勉強だけでは「末は博士か大臣か」とはならない
「末は博士か大臣か」
この言葉は昔、お勉強が得意な子供に対してよく言われる言葉でした。
「勉強ができて成績優秀な子は将来立派な職業につけるだろう」という、親御さんや周りの大人たちの期待が込められているのが分かりますね。
しかし、「大臣」のことは分かりませんが、職業がら周りに多くの「博士」がいる身として感じることは、"お勉強"ができるだけで職業としての「博士」になるのは難しいかも?ということです。
私の周りの博士で、勉強だけを頑張ってきました!という人をあまり見たことがありません。
では、実際に博士になったのはどのような人達なのか、あくまで私の独断と偏見で、私の周りの人達を基に紹介します。
① スポーツや部活に打ち込んだ人
学生時代は、勉強は勿論、スポーツにも打ち込んで来ました!という人が多い気がします。
部活の種類はそれぞれで、剣道、サッカー、野球、バスケットボール、バトミントン、、、と、多岐に渡ります。
何か一つのことに対して楽しみながらも必死に努力したという経験が、研究生活に活かされているのかもしれませんね。
部活動でハイレベルな功績を残している人ほど高い職位や良い研究者になっている事も、面白い事実です。
② 体力のある人、計画・実行能力が高い人
研究は意外と体力勝負の部分があります。
実験や測定に長時間かかる事が多いですし、論文発表の執筆(特に査読コメントへの対応)では寝ずに作業する事もあったり。
研究費やプロジェクトには期間があるので、綿密な計画を立てて、それを実行する能力も不可欠です。計画を立ててもその通りに行くことはほとんど無いので、その遅れを体力でカバーという事もありますね。
業績の多い人(有能な人)は、計画性、実行力、集中力、そして体力が凄い。
③ 人を巻き込むことができる人
「研究者=変わった人、社会性が無い人」
みたいなイメージを持つ人もいるかも知れません。(実際に変わり者は多い。)しかし、社会性のない人は、よっぽどの天才でない限り、大した業績を残せません。
研究って、大抵の場合一人じゃ出来ませんからね。
リーダーシップだったり、チームワークだったり、そういった周りの人と共に仕事が出来る人じゃ無いと難しいかも知れません。
①のスポーツや部活とも関連があるかもしれませんね。
④熱意のある人
素晴らしい研究をする人は、強烈な熱意をもっています。
熱意があるからトコトン頑張る。
熱意があるから、人や予算がついてくる。
斜に構えた人は大した研究はできないし、そもそも任期なしの研究員として雇われません。
学生の頃から、何に対してでも良いから「熱意」を持つことは重要だと思います。
まとめ
ということで、私の周りの「博士」における4つの特徴を挙げました。
周りの「博士」を見ると、本当に優秀な方々が多いです。(あくまで"多い"であり、そうじゃ無い人もいますけどね。私とか。)
その優秀さは、「頭が良い」だけではなく、「人格」も大きなウェイトを占めています。
私は研究畑の人間なので"研究者としてどうか"という観点でしか語れませんが、一般の会社でも同じでは無いでしょうか?
何が言いたいかというと、「教育」とは"お勉強"のことだけじゃ無いよ。それだけじゃ不十分だよ。ということです。
本当に重要な「人格」は、学校では教えきれない部分なので、親や周りの大人、そしてその子自身の努力が求められます。
上記①〜④を十分に備えていない、私のような人間が「博士」になれた理由については、またの機会に。
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