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『儀式』完了、そして新たなモーニングルーティーン

『儀式』を受けている間に一つ年を取りました。

すでに割といい歳(38歳)だったんですが、それでも『AYA世代』に該当するそうです。

Adolescent and Young Adult(思春期・若年成人)の略で、15~30代をさす、とされています。

※主な参考文献→https://www.ncc.go.jp/jp/ncce/clinic/medical_oncology/020/02060/index.html


ヤングアダルトっていうと、図書館とかで割と若い人向けの小説(今だとラノベか?)が置いてある棚のイメージ…。

「へ、へえ…いや、もうそういうの読まないんですが…」

と赤面するレベルで、38歳(発症時37歳)ってAYA世代に入ってよかったんでしょうか。
すでにAYA世代じゃなくなりましたが、いまだに疑問です。
いや、精神年齢はいまでも小学生だけど。

で、この年代でがんを発症すると、さまざまな人生の節目に影響があるので、いろんな支援が必要とされているそうです。
当時子供が欲しかったワタシはまさに、出産というイベントを逃しそうになっている訳です。

ホルモン療法は、その辺の気持ちとの葛藤…というほど大げさじゃないですが、一抹の不安と共に行いました。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


秘密結社の『儀式』(※放射線治療)の副作用で起こったトラブルは

・あばら骨骨折
・白血球減少
・貧血
・照射部分の肌荒れ

の4つ。
あばら骨はヒビ程度だが、痛かった&その後の人生、風邪をこじらせた咳で2度折れたため、おそらくは少し骨がもろくなっているかもしれない。
(けど、そのうち1回は逆の左側だったから違うかも?)
白血球の数値は終了後すぐに戻った。
貧血は元の体質的な要素もある。


照射部分の肌荒れは、『誓いの印』を消さないように肌を保護していたにも関わらず、やはり赤く黒ずんで、若干ピリついた。

これはヒルドイドローションを処方され、『儀式』を受けている間は風呂上りに塗っていた。

…けど、このローションでも『印』を消してしまいそうで、気を使って肌に塗りこむのが、正直かなりめんどくさかった。

あと、雨の日はちょっとしんどかったように思う。
気象病持ちなので、雨の日の身体の重さは3割増だった。

そして、『印』が消えた以外はその後特に事故もなく、無事『儀式』が1か月強で終わり、放射線科を卒業した。


装置様、ありがとうございました。


と拝んで果物のひとつも供えてはいないが、じぇじぇじぇと放射線技師のみなさんのおかげで滞りなく、そして特段体調を崩さずにできたことは、本当にラッキーだった。

そして、とうとうホルモン療法だ。

モーニングルーティーンから「朝の連続テレビ小説」は抜け(次の話を見る余裕はなかった)、服薬というルーティーンが加わることになった。


久しぶりの執刀医との診察。

順調なことを確認し、今回から処方箋がでるとのこと。

薬の名前はノルバデックス(以降ノバと略)。
こちらはアストラゼネカから出ている先発品。

後発品はタモキシフェン(同じくタモ)。
有効成分そのまんまの名前で、いくつかの製薬会社から出ている。
(もしかすると、他の名前がついていたかもしれない…けど忘れた)

先生曰く、「ジェネリックで構いませんよ」とのこと。
添加物が若干違うだけで、内容はほぼ一緒。
ワタシは初回だけはノバを服用、その後処方箋薬局が出した沢井のタモを使っていた。

後発品にすると劇的に金額が下がったことと、副作用の出方が若干良い方に変わったと感じたので、服用終了までずっと沢井のタモだった。

副作用は最初の数か月、たまにホットフラッシュのような顔のほてりを感じた。

実は10代のころ、まだホルモンバランスが悪かったのか、冷え性のせいか、ものすごく顔がほてって困ることがあり、当帰芍薬散や桂枝茯苓丸を服用していた。

そのころの症状と全く同じだったので「なにこれ懐かしい!!!」と、若返ったかのような、謎な勘違いをして楽しくなってしまった。
行き過ぎたポジティブ。

これは、ノバからタモに変更したときに、軽減した。
そしてその後ほぼなくなった。

添加物だけでこんなに変わるものなのか?
もしかすると、薬に体が慣れただけかもしれない。

そのあたりは、まったく素人には不明だが、薬剤師曰く

「そういうことがあるんですよ~、不思議ですよね~」

とのこと。
都市伝説みたいな感じか…。

他、生理が止まり、半年に1度くらいに突然やってくる、みたいな状況だった。
生理が突然やってくる以外は、これはめちゃくちゃ楽だった。
ただ、別に生理が軽くなるわけでもなかった(重くもならなかったが)。

加えて、半年に1度程度の割合で、婦人科医の診察をすることになった。

子宮体がんのリスクがあるためということなのだが、別に検査をするわけではないらしい。
何も不安要素となる症状がなければ、婦人科の先生とお話するだけ。

え、そんなんでいいんだ。
割と拍子抜け。

同じ病院の婦人科で診察をするのだが、めちゃくちゃ小さな小部屋で面談するだけ。

しかも先生は自分と同世代か、もしくは若干若いか…?!
若いのに大学病院の先生なんてすげーなー、と思いながら診察を受けた。
(真面目にやれ)


しかし、子供が欲しいワタシは、一抹の不安を抱えていた。

これでもし、閉経しちゃったらどうしよう、と。

可能性は拭いきれず、でも、誰かに相談せずにそのまま過ごした。

その後、タモ服薬数か月で衝撃の告白?を、執刀医から受けた。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


そういえば、ラノベで唯一この時期に読んだ本が、あったことを思い出しました。

『ビブリア古書堂の事件手帖』!!!!!

あれ、カテゴリ的にラノベですよね。
やった、AYA世代っぽいことしてたじゃん、アタシ。うふ。

ちなみに病院の待合室ではサイコロ本とかにもお世話になりました。
持ち運びがキツイのが難点…。


※近年はどうやら、放射線と化学療法を同時に開始することもできるという、風の噂を聞きました。
ワタシが治療を開始したときは上記のような感じでしたが、現状とは異なっているかもしれません。
何かご自身のお体にご不安がある場合は、この与太話を当てにせず読み流しながら、まずは専門の医療機関に問い合わせることを、強くおすすめします。


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