あさきゆめみし/ザ・ビューティーズ(2000年7~8月)
「あさきゆめみし」劇場版の評価は、難しい。映像版が、詩そのものといっていいような美しい言葉(脚本=唐十郎)、夢まぼろしを思わせる詩的な映像(監督=三枝健起)で、現実から浮遊したアナザー・ワールドとしての絵巻物を構築し得たのに対し、現実の舞台というものは、よほどの仕掛けを講じない限り、あくまでリアルなものだ。だから、演出の草野旦は、映像版と全く別の「あさきゆめみし」を作るべきだったのに、映像版の魅力と舞台のリアルさに引っ張られ、絡め取られて、どっちつかずの中途半端な作品になっ