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デザインに込めた遊び心が、ブランドやプロジェクトの力になったら最高です

明けましておめでとうございます
2021年もどうぞよろしくお願いいたします。

ブランド、そしてチームやプロジェクトにとって大きな味方となってくれる「遊び心」。私たちSKGはその「遊び心」をデザインに込め、チーム内外のコミュニケーションにもいかすよう取り組んでいます。


応募者からいただいた生の評価

昨年夏、SKGでは新たなメンバーを募集しました。私たちのnoteを読んで応募してくださった方も多く、SKGの考え方・取り組みに共感してくださるデザイナーの方々の存在に大変勇気づけられました。
私たちが手掛けた制作物の中で、応募者の方々から最も興味や共感をいただいたのが「すしべん」のブランディングデザインです。この仕事には私たちが大切にしている「遊び心」が詰まっています。


すしべんは、空弁No.1企業の新たな挑戦

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福井県小浜市に株式会社若廣という会社があります。
みなさん、飛行機、特に国内線に乗る際、空港でお弁当を買われますよね?いわゆる「空弁」です。その中でも高い人気を誇り、定番となった焼き鯖すし。召し上がったことのある方も多いかと思います。羽田空港で5年連続売上No. 1を誇っているのが株式会社若廣の焼き鯖すしです。*
今や焼き鯖すしは棒すしの中でも定番となりました。

若廣が大切にしているのはフロンティアスピリッツ。伝統の食文化と独創的なアイディアを掛け合わせ、新たなおいしさを追い求めている企業です。
焼き鯖すしも、若狭の鯖の保存法「浜焼き鯖」と伝統食「鯖すし」からヒントを得、生み出されたものです。

そんな若廣が新たなブランドとして手がけるのが「すしべん」です。
すしべんでは、もっと日常的に気軽に食べられるような商品を届けていきます。例えば稲荷寿司や巻き寿司など、いつもの食卓にのぼるような寿司が展開されています。
そのブランディングをSKGが立ち上げから担当させていただくことになりました。

*若廣のwebサイトより引用


ダジャレで確かなものとなったネーミング

まずは工場見学と商品の試食から始まったこのプロジェクト。一見ありふれた寿司も焼き鯖すし作りで培った技術や味つけを生かし、他所にはない工夫が凝らされていることが分かりました。
若廣はすしべんを通じ、デイリー向け商品でも「新たな定番」を生み出そうとしていることに気づかされます。

この経験を踏まえ、ご提案した新ブランドのネーミングが「すしべん」です。

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「まず、取り扱う商品のイメージが浮かぶネーミングを目指しました。

例えば「○○寿司」という屋号だと、にぎり寿司のイメージが浮かびませんか?しかしすしべんではにぎり寿司は扱いません。

また「すしべん」というひらがな表記にも意味があります。

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「すしべん」というネーミングには熟練の職人が手がけるオリジナル寿司を、弁当感覚でもっと気軽に手にとってもらえたら、という思いを込めているんですよね…

と、プロジェクトメンバー内でご提案を差し上げていたところ、クライアントが半ば冗談めいて
「『べん』はベンチャーの『ベン』でもあるね!」
と。

これを聞いた瞬間、
「『すしべん』というネーミングはこのブランドの核心を突いている!」
と確信しました。

若廣のフロンティアスピリット。
新ブランドでの挑戦。
デイリー向け商品での新定番を目指す。

どれも「ベンチャー」というキーワードにぴったり当てはまります。唐突なダジャレによってその場にいた全員が、すしべんのブランドコンセプトを確かに共有した瞬間でした。

この「ベンチャー」というコンセプトワードはネーミングに生かされただけではありません。この後、さまざまなデザインや商品企画が行われる中で、確かな指標となっていきます。
例えば、店頭ディスプレイを考える際にも、古典的な和風のイメージで形作るのではなく、「ベンチャー」というワードによってすしべんらしい新しさを感じるディスプレイをデザインすることが可能です。「ベンチャー」はまさに、すしべんの本質を表すコンセプトであると考えています。

時々こういう、積み上げた理論を超えた領域にふいにたどり着くことがあります。これが「ひらめき」なのかもしれません。多くは、

・ちょっとした笑い
・手や足を動かしている時、コミュニケーションをとっている時

この2つの条件下で起こることが多いと思っています。こういったひらめきの瞬間が好き、というのが一番の理由かもしれませんが、この瞬間を逃さず拾い上げることも大切にしています。


四角1つでブランドが強く。ロゴデザインの変遷

シンボルマークは「伝統x新しさ」、そんなニュアンスが伝わるものにしたいと考えました。伝統的という意味で、筆文字や江戸文字の一つであるヒゲ文字なども参考にしていきます。

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当初亀有に出店することが決まっていたこともあり、土地柄、江戸文字は相性がいいかもしれないと作業を進め、最終的には家紋も連想させる形状に仕上がりました。

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しかし、どうも軽い印象が拭えません。原因はヒゲ文字から発想し、箸を表現した真ん中の二重線ではないかと考えます。

手を動かしながら試行錯誤していた時、ふいに担当デザイナーの一人が二重線の上に四角を置きました。
「箸袋に入れてみました♪」
「それだ!!!!」

ただの箸ではなく箸袋に入った「割り箸」にすることで、よりいっそうお弁当の意味がデザインに付与された瞬間でした。

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デザインの作業中にもまた理屈を超えたひらめきの瞬間が発生し、そのデザインが採用に至りました。デザイナーの発散やこだわり、そして遊び心がクライアントやプロジェクトの助けにつながることがあり、デザイナーにとっては本当にありがたいことだと思っています。産みの苦しみはありますが、同時に楽しい時間でもあります。


遊び心は力になる

デザイナーの遊び心がクライアントやチームメンバーに伝わり受け入れられる時、そのチームの一体感は高まり、チーム内でのイメージや方向性の共有速度が上がります。
さらにその遊び心が制作物や商品を通じターゲットや世の中に伝播すれば、ブランドの魅力はより強く早くそして遠くまで届くと考えられます。

遊び心はブランドやデザインにとって大きな味方だと思うのです。
だからこそ、SKGではチームやクライアントの遊び心をくすぐり引き出すようなコミュニケーションを心がけています。同時にその遊び心を広く伝える試みにも、noteやブランドのwebサイトを通じ、取り組んでいます。

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おまけ 高級な箸袋ver.シンボルマーク
「高級店風にもできますね!」
と見せてくるデザイナー。彼女のmacを囲み、事務所全員で盛り上がらせてもらいました。

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小さく始める、体力と内容に合わせて続けるブランドのアップデート

すしべんとは、ロイヤルティと月額定額制を組み合わせた契約を結んでいます。

店舗の売上に合わせ報酬を受け取るロイヤルティは、イニシャルコストを下げ、その時々のクライアントの体力に応じたサイズでブランドを更新し続けることが可能になります。また、売り上げに基づく報酬額となるので、クライアントにとって費用対効果という面でも納得感を得やすく、かつチームとして売り上げを上げていこうという一体感が生まれやすいというメリットもあります。

一方月額定額制は毎月固定で発生するデザイン費用に適用されます。ブランドを育て続けるためには、定期的なミーティングや継続してデザインし続けることが求められます。

このようなお支払い方法を細かく組み合わせる料金設定は、小さくブランディングを始めてみたいというベンチャーや小規模事業者には特にフィットしやすいかと考えています。クライアントに合わせたブランドの立ち上げ、アップデートが可能になります。

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すしべんは今、エキュート日暮里店内にお店があります。
そして今月1月22日から2月2日まで、大丸東京店B1Fの催事に出店します。日暮里・丸の内にお越しの際はお立ち寄りください。

昨年11月には伊勢丹新宿店B1Fでの催事にも出店し、周りが伝統的な和風料理店の中、いい意味で違和感を発していました。大変好評だったようです。

ぜひすしべん自慢の「だしシャリ」を味わってみてくださいね。

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東京世田谷の用賀にある小さなデザイン事務所です。コミュニケーションにまつわる課題を根本から解決するためのデザインをしています。https://s-k-g.net/