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キッズキッチンレター7月号

私たちは科学技術の発展により便利な生活を身につけました。科学とは普遍的な真理の追求と言われています。同じ方法をとれば、誰がやっても・どこでも・いつでも同じことが起こる現象を見つけることです。同じ方法をとれば同じことが起こる、これを再現性と言います。この再現性が高い物事を科学的に正しいなどと表現します。同じ材料、同じ作り方、であれば誰がやっても同じ結果が得られる。
はて。そう言う事、どこかで聞いた、何かと同じと思いませんか。
近代のお料理と同じなのです。
「料理は目分量で見た感じで作ります。味は変わります。同じ味は出ません」
レストランで今日は塩辛すぎる、今日は塩がなさすぎる。とても美味しいかもしれないし、まずいかもしれない。と、味に大きな幅があったら、そのレストランに行ってみたいと思いますか。美味しいものを食べたいから行くのに、今日の味が全くわからないのはつらいな、と思うのではないでしょうか。
食品は自然が相手の農作物ですから、厳密に言えば味の差はあります。それでも特定の材料を使って、決まった味付けをすれば、大体「このぐらいの幅に収まって美味しい」というレベルがあります。
家の味のお味噌汁が食べたいとなった時、何を聞きますか。
まず、何を、どのぐらい使って、どうやって作ったらいいの?と聞きますね。そこで大事なのが、「はかる」ということなのです。
「誰がやっても同じ結果」にするにはまず「誰がはかっても同じ結果」にしておかなければなりません。
小学校から大学まで、科学を学ぶとき、「はかる」は1番初めにして1番重要な学ぶことの一つです。

今のようなレシピが生まれたのは20世紀の頃。それまでのレシピは、ひとつまみ、ひとにぎりなど、手の大きさが違ったら変わってしまうものでしたし、どのぐらい使うのかすら書いていないものがほとんどでした。
江戸時代のレシピも、材料は書いてあっても、分量が書いていません。
日本では昭和20年台始め、女子栄養大学を興した香川綾が計量カップを200ccと決め、大さじ1を15cc、小さじ1を5ccとしました。(今では[cc]ではなく[mL]表記になっています。表すのは体積です)
健康のために、料理教室で教わった料理を、家でも再現するためにできたのだそうです。
「1カップ」は、世界中でさまざま、200〜250mLの間ですが、さじ(スプーン)は共通で、大さじは15mL、小さじは5mLです。料理のレシピ本には必ず計量カップ、大さじ、小さじの容量が書いてあります。外国のメニューを作る際は、必ず確認してください。

例えば、アメリカン・カップはオンス(液量オンス)という単位を使っていて、8[oz]が1カップです。アメリカの1[oz]はおおよそ29.57[mL]です。アメリカの1カップはおおよそ236.58[mL]です。しつこくアメリカのと書いているのは、同じオンスと表記するのに、イギリスのオンスとはまた違うからです。イギリスの1[oz]はおおよそ28.14[mL]です。アメリカのメーカーのアイスクリームの単位でお馴染みの、1パイントは2カップ、16[oz]です。

ところでバターも今では200g、150gという単位で売られていますが、昭和の頃は1箱225gでした。というのも、バターは西洋からやってきた食べ物で、西洋はバターは1ポンドという単位で売られていました。1[lb](ポンド)はおおよそ453.59[g]です。今でも業務用は450gなので、見かけたら観察してみてください。ポンドはパウンドとも言い、パウンドケーキの語源です。(小麦粉、砂糖、バター、卵を1ポンドずつ使って作ったから)

もうお分かりのように、はかる時には単位が必ずついてきます。小学校からずっと“単位“について習います。数学でも理科でもどこにでも出てきます。お料理にも出てきます。「同じことを、同じようにする」って難しいけれど、面白いことだと思いませんか。

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