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80.「いまここ」には、ニュートラルな氣が流れている

緑豊かな場所に行くと心地よく感じるのは、自然の氣の流れがよいからです。

我々人間は、元来、自然の中から生まれているものであるため、自然の中に身を置くと心地よさを感じるものです。

こういったことと同様に、自分の中に絶えず存在している自然に触れることができると、人は心地よさを感じられるようになります。

我々はいつだって身体という自然とともにあります。

心臓の動きも、体内を巡る血液の流れも、生まれてから死ぬまでの間、ずっと続いている呼吸も自分という自然が生み出しています。

自分の胸に手を当てて心臓の動きを感じると、心地よさを感じるのは、そこに身体が生み出す自然を感じることができるからです。

自然は、常に「いまここ」にあり、「いまここ」に触れることができると、人は安らぎを感じられるようになります。

「いまここ」は常にゼロポイントであり、人はゼロに戻ることができると、心地よさを感じられるようになっているものなのです。

過去を思い返すと、そこにはプラスの思い出かマイナスな思い出があります。

しかし、ゼロな出来事を思い出すことは、あまりありません。

未来を予測すると、そこにはプラスの思いがあり、マイナスな思いを抱かないようにしたいという願望を持つものです。

しかし、ゼロな状態を思い浮かべることはあまりありません。

こういったことから、人は過去を思い返したり、未来を思い描くと、自然と肩に力が入ってしまいます。

プラスな思いも、マイナスな思いも、自分の肩に力を入れることになります。

もしかすると肩凝りは、過去や未来に対する思いの強さが原因となって生まれる症状なのかもしれません。

強すぎる思いは、疲れを生みます。

疲れは筋肉を固く強張らせてしまいます。

マッサージをして貰っている時に心地よさを感じるのは、身体に溜まった凝りをほぐすことで、凝った思いも解きほぐすことができるからなのかもしれません。

マッサージをして貰っている最中に眠くなるのは、身体の凝りをほぐしていると思考が止まってしまうからなのかもしれません。

睡眠は、顕在意識の思考を止めることができるから、心地がよいのだと思います。

思考で煮詰まってしまうと眠くなるのは、身体からの強制終了の合図といってもいいでしょう。

人の思考はストレスを生み出す原因となるため、思考というストレスから解放される心地よさが睡眠にあるといっていいでしょう。

睡眠は人をゼロの状態、つまり自然の状態に戻してくれる力があります。

人は、一度ゼロの状態に戻ることで、エネルギーをチャージできるようになるものであり、睡眠という「いまここ」に立ち返ることで、氣の流れを正常に取り戻すことができるようになります。

寝起きのスッキリ感は、氣流れが正常になってリセットされることから生まれているのだと思います。

また、人は喜びの中にあることも自然の状態であると考えることができます。

草木に花が咲くのが自然のことであると同様に、人が、喜びや楽しみで生きることも自然のことです。

喜びや楽しみの中にいるとき、そこにストレスはありません。

ストレスがないということは、氣の流れがよくなっているということです。

自然の心地よさは、氣の流れがよいから感じられるものです。

自然には、必ずそこに心地よさがあり、心地よさを感じられることは自然の状態なのです。

自ら望んで楽しめることをすると、いい氣が流れ始めます。

自ら望んで、いい氣を流せるようになると、そこに喜びが生れます。

いい氣が流れている瞬間は、「いまここ」になれている証拠であり、「いまここ」で過ごせる瞬間には、必ず心地よさがあります。

この「心地よさ」が、人にとっての自然の状態にあるといっていいでしょう。

我々が、「いまここ」に立ち返ることができると、ニュートラルな氣が流れ始めます。

胸に手を当てて心臓の動きを感じる心地よさも、深い睡眠の中に入っているときの心地よさも、好きなことに夢中になれているときの心地よさも、「いまここ」の心地よさであり、ニュートラルな氣が流れている証拠です。

そういった意味でも、「いまここ」にあるニュートラルな氣の流れを感じて生きることができると、人はストレスレスで生きていけるようになっていくことでしょう。

そこで、自分の氣の流れを観察し乱れたと思ったら整えて「いまここ」の静けさを感じられる習慣を身に付けることができるようになると、心地よく生きていけるようになっていくものであり、「いまここ」の氣の流れを感じて生きられるようになると、いつでも新鮮な気持ちで生きていけるようになっていきます。

「いまここ」という中立的な時間には、我々を癒してくれる場所です。

過去は、過ぎ去っています。

未来は、未だに来ていません。

今は、いつだってここにあります。

人が「いまここ」で過ごせるようになると、氣の流れがよくなって、楽しく生きていけるようになっていくものです。




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