『ダンスの時間』サマーフェスティバル2008(23)吉福敦子「クロノス/メビウス」
吉福敦子は、「クロノス/メビウス」というタイトルからも想像できるように、時間をテーマとした作品だ。舞台中央に12枚の小さな鏡を円形に並べ、カミ手の天井から水を入れた傘袋を吊るし、針で穴を開け、金属のボウルで水滴を受ける。吉福は鏡の円の中心に立ち、そこから一歩も外に出ない。そういう意味で動かない。
序盤は上体もあまり動かない。腕や指で形を作ったりはするが、身体の軸は動かない。水滴がボウルに規則正しく当たる音が時を刻んでいるようで、円状の鏡は日時計のようなものなのか、するとそ