『ダンスの時間』サマーフェスティバル2008(20)佐藤玲緒奈「FLOWER」
テキストに影響されて、動きは、そして舞台全体の空気はどうしてもシリアスでドラマティックなものだが、それに関係性のある種の頽廃的な異常性を加えれば、サイトウが描き出す世界のほとんどの要素を拾うことになる。サイトウの作品の多くは、そういう濃密さをもっているが、佐藤玲緒奈の短いソロ作品「FLOWER」は、いささか様相を異にする。この作品は、約8年前に佐藤のバルナ国際バレエコンクール出品用に振り付けられたもので、謡曲「弱法師」をバックに一気に踊りきる。少なくとも前提としては物語も仕