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「本を読み終わった瞬間に死ねたら幸せ」なのかもしれない。『20代で得た知見』を読んで思ったこと。

はじめに

Fという人の『20代で得た知見』という本を読んだ。

なんて充実した読書体験だったのだろう。
久しぶりに「読みたい」本を読めた満足感に浸った。
自分の心が求めている本に出会えてよかった。

具体的に「どの部分」が「どう良かったのか」という感想を書こうとすればするほど、陳腐で味気のない、無意味な感想になる。
自分の語彙力と表現力では「どうしてこの本に心を動かされたのか」を言語化できる自信はないので、読み終わって感じたことを書いておく。

読書感想文のようなもの

本には終わりがある。
人生も『死』という終わりがある。
この本の最後のページをめくった時、唐突に『死』を感じた。
そして「本を読み終えた瞬間に死ねたらなんて幸せなんだろう」という、自らの死生観に気がつくことができた。

その時の自分が読みたい本を読み終えて、読後感を味わいながら死にゆくことができたなら。
人生の後悔を振り返るのではなく、自分との対話に浸りながら彼方(あちら)へいくことができたなら。

私が死ぬ時は、

本が読めるように目が健康でありますように。

文字の意味を理解できるように脳が健康でありますように。

人生最期に読みたい本を1冊選びぬけるように心が豊かでありますように。

人生最期の本を1冊買えるだけのお金がありますように。

感受性が敏感な日でよかった。
この本から最大限に『愛』と呼ぶべき言葉を受け取ることができた。

最初は『“どうしようもなく孤独で寂しい夜“に寄り添ってくれる本』だと思った。読み終えて思ったのは「わかりやすく優しさに満ちた本ではなかった」ということ。

もっと自分本位で、支離滅裂で、どうしようもない、でも救われる一言が落ちている、そんな本。

『幸せになるために不幸になる必要はない』

本書の中では、頭をぶん殴られるように刺激的で、かつ世の中の理を表現したように明快な『芯を食った言葉』に出会う。
自分にとってどの言葉が響くかは、きっと読むたびに変わるんだろうと思う。
抽象的でこちら側に解釈を委ねられた言葉達だから。

何ヶ所か「ここに書かれている言葉を“疑え“」と書かれた不思議なページがあった。
「本に書かれていることを鵜呑みにするほど愚かなことはない」という知見なのではと考えているが、そんな浅いものでもないのだろう。
結局筆者の意図なんてわかりっこないのだ。

記載されている知見を20代で得られたなら、30代以降はどれだけ人生が豊かになるのだろうと思った。
実際は案外そうでもなさそう。
言葉の端々に後悔のような、苦みを感じるから。

自分が経験できないことを擬似体験できるのが本であり、筆者の考えを吸収できるのが本のいいところ。

残り少ない20代、読んだ知見を活かした行動ができるか自信はないけれど。
30代、40代の自分が「20代でこんな知見が得られた」と思えるようにもう少しもがいてみるつもりだ。

さいごに

「20代のうちに〜しろ」とか、うるせえって思ってるけど実はちょっと気になっているタイプ。そんな私には『20代で得た知見』というタイトルがちょうど刺さった。
あくまで筆者が得た知見をまとめた本なので、押し付けがましくも、説教じみてもいない。
そんな理由で手に取り、冒頭数ページで引き込まれた。
自分と同じようなタイプの方が、もしこれを読んでいた時のためにリンクを貼っておきます。

20代で得た知見/F

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