ホラー小説『晩年計画がはじまりました』面白かったよ！

『晩年計画がはじまりました』牧野修

読みました！面白かった！のだけれども、それより
あとがきを読んでビックリ！
今回ボクがこの作品を読もうと思ったきっかけが『ナゴム、ホラーライフ 怖い映画のススメ』というリレーエッセイ？を読んだから、なんです。

この本(晩年計画)のあとがきでその本(ナゴムホラーライフ)についてお話されてて、「え、それ読んだからこれ読んでますー！」って思ったってか言った。ほんとに声出して言った。

ナゴムホラーの内容は、綾辻行人と牧野修が共通して大好きであるホラー映画について語り、互いに質問や話題を投げ掛けては応えて、というホラー映画好き必見の
エッセイでした。とても面白い！！
しかしボクの不心得でして、牧野氏を存じ上げなくて。。。

綾辻さんも『十角館の殺人』くらいしかちゃんと読んでないんだけど…も……
でも短編好きなので！色んなミステリやホラー短編集に寄稿されてるのは読んだりしてて、馴染みがあるお名前でした。

にのまえ、あんまりSFとか読まなくて。牧野さんを存じ上げないながらも『ナゴム、ホラーライフ 怖い映画のススメ』がものすごく面白かったものだから
これは牧野さんの本も読まなくては！と手に取ったのが『晩年計画がはじまりました』でした。

タイトルも装丁も良い感じにポップで、でもちょっと不気味で。冒頭ちょろっと読んだ段階で「あ、これ面白いやつ」って思った次第(笑)

案の定、面白かったです！！派手さはないけど良作ホラーって感じ。
ナゴムで語ってた「不気味」や「嫌悪感」の表現すごくよかったですし
オチに向かってくスピード感が素敵ですね。あと数ページだけどちゃんとオチるの？大丈夫？？ってなる感じ大好きなので、ワクワクしたまま突っ走れた！

もう何も残ってない、って感じの憐れさが哀れなおじいちゃんが命を助けられて「死なないで！」って真剣に怒られた時に泣きながら「ありがとう」を繰り返す姿が泣けて仕方なかった。
誰だって心から死を望む訳じゃないさね。

他にないから、もういいやってなるから死を選ぶ訳で、誰かに真剣に本気で「私が悲しいから死なないで」って言われたらちょっとは「ごめんなさい」ってなるよね。

都市伝説風に語られる「晩年計画」の真実とは、身の回りの様々な不幸の正体とは……こういうオカルトなのかサイコ物なのか、結構進むまで明かされないホラー好きです。どっちに転んでも美味しく頂ける口なので ( ・`д・´)ｷﾘｯ

読み終わってみると、結構映像化に向いてそうなお話だなぁと感じたかな。
トリックというか、びっくりポイントがいくつかあって、どんどん先を知りたくなるような展開は映像作品でも盛り上がりそうだなぁって。

もちろんホラーなので人を選ぶというか、万人受けするような展開とは言えないですけど。
ホラーの定石というか、気品というか、そういうのが根底にあって安心感があるというか(笑)

すごく「ちゃんとしてる」って印象。
キモいシーンもあるけどしつこくないし、ちょっとミステリチックでホラー初心者におすすめ！ 

とはいえ、ホラーなので。読後感は人それぞれ思うところありそうかな。それこそ「犬」「虫」「家族」この辺センシティブといえばセンシティブ。。。人によっては地雷が多い作品なのかも(￣▽￣;)

ボクはもう！ホラー好きなので！納得のやつです。にのまえは好きなやつ！