見出し画像

キッズキッチンレター12月号

スウェーデンに初めて旅行に行ったのは夏でしたが、中国で仲良くなったお友達を訪ねて行った2回目は11月末〜12月で、ちょうど今ぐらいの時期でした。
朝はなかなか明るくならないし、太陽が昇ったと言っても正午でも薄暗いし、夜は早いし、同じ冬と言っても、関西とは違うのだな、というのが冬のスウェーデンの第一印象でした。その時はフランスのパリに飛行機で着き、列車でドイツのマンハイムまで別の友人を訪ね、また列車を乗り継いでストックホルムまで行きました。1日ごとに移動して、緯度が上がるにつれて、日の長さが変わるのが体感できた旅でした。
 11月の終わりから、ヨーロッパはクリスマスの飾りが美しい時期で、薄暗い中、キラキラと光るイルミネーションがとても美しい。反面、雪が降り、交通が乱れ、寒い時期でもあります。広場にはクリスマスマーケットが立ち、クリスマスの商品が並びます。クリスマス・ツリーの飾り、セーターや手袋など冬の装い、クリスマスのプレゼントなど、この時期ならではの商品が並びます。寒いので大人はクリスマスのワインを飲みながら散策します。一般的にスパイスと甘みの入った赤葡萄酒のことで、スウェーデン語ではグロッグ、ドイツ語ではグリューヴァイン、フランス語ではヴァン・ショー、英語ではマルド・ワインと呼びます。もちろん国によって、店によって、家庭によって、配合は違います。ワインだけではなくもっと強いアルコールを飲みたい人は、これにラム酒やスピリットなどの強いものを入れます。これを飲みながら、1人で、あるいは、友達とおしゃべりしながら店から店へ歩き回ります。ここ2年ほどは新型コロナウイルスの影響で、マーケットが立たず、寂しい思いをしているそうです。
 スウェーデンは国教はありませんが、キリスト教が盛んです。どのぐらいの数がいるかは調査していないため、また個人の宗教が分かるような調査を禁止しているため、わかりませんが、クリスマスの飾りはストックホルムでは町中にありました。クリスマスマーケットも、いくつかの広場にあり、伝統的なものから近代的なものまでさまざまでした。
クリスマスは11月30日に1番近い日曜日から始まります。
 友人はプロテスタントで、いつもはそんなに熱心ではないとのことでしたが、クリスマスの時は毎週日曜日にミサに行き、アドベントを楽しむとのことでした。大きな蝋燭を4本用意しておき、1回目のアドベント、2回目、3回目と1本ずつ蝋燭を灯し、4回目の蝋燭に火を灯したら、クリスマス当日がやってきます。もう一つ、クリスマス前の行事として、ルチア祭があります。ルチア祭は12月13日で、蝋燭を頭に飾った女の子が先頭で、暗い街に光を灯すという意味で、行進します。昔は「金髪の女の子」でしたが、今はどんな髪の色でも、男の子でも子どもなら良いのだそう。聖ルチアはイタリアの聖人ですが、ルチア祭はスウェーデンの伝統行事となっています。ルチアはラテン語の光(lux)から派生した名前で、ルチア祭はまさに光の祭りです。明る句、暖かく過ごそうという意味が込められているそうです。寒くて暗い冬を楽しいイベントで乗り切るのだそうです。

 この時に特別に食べる、ルッセ・カット(ルチアの猫)というパンがあります。サフランで黄色い色をつけて、くるっと巻いたパンです。これは11月〜12月の半ばぐらいまで売られています。もちろん、いつでも作れるのですが、冬の名物です。

 そしてスウェーデンといえば、ミートボールにマッシュポテト、そして、リンゴン・シルトというジャムをつけます。リンゴン・ベリーという真っ赤な実をジャムにしたもので、少し土の匂いがする気がします。塩気のあるミートボール、なめらかなマッシュポテト、真っ赤なジャム、3つ揃って一つのご飯です。初めて食べた時はおっかなびっくりでしたが、今は3つ揃っていないと物足りません。
ミートボールは教室でご紹介したので、今月のレシピは塩豚に添える、じゃがいものパンケーキをご紹介します。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?