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いつもと少し違う角度で物事を眺めてみる

暖かったり、肌寒かったりと中々気候が安定しないこの頃。季節の変わり目だから仕方がない。それにしてもこの頃は、朝の目覚めが早くなってた。仕事の日は、もうかれこれ10年くらい5時には活動してるけど、休みの日にも6時にはバッチリと目が覚めるんです。早い時は4時とか5時にパッと目が覚めてそれから中々寝付けずに、あれやこれやと思考がグルグル。そしたらいつもグルグルグルグルと猫が布団に潜り込んできて、ドテンとからだを僕に預けてグルグルグルグル。この子はもうすぐ一歳になる男の子、名前はチャイ。昨年の四月に我が家の庭で保護した子。今までの猫とはちょっと変わってて、なんと言うか人見知りも全くしないし、常にマイペースだし、もりもりとよく食べるし、テーブルから落っこちたりするし、なんとも可愛げのある子なんです。もちろん、以前から一緒に暮らしてるエル(男の子というか、もうおじいさん)、サン(女の子、僕は睦沢の深津絵里と思ってます)も可愛い。それぞれ性格も違うし、コミュニケーションの取り方も全く違う。

チャイは体当たり、エルは我関せず、サンは他の猫が眠ってる時に思いっきり甘えてくる。それにプラス我が家には4歳に息子が居ります。
さっきもmoribookの原稿が山梨県に住む友人から届いて、文章をカタカタとやってる間、サンは僕の膝の上でゴロゴロ、そしたらエルがチョッカイをしにきて、チャイは寝てたけど、息子は明香とパズルをしながら何かしらず〜〜〜〜〜〜っとしゃべってる!我が家に静寂は皆無です。皆が寝てる時以外は。今もこれから二階で息子はギターと弾くとの事でますますワイワイガチャガチャ!

僕は15〜20歳くらいまで東京で一人暮らしをしてたけど、その頃の一人の時の静寂さとかもう思い出せないな〜。今思えば貴重な時間だっかのかな(笑)
息子のギターが始まったけど、これが中々良い音です。家の中で、それぞれの生き物が奏でる音が時には心地良かったり、うるさかったり。それが家のBGMです。

昨年、奥多摩へ二度テントを担いで行きました。山の中腹にテントを張って、一人で寝たけど、行く前は久々の一人静寂な時間をたっぷりと味わうぞ!と思ってたけど、いざ一人でテントで寝っ転がってると、息子はもう寝たかな?とか、少しセンチメンタルになったりしたんです。来週もまたまた奥多摩へ行くのですが、その時にはどう思うのかな?自分でも分からない。なんだか今の時代、分かるのが当たり前というか、分からないことは受け入れ難いような社会の空気を感じていて。

例えば僕は山でテントで寝ると静寂な時間を味わえると分かってた風だったけど、いざ実行すると全く別の角度で今の家の賑やかさが、実はとても貴重な時間で、そして皆が奏でる音がこれ程までにも愛おしかったのか!と。頭で分かった風になってそれで良し!ではなくて、興味があることや、会いたい人や、読みたい本、観たい映画などなど、実際に行動して、体験してそれが経験になって、やっとそこで触れた感触が残りますよね。その感触も時が経てばまた違った感触になるかも知れないけど、最初に触れた時の感触や感動と言った触れた事によって心のずっと奥からの声というか気持ちは変わらないと思う。

今は明香がフルートを吹いてました。その音色を聴くと江東区の木場で暮らしてた時を思い出すし、白子町でお店をやり始めた時も思い出す。人は食べないと生きていけないのと同じくらい、思い出がないと生きていけない気がする。というか思い出の積み重ね、幾重ものレイヤーによって自分という人間は形成されてるのかも知れない。僕は今年で41歳、明香が言うには早朝に目が覚めるのも40を過ぎたからよと。なるほど。そうかも知れないですね。自分では分からない事が歳を重ねる事によってたくさんあるんだろうな。でも、何事も経験ですね。体験する事によってまた、自分を違った角度で見ることが出来るし、それは楽しみな事でもあります。


百聞は一見にしかず 昔の日本人は上手く行ったもんですな。

昨夜観た映画。全く情報もなしで見たから余計に面白かったです。涙無くしては見られない。夫婦揃って号泣でした。泣くって、笑うのと同じくらい大切な感情表現だと思う。男は泣いたらあかん!とか、いやいや男だって泣きますよ。えんえん泣きながら生まれて来たんだし。涙を流すとスッキリしますね、心が洗われた感があります。僕はこの映画で、松重 豊さんが改めてすごいなって思いました。

この映画を観て、喫茶店でコーヒーを飲む時間は、それぞれの人にとっての特別な時間なんだな、ボーッと過去を思い出してる人もいれば、来月の旅行のことを考えてる人もいたり、心の中で皆さんどこかへ出かける時間。うちの店から見える景色を眺めつつも、思考はあちこちへ。きっとそれは喫茶店だからこそあり得る時間と空間。いつも行くお店も少し違う角度で眺めるとまた楽しさが増すかも知れないですね。