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食わず嫌いだった地元温泉♨️〜平日夜のご褒美

仕事終わりに地元の天然温泉へ行った。
ここ半年くらい、「温泉に行きたい!」と豪語し、その度に「行ったらええやん」と言われ続けていたのだが。地元=知り合いに会うかもしれない。。というのが行動のブレーキになっていた。会ったら気まずいな、恥ずかしいな…。でも、言い続けてる間に蓄積される私の疲労困憊。肩も腰もバッキバキ。そろそろ温泉に浸かって疲労回復したい…。
意を決した私は、前日の22時過ぎ。そそくさとタオルや着替えをカバンに放り込み、明日に備えて早く寝た。

迎えた当日。仕事が始まってからも、お客さんと話している間も、頭は温泉に行って湯船に浸かることで頭一杯。会社の人と話していても、なんだか上の空。昼休みには、温泉の公式サイトを見てシミュレーション。あ、こんな施設あるんやな。露天風呂もあるじゃないか。ああ、早く仕事終わらんかな〜。と過ごして、ついに定時を迎える。何事もなく仕事を終えられて、これでようやく温泉に行ける!
定時10分前から身の回りを片付け出し、1分前にはパソコンをシャットダウンすれば良い状態だけにして、「お先に失礼しますっ」と勇足で会社を出た。
大荷物で帰る私を周りは不思議そうに見ながら、大好きなスピッツの「大好物」を聴いて温泉へ向かう。ふんふんふんふん♫ 鼻歌混じりに呑気に帰っていたが、大事なことに気づいた。
今日会社でもらった賞味期限間近のバームクーヘンを忘れてしまった……。取りに帰ろうと思ったがあとの祭り。もう、半分以上進んだところだった。ぐすん。明日私は通院で休みを取っているので、週明けにはバームクーヘンは皆んなの胃の中に収まっているだろう…。
でも、気にしては負けだ。今から私は極楽浄土温泉へ向かうのだから。きっとバームクーヘンのことだって忘れられる。

そんなこんなで温泉到着。ううっ…夢に見た温泉よ、ついに…。平日夜にも関わらず、そこそこお客さんがいてるではないか。入り口で傘を置き、ダイヤルセット。室内に入ると、待ち受けていたのは大量の和菓子販売。苺大福、みたらし団子、栗団子と、色とりどりの和菓子が所狭しと並べられている。「わわわ、これは和菓子大好きな私を呼んでいるのか!?」だが、今回の目的は「温泉に入ること」ぐっと堪えて、受付へ向かう。温泉ビギナーの私は、入り口で挙動不審になりながら、見様見真似で温泉チケットを購入。脱衣所のロッカー前でもたもたと着替えていざ出陣。

ざばーん。かっぽーん。とりあえず身体を洗おうとシャワーへゴー。若干床が滑りやすそうで小幅で移動。シャワーのお湯を出したら、あれ?10秒で止まる方式ではないかー。シャンプーを泡立てようと躍起になるが、全然泡立たない…。
シャンプーは泡立ち派なので、泡立たないシャンプーを泡立てるのに格闘しつつ、10秒で止まる式のシャンプーをノンストップで出せるよう、左手でリズミカルにボタンを押しつつ、洗髪に勤しんだ。
さらに、身体を洗おうとボディーソープを出したら、あ。これも泡立たんやつやん。惜しいことに、お風呂セットに私は泡立てタオルを持参するのを忘れていた。
悔しくて、泡立たないボディーソープを泡立てるのに躍起になりながら、再び格闘。
ふーっ。洗髪も身体を洗うのも一苦労やのう。
気づけば普段の倍以上かけて、全身を洗っていた。

いよいよ湯船に入れる〜。まずは室内の湯船から。一番オーソドックスなのかな?幸いにも誰も入っていなかったので、独り占め。ふ〜癒されるなあ。とりあえず100まで数えようと試みるが、95秒くらいで限界を迎えた。次は泡風呂へ移動。家族連れが陣取っていたため、一旦諦めて露天風呂へ。熱々のお湯に浸かった後に、外に出たのでひやっとした空気が心地よい。

露天風呂も三つくらいに分かれていて、たまたま人がいなかったので貸切状態。テレビモニターがついていて、お湯に浸かりながらぼんやりと夕方の情報番組を見る。最高やなあ。外の冷気とお湯の熱さがちょうど良き。気持ち良い〜
後からポツポツと他の人も来たので、次はハーブ湯なるものに移動。ハーブ特有の涼しげな香りと共にくつろげた。ええ時間や〜。ぼんやりと外の景色を眺めながら、うとうととしていた。なんたる贅沢な時間。
もう一度最初に入った露天風呂へ移動し、そろそろ上がろうとお湯の中を移動していた際、見えない段差につまづいてしまった。他の人もいたので、かなり恥ずかしかった。逃げるように、室内の浴槽へ移動した。

入れなかった泡風呂チャレンジを試みるが、まだ家族連れが陣取っていた。むむ、何分浸かってるんだー。私は結構のぼせてきたので、諦めて脱衣所へ。その際、「脱衣所を出る前はタオルで水気を取ってから出てください」の貼り紙があったのに、温泉ビギナーの私は、タオルを浴槽へ持って行ってなかった。
とっさに見えない壁へ隠れて、右へ左へ身体を揺らして水気を切って、一目散へロッカーへ移動。床を濡らしながら、周りの目を気にしながら内心ごめんなさいと呟いて。

着替え終えて、髪を乾かそうとドライヤーをオン。ひゅーひょろひょろ〜。あれ?風量最大のはずなのに、なんたる微風。全然乾かないやないかー。不良品かと思いきや、他の人も微風で乾かしている。諦めて、乾かしにかかるが、熱いし、微風だし、乾かないしでイライラ。左を見ると、なんと高級ドライヤーが。え、これで乾かそうかな。だがしかし。「5分100円」……。あえて既存のドライヤーは微風に設定して、こっちを利用させようという魂胆か。上手い商売やなっ。
100円を払うのが惜しいので、泣く泣く微風で普段の倍以上かけて髪を乾かした。

温泉にも浸かり終え、身支度も整え、あとはジュースでも買って一服しよう。
自販機コーナーへ移動。紙パックの200mlくらいのいちごオーレかフルーツオーレはないかなあと探すが、ない…。瓶タイプの牛乳かコーヒー牛乳はあるが、希望していたものはなかった。がびーん。しょぼんとなって、休憩室へ移動。そこには、長座椅子がいくつもあって、漫画が大量にある部屋だった。
「おお、大量の漫画!キングダムものだめもちはやふるも、ジョジョもある!!」漫画好きな私は大興奮。長座椅子と一体化になるくらい、寝転んでくつろいでいたら、中学生カップルが変な目で見ていた。そんなもの気にしない。

そろそろ夜も更けてきたので、帰るかーと出口へ。色々不便さも感じたけど、楽しかったなあ。受付のおばちゃんにありがとうございました〜と見送られ、傘を取ろうとガチャガチャ。…あれっ。傘が取れない…。しばらく格闘していたのが目に入ったのか、さっきの受付のおばちゃんが助けに来てくれた。「ダイヤル番号一桁違ってたみたいね」すみません…。最後の最後で躓いた。恥ずかし。

入る前には知り合いに会わないかドキドキしていたのに、来てから出るまでそんなこと何も考えていなかった。こんなに近くに極楽があるというのに、私というのは恥と謎のプライドで何年も行ってなかったのかー。たくさんお湯に浸かって心身共に癒された。ちょっと恥ずかしい失敗もしたけど、これから練習を積んでいけば良いのだ。(何の?)
常連と思しき人たちは、「マイ温泉カゴ」なるものを持っていたので、私も次行く時は泡立ちジャンプー、リンス、ボディーソープ、泡タオルを入れて持っていこう。
帰ってからも背中はポカポカだった。口がいちごオーレを求めていたので、帰りにコンビニに寄っていちご味の豆乳を買った。いちご豆乳の酸味と甘味と冷たさが、沁みた。ぷはあっ。既に温泉が恋しいー。カムバック癒し時間ーー。

余談だが、家に帰ってからいつも仕事の愚痴を漏らしがちな自分だが、お風呂後は一言も愚痴を漏らさなかったとのこと。心のモヤモヤも洗い流してくれたのか。温泉効果恐るべし。





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