子どもと性教育(概論)

このnoteを読んで下さっているのは、もう皆さん大人であること、を想定して書いていますが…

『 性について 』

皆さんは子どもの頃、どのように学んでこられましたでしょうか。

以下、性に関する記述を中心に論じます。

なお読み進められる方のみ、見て下さい。

※※※

普段業務に就いていて「子供の性に関する悩み」を挙げられる方は少なくない、と感じています。

性的描写のある、いかがわしい漫画やアニメ、ネットを見ている。

学校や実社会において、性的トラブルがあった。

など。

その悩みは多岐にわたります。
(そして厄介なことに、そういうことって他の人に話しにくいものなんですよね。。)

ということで…今回は「性教育」に関して、思うことを綴りたいと思います。

自分はどうだったか、と言えば。

中学の保健体育でざっと学んだような気がします。

中学の保健の授業で男女が別になり、男子は男子、女子は女子でそれぞれ授業を受けて。

なんとなーくですが。

男の人と女の人の体の違いだとか、勉強した記憶が。

ただ、精通のことだとか、sexのことだとか。

サラッと流されたような気もします。

大人になる上で誰もが知っていること
でありながら、それを
学校を含め第三者からきちんと教えてもらった
という記憶はありません。

(もしかしたら、深くまで教えてくれた経験のある方もいるかもしれませんが…)

「それはそうでしょ!」
「そんなこと、誰かが教えてくれるようなものじゃないんだし、自然と知るものなんじゃない?」

と思ってもしまいます。

私自身も、そういう思いを抱いていました。

が、しかし。

誰かが教えてくれるのでもなく

果たして、自然と知ることのできるもの?

なのでしょうか。

そもそも自然と知る、の「自然」とは何なのでしょうか。

その答えはわりと明確。

一昔前で言えばエロ本、今ではネット、だと思います(下品な言い方ですみません)。

もっと言えば、何も性に関して知らない人が、突然、性行為という機会を通じて知る、なんてことも。

学校できちんと学ぶでもなく、ましてや親が教えるでもなく、自然と学んでいくことが大事。

そう唱える人もいますが、私自身は疑問を呈しています。

なぜなら。

人は「最初に学んだことのイメージ」が強くその後に残るものだから。

ネットを通じて知ったこと。
それが果たしてノーマルなことと言えるでしょうか。

もちろん、正しいこと、知っておくべきことも多く存在していることと思いますが、でも必ずしもそれだけではありません。

アブノーマルなことが最初の学びであれば、それは二重の意味で影響を与えることも思います。

ひとつはその子にとってより衝撃であること。

もうひとつはその子の性に関する基盤となる可能性があること。

多くの人は「自然と」性に関する知識を得て、そして大人になっていく。

ただ一方で、その「自然と」は、本当の意味で自然ではない。
その自然を受け入れられるだけの人間性や育ちが基盤にあるかどうか、に左右されることと思います。

例えていうのなら。

親との関係でギスギスし、家庭に居場所を失った子が、他者との「性」という繋がりを持って、安心を見出す。

性を通じて他者と繋がり、自分という存在を認識できるようになる。そして、さらなる性を求めるようになる。

援助交際などが時代を経ても無くならないのは、そうした背景もあると思います。

それだけ、性に関することは、人に与える影響の大きいものだから。

だからこそ、思います。

性に関する知識を、ネットなどから「自然と」学ぶのではなく、もっと当たり前に学ぶようになると良いな、と。

日本はこと「性教育」に関しては、かなりの後進国と言われています。

そこには日本人ならではの「恥の文化」があるかと思いますが…
とかく性に関しては
「恥ずかしいもの」
「触れてはいけないもの」
という認識である、と感じています。

そして中学生、高校生にもなれば、親が性に関することに触れることも難しい、ですよね。

親も子どもにあれこれ言うことは憚られますし。
子どもも親に言われれば恥ずかしい、ですから。

(また別の要因が絡みますが。思春期の子に対しては親はとやかく言えないですし、暖かく放任するのが良い、とも言えるので)

ですがどこかで、性に関することは学ぶべき、と思っています。

学校の役割が大きいかな?と思いますが…

文化的な背景や、教育の流れを変えていくのは難しいので…

であれば、親である自分たちにできることはなんだろうか?

と。

そんなことをこれまで、親御さんの相談を通じて色々と考えてきました。

そして、今に至るわけですが…

子どもの性教育について。

何も、思春期に一度に全て教えるものでは無い。

その基盤は、子どもが小さいうちから整えることができる

そして親である自分たちにも、子どもに伝えられることはある。

と思うようになりました。

それには、子どもの発達段階(性に関する関心と行動)をいかに理解し、また子ども自身がいかに理解できるか、が鍵であると思っていますが。

例えば幼児期であれば、それに合わせた性教育が。

小学校低学年であれば、それに合わせた性教育が。

小学校高学年、そして中学生になれば、それに合わせた…

と、各段階に応じて知るべきこと、知ることができることがある。

と同時に。

親である私たち自身も、子どもの性に関する認識の基礎的なことを覚えておく必要がある、と感じています。

(例えば、幼児期に性器いじりをする子がいますが、それに関しては取り立てて言うほどのことでもない、と言われています。むしろ、親が問題視することが悪影響、とも)

と、長くなりましたが。

子供の性教育に関して親が知っておくべきこと。

以後、いくつかに渡ってテーマとして取り上げていきたいな、と思います。

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