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心理学とは距離を置け
「心」という多義的で抽象的でさまざまな文脈を持つものに対する学問…
臨床心理士であり公認心理師である私も大層勉強したつもりである。
ただし、かけた時間はこれまで私が触れたゲームたちへの時間には負けるかもしれない。まぁいい勝負かもしれない。
ある種ブーム的なところもあり、本当に一般的な言葉になった心理学。
いましたよ、私の友人にも「将来ライヤーゲームに呼ばれてもいいように心理学を学びに来た」という健康優良児が。
私が心理士を志したのは、当時はまだなにもわかっていなかった時期…
外で遊戯王やってボロボロになったことを後で嘆いていたあの頃。同じようにベイブレードの下部が砂利でガリガリになっていたのを悲しんでいたあの頃。
身内に自閉症スペクトラム(かつては広汎性発達障害)の方がおりまして、そのお世話になった方々の中に心理士さんもいらっしゃってですね。
当時はよくわかってなかったんです
「なにがわかるって言うんだー!」
「なにができるっていうんだー!」
「じゃあその職業はなんなんだー!」
くらいの興味?というか職業として関心があったんです。
なので、正直学問としての意識は持っていませんでした。その意識も、大学入って研究するまでは理解していなかったかもしれません。
大学ではひとり暮らしでニコニコ動画、あとよくわからん友人たちと遊んでた記憶が大半ですね。
おっくせんまんですね。ぐらふぃてぃーです。
そのあたりでした、私はちょっと世間とはズレてたのか、ようやく世の中で心理学が流行っていることに気付きます。
自分が学んでいる学問と流行りの雑学的な知識…
巷で聞く心理学の知識、それはそれとして学びにはなりました、「まぁそうだよな」って。
というか、そういうの好きな人の方が、私より心理学の知識の名称とかをよく知っていました。
相手からすれば、初期の孫悟天に見えたかもしれません。気の練り方わかるのに舞空術できないみたいな。
そして、それはいまだに変わっていません。でも試験はパスできたわけですね。少なくとも臨床心理学であったり、職業として求められる知識はなんとかしてきた感じですね。
まぁ私の話はいいとして、学んできてよく感じるのが、多くの心理学の知識はその文脈を読まないと理解しづらいということです。
完全に一人歩きしている知識もあります。
だいたいの人間の動きにおいて「○○だから△△」のように一対一対応するものは多くありません。統計的なデータから読み取るものが量的な研究ですが、データの奥にいるのは紛れもなくひとりの人間の集合です。
心理学の知識こそ万人に効くものはありません。
というよりすべての学問が、それを前提に研究がおこなわれているわけなので、私なぞがなにを今更な感じもありますが、
一定程度「枠にはめて楽に理解しようとする人」がいて、それが進むと自分の理解できることだけで世界を完結させようとする人が出てくるわけです。
自分のわかる世界の範囲に世の中の理があると思う方は意外に少なくないです。そうでなければセクシャルマイノリティなどのジェンダーの理解はもっと促されているはず。
人間みながそこそこ同質のものとして、多くの人間の平均として研究がおこなわれるなかで、
心理学はそもそも、そうではないことを前提とした質的研究も多くなされてきているわけです。
そこからお伝えしたいことは、「知識の枠に人をはめないでね」ということです。
多分知識としては面白いとは思います、心理学。
けど学問としての積み重ね、そのデータの奥にはそれぞれ違う人間がいて、そこから得た仮説を検証していきながら、新たな仮説を立てていきます。
そして、研究には研究者のバックボーンとストーリーがあって、ある種研究は生き様を記したものでもあるわけです。そこの概要だけかいつまんだ知識には深さはありません。
そのように学問としての知識を断片的に切り取ると、さも簡単に人間の心や精神の仕組みがわかる気がしてしまうのです。
一般的にわかりやすい知識とするには、どうしても複雑な部分は削ぎ落とされてしまいます。
そんな知識に振り回されて、こうした方がいい、ああした方がいい、という方を見たことがあります。
本来そういうものではないのに、
心理学という、みんながちょっと気になる、みんなに関係のある心というものの学問だからこそ、触れやすく、誤解や曲解がそのままに伝わりやすいものなのだと思っています。
そんなところで、すごく直接的でなんとも言えないタイトル「距離を置け」なんですが、
乱用や過信しすぎない方がよいということです。
そういった知識って実際どうなの?とかこういう場面ではこの知識はどうなの?
というように、専門家に聞く時の引き出しにしておく方が有用だと思います。
薬に関することは僕らも勉強します。けど薬剤師に聴きます。聴くための知識を学んでるつもりでいます。
教育に関することも勉強しました。が、スクールカウンセラーやってて、あれこれアドバイスするよりもその教員の考えを聴きながらお子さんのこと考えていく方が建設的でした。
心理学に関する資格はなんかめちゃくちゃあります。言い方は悪いですが、講座受けたら取得できるものもあります。臨床心理士、公認心理師よりかっこいいカードとか持ってて、ちょっといいなーって思いました。
それはいいとして、そういった知識に惑わされすぎないためにも、一般的によくいわれる心理学知識だけではないのが心理学なので、
そこそこ距離作って、その知っている知識を実際に現場などで活かす時はお近くの専門家に頼ってみてはいかがでしょうか?
でもガチで学んで損はしないと思いますよ。
特に精神医学関連とかアイデンティティに関することとか、カウンセリングマインドとか構造のこととか。
アドラー心理学も有名ですね。苦手とかではないんですけど、読むことを推されると「うっ」となりますね。なぜかは言いませんけど。
ただ言いたいことは、アドラーの理論は心理学のすべてではないし、他人に誰かの考えを強要することはどんなよい話でも望ましいものではありません、ということです。他の理論よりも、より哲学的なのよねアドラー心理学。
ひとつのことにしか頼れないことは、生き方の幅を狭めてしまうかもしれません。だから僕はあれもこれも学んで、自分の生きてきた経験と照らし合わせながら、その時使えるものを自分なりに使って生きていきたいと思ってます。
だから、「心理学の知識だけに頼らないように」
「心理学でもひとつのことに偏りすぎないように」
そして、それは心理学に限った話ではないということを伝えたいですね。
というわけで、何事もいい距離感で付き合えたらいいですね。頑張って知識を芯や柱にしなくてもいいんです。
多分みなさんそれぞれの中に芯はもうあるはずなので。
というところで今回もありがとうございました!
今後とも私、心理士Vtuber 狐田さきつねをよろしくお願いいたします
こんなこと知りたい!などのリクエストもお待ちしております。
心理の話をいろいろしている僕のYouTubeチャンネルはこちら!!
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