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【企業インタビュー】コロナ禍が直撃~副業者さんのアイデアで活路を見出す~

東京都内で宿泊業や不動産業を手掛ける住福株式会社

コロナ禍でインバウンドの利用が激減し部屋の稼働率向上が課題となっていました。

そんな中、Z世代を視野に物件の新たな活用方法を開拓。マーケティングの知見を持った副業者を採用したことで、苦境突破の糸口を見出したようです。同社の福田かよこ様にお話を伺いました。

 

副業者さんを募集した背景について教えてください。

私たちは家具付きの宿泊・賃貸用物件など全部で約30部屋ほどの管理・運用をしています。以前はインバウンドのお客様が8~9割でしたので、コロナの影響が会社を直撃しました。

いつ収束するか見えず、国内市場で新規事業を考える必要に迫られました。しかし、もともと日本人の社員は私1人。コロナで社員数を減らしたこともあり、事業を始める人材も国内で迅速に事業を展開する知見も足りなかったのです。

そこで現状を打破するアイデアを持っている人に事業をサポートしてもらおうと、スキルの高い副業人材の活用を考えました。

 

具体的にどのようなことを副業者さんに期待しましたか。

管理している物件で最も広いのが3LDKのタイプです。家具もそろっているので、インバウンドのお客様が多い時期には大人数の家族や団体でお泊りいただいていたのです。コロナになり一度は賃貸に出しましたが、その後ずっと空いていましたので、この部屋を活用してもらえるアイデアありませんかという感じです。

 

2021年6月に募集を始めましたね。

東京中心に12人の方から応募していただきました。
多かったのは30代後半で、直接不動産業や旅館・ホテル運営に携わっているという方は少なくなかったですが、マーケティングを専門にやっている方や、コンサルティングを仕事にされている方もいらっしゃいました。

 

採用に至るまでの流れを教えてください。

まず全員とお話させていただき、その中から4~5人の方に有償でビジネスプランを提案していただきました。みなさん面談時に「こんなことができます」と意気込みを示していただいたので、具体的なロードマップに落とし込んでもらいました。

その結果、2人の方を採用しました。1人は大手企業でマーケティングを専門にやってらっしゃる方。もう1人は不動産デベロッパーの方です。

 

採用の決め手はプランの内容ですね。ほかにもありましたか。

3LDKの部屋は、昨今Z世代に人気の東京・新大久保にあります。マーケティングを専門にされている方から「新大久保というロケーションや立地の特徴を生かしたZ世代向けの戦略」や「エリアやZ世代に興味のある企業をターゲットにミーティングや合宿としての利用」などのアイデアをいただきました。

また部屋のリノベーションを予定していたので、不動産の専門性を踏まえてアドバイスをしていただきたくデベロッパーの方に加わってもらいました。

もちろん能力やアイデアは大事だったのですが、大きかったのは熱意ですね。私たちの現状を理解してくれて、本当に応援してくれているかどうかという点が、採用する側としては心に響きました。

また、どこまで一緒に動き実務に労力を割いてもらえるかという点も大事でした。まったく新しいことを始めるわけですから、一緒に壁打ちをする相手でもあり、リードしてもらえる相手にもなっていただかないといけません。

 

副業者さんとはどのように仕事を進めていますか。

お二人と私の3人で月に3~4回、リモートで打ち合わせをしています。皆さん毎回現状分析やターゲット分析などを資料にまとめて用意してきてくれます。

そこにこちらの肌感覚や意見、実際のデータなどを加えて立案していく感じです。Z世代に使ってもらえるような、みんなが集まれる場所づくりへプランを練っています。

 

副業者さんと仕事を続けてきて、すでに形になったものはありますか。

 利用頻度はまだそれほど多くないですが、テレビ撮影や動画撮影用のハウススタジオとしての利用が新しいチャンネルとして入ってきています。スタジオやレンタルスペースとしての使い方を開拓できつつあるので、今後はビジネス向けの宿泊や会議室としての利用も打ち出していこうと思っています。

2021年10月にはリノベーション案が完成したので、不動産デベロッパーの方は抜けられました。もう一人の方とは継続的に話をしています。今後は3LDKの稼働率と単価を上げていきましょうと、宣伝方法や広告を出す媒体を検討しています。

副業者さんと働くことに不安はありませんでしたか。

実務をどこまでやってもらえるかという点です。労力を割いてもらえるかどうかという話をしましたが、面談した人の中には「プランは作るけど実際動くのはこちら」「動くなら別報酬で」と言う人もいました。

その点、今一緒にお仕事をしている方は実務にもお願いできる範囲で対応してくださっているので心配ありません。

アイデアはもらえるけど動かす手数がないと、中小企業としては採用を思いとどまってしまうかもしれません。

 

副業者さんを採用したメリットは大きかったですか。

企業が経営について悩んだり、事業を進める方向がわからなかったりとなれば、解決の起爆剤として副業者に入っていただくのはすごくいいと思います。企業としてちょっともやもやしている考えを整理してもらいたいという狙いでも有用ですね。 

大事なのはお互いがどこまでを求めるか、その期待値にズレがないようにすることでしょうか。例えば「3カ月という期間でこの事業の方向性を決めてほしいんです」と、してほしいことを明確に伝えれば、副業者の方もそれほど負担にならずこなせるのではないかと思います。

 
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