた日の、忘れられない心境。

「どうせ家に帰っても誰もいないし…」

小5の冬。

学校帰りに友達の家に呼ばれた。

本当は一度帰宅してランドセルを置いてから出かけるのが、家や学校で決められたルールだ。

でも、パートに出てる母は家にいない。


今、親という立場になってもその日の事をハッキリ覚えている。

そして「帰りが遅い子」の話を聞くたびに、その日の気持ちを思い出す。


鍵っ子だった


小2か小3の頃、母親がパートに行き始めた。
場所は、通っていた小学校の学区内にある市立図書館。

図書館へ行けば必ず館内にいるので、今思うと理想的な母親のパートだったと思う。

母が嘱託社員として採用が決まった時「寂しい」と言ってみたものの、実は内心では嬉しかった。

小さい頃から放置されて「1人の快適さ」を既に知っていた私は「これで放課後はのびのび過ごせる」とさえ思っていた(笑)

週3~4日程、母は働いていたので「家に誰もいない日」がポツポツあった。

とは言え、当時の図書館は17時閉館だったのでどんなに遅くなっても17時15分位には母は帰宅していた。


家に誰もいないなら


そんな生活にもすっかり慣れた小5の冬。
放課後に、同じクラスで鍵っこ仲間だった友人に「家で遊んでいかないか?」と誘われた。

冬、帰りの鐘が鳴るのは16時半。
母親が帰宅するのは17時位。

「17時までに帰宅すれば、親にバレない」

タイムリミットまで2時間程ある。

「どうせ家に誰もいないんだし、まぁいいや!」そんな軽い気持ちで寄り道をする事にした。


友人の家でゲームをして夢中になった。

そして、気が付くと17時を過ぎてしまっていた。


見守らないリスク


慌てて家に向かうと、母親が家のベランダからこちらを見ていた。
案の定、大目玉である。

ケータイ、GPS、airtag。
そんな文明は何もない時代。

17時過ぎまで帰宅しない子供を心配した母は小学校の先生に連絡をしていて、大騒ぎになっていた。

学校へ謝罪の電話をした事を、今でも覚えている。


今となっては親の気持ちも良く分る。
学校の先生に迷惑をかけた事も申し訳ないと思う。


でも「どうせ家に誰もいないし」と、子供心に思った事は教訓として忘れないようにしたい。


信号無視してしまう大人。
ゴミを分別しない大人。
仕事中にこっそりゲームする大人。

こういう人は沢山いる。

「バレなければいいや」「ちょっとだけなら」
そんな「悪魔のささやき」が聞こえてきた経験は誰にでもあると思う。


忘れてはいけないのは、子供にもそういう瞬間があると言う事。


寄り道をする…というルール違反を推奨しているワケでも、許容しているワケでもない。

だけど「家に大人がいない状態」を作ると言う事は、子供がルールを破る可能性を作る事だ。


寄り道する/しない問題に限らず

「帰宅後は宿題をやってからゲームをする」等のルールだって、子供が自制する事は結構難しいのだ。


両親共にフルタイム勤務…という家庭も多くなった。

時短でもなく残業1~2時間が常態化している職場なら、親の帰宅が20時21
時という家庭もあるかもしれない。


小学校から配布された「夜のパトロール活動」報告によると、20時になっても公園で遊んでいる小学生もいたと言う。

その家庭はどういうルールなのか分からないけど。

放課後の過ごし方を子供に任せている以上、親の目の届かない場所で予想外の行動をしている可能性もある。


これから我が家も、子供に鍵を持たせて留守番させる日がきっとくる。

その時に、もしもルールが守られない日があっても。
頭ごなしに叱るのではなく、かつての自分を思い出して冷静に話せる親でありたいと思う。

〈あとがき〉
因みに家の鍵はポストの中に入れていました。
今思うと、すごく不用心ですよね(笑)

今日も有難うございました!


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