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マインドフルネスと猫のいる生活 12

11の続きです。

本屋で、賞を募集している文芸誌の隅から隅まで確認しましたが、「一次通過者」の中に自分の名前はありませんでした。

大きくて冷たい鉛をのみ込んだように、胃が重くなりましたね。その日の晩は、ほとんど眠れなかったことを覚えています。

それから三日ぐらいはグダグダしていたのですが、突然「下読みの人がセンスなかったんじゃね? 別の出版社に送ってみよう」と思いつきました。

同時期に一作品を複数の賞に応募するのはNGですが、落選の通知を受けた後で別の賞に応募するのはOKです。

さて、ここで話は少し逸れます。「下読みにセンスがない」などと思ったわたしは、不遜ですが「下読みさんが見落とす」のは、実は有り得ることなのです。

例えば下読みさんが「父親殺し」をテーマにした応募作を読んだとします。それがあまりにも酷い出来だったので、×を三つつけたとします。そして二作目に取り掛かると、またもやテーマは「父親殺し」。それも前の作品同様酷い内容です。同じく×を三つつけた下読みさんの頭の中には、「父親殺しはダメなテーマ」という刷り込みが起きます。

そして三作目も懲りずに、父親殺し。もういい加減にしてくれ! と毒づきながら読み始めると、前の二作品より少しだけマシなことに気づきます。ですが下読みさんの潜在意識には「ダメなテーマを扱ってる」という思い込みがありますから、×一つで、一次通過不可としてしまいます。

しかし、もし下読みさんが三作目を一番最初に読んでいたらどうでしょう?(・。・)「父親殺しもなかなか興味深い」と、一次通過させるかもしれません。

ですからわたしは、落とされた作品は、ちょっとだけ手直しして(手直ししなくてもいいですが)別の賞に応募することをお勧めしています。

さて、本題に戻ります。偉そうに書いてきましたが、わたしの処女作は、今読み返すと、応募先を変えれば一次通過するとはお世辞にも思えない、酷いレベルでした。だから、下読みさんの思い込みとはまったく関係がありません。(;´・ω・)

処女作に若干の手直しをし、別の出版社に送った後、次作に取り掛かりました。これもまったく相手にされず撃沈。でも、精神的ダメージは前回より軽かったような気がします。「まあ、こんなモンだよな」って感じでしょうか? 知り合いから、「友だちの友だちが、十年前から小説投稿をしてるみたいだけど、最終にすら残ったことねえって」ということを、聞いていましたので。(/・ω・)/

こういうこと、もっと前に聞いてりゃ別の道を選んだだろうに、もう走り出してしまったわけです。ここで「やっぱ、や~めたー」ってあきらめたら「ホラ見た事か」「言っただろう、やめとけって」「お前、ホント馬鹿だな~」って好き勝手なこと言われるでしょう。

で、意地でもやめなかったわけです。

もう友だちにも会わず、ぶらりと表に出かけることもせず、ひたすら引きこもって、うじうじ執筆していました。

そりゃ~うつになりますよね。

続きは次回に。(^^)/



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