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第33回:「喜び」で自分を好きになる

「自分はできるんだ」という「自己効力感」についての記事を全7回のシリーズで書いています。今回のテーマがは「承認」になります。

「自己効力感」とは、カナダの心理学者であるバンデューラが定義したもので、「目標を達成するための能力を自らが持っていると認識すること」です。したがって、この自己効力感を持てるようになると、自己実現ができるようになるといっていいでしょう。

この「自己効力感」を感じられるようになるには、➀達成体験、②代理経験、③言語的説得、④生理的情緒的高揚、⑤想像体験、⑥承認の6つがあるとされています。これまで➀~⑤について書いてきたので、今回は、6番目の「承認」について私なりの解説で書いていきます。

自分で自分を「承認」しよう!!

「自己効力感」における「承認」とは「他人から認められること」です。承認の意味を調べると「よしとして、認め許すこと。聞き入れること」とあるので、他者から認められるようになると「自分がしていることに間違いはない」と思えるようになるため、それが自信にとなり「自己効力感」が上がっていきます。

たとえば、SNSなどでフォロワー数が多かったり、たくさんのイイネを貰えたりすると、それが承認となるため自分に対する自信にも繋がるし、やる気にも繋がったりします。

とはいえ、私は他者からの承認の得られるようになる前に、まずは自分自身の承認が大切だと思っていて、自分で自分を承認できてはじめて、他者からの承認を正しく受け入れられるようになると思っています。

そこで、まずは自分を承認することの大切さについて私の体験から書いていきます。

私はあるボランティアの団体に参加していた時期があり、そのボランティア団体に参加するようになって、しばらく経ってからひとつのグループのリーダーに指名されたことがあります。そのときは、雰囲気的に断ることができずにリーダーになりましたが、実際にリーダーになると、ボランティアに関わる時間よりも運営に関わる時間が多くなってしまい、楽しいと感じる時間が減ってしまいました。

ボランティアに参加したそもそもの目的が、普段の仕事を異なることをしたいという理由からでしたが、ボランティアでも仕事と同じようなことをしなければならなくなってしまったため、徐々にリーダーをすることに苦痛を感じるようになってしまいます。

結果的に私はそのボランティアを辞めてしまうことになりますが、このように、周りの人からの承認を得られたとしても、自分が満足できないという不一致が生まれてしまうと、他者からの承認が苦痛になってしまったりします。

こういった自己と他者の承認の不一致はよく起こりうることであり、他者の承認を得ることよりも先に、自分で自分を承認できるような状態を作ることが大切だったりします。

特に人生を左右するようなことであればあるほど、自分が「承認」できることをしていかないと、結果的に遠回りすることになってしまいます。というのも、人は自分が満足することをしたいものであり、満足できないことは長続きしないため、結果的にどこかの時点で軌道修正をしなければならなくなるからです。

自分を「承認」するには自分の目的を明確にする

自分自身を「承認」できるようになるには、自分自身を知ることが大切です。そして、自分自身を「承認」できるようになるための一番の方法が、自分にとっての「喜び」が何なのかを知るということです。

人は「喜び」に向かって生きるものです。また「喜び」に向かって行けるからこそ意欲が湧いてくるものです。しかし、目的に「喜び」がないと意欲が湧くことはありません。たとえば、仕事をさぼってスタバなどでコーヒーを飲んでいたりするのは、その仕事に「喜び」を感じられないからです。こういった「喜び」を感じない、「意欲が湧かない」ということは自分自身を「承認」できていないということであり、今の自分を否定していることになります。

その一方で、好きなことをして生きている人には「喜び」という明確な目的があり、その目的を達成することが意欲に繋がっているといっていいでしょう。こういった「喜び」で生きる人達は、自分という存在をしっかりと承認できていて、その承認のもとに行動しているため、思考と行動が一致させることができているため、それだけで「自己効力感」を得ることができています。

人は「喜び」と感じることをしているだけで、楽しい気持ちになってテンションも上がり、「自分はできるんだ」と思えるようになっていきます。こういった「自己効力感」を自分で得られるようになった上で、他者からの「承認」を得られるようになると「自己効力感」はますます上がっていくことでしょう。

自分を承認をできるようになって、他者からも承認を得られるようになると、自分の思考と行動が一致するだけでなく、自分と他者の承認も一致するようになるため、二つの承認を得られるようになります。こういった二つの承認は確固たる「自己効力感」になるので、さらに自分の「喜び」に向かってばく進していけるようになります。

こういったことが、私の思う「承認」における「自己効力感」であり、まずは自分が自分を「承認」できる状態を作ることが大切である理由です。

自己実現は、自分を好きになることから始まる

人は「自己承認」ができればできるほど幸せになれるようになります。

幸せな人とは、「自分という存在に満足できている」人のことです。そして、自分に満足できるようになるには、日々の生活の中で「嬉しい」「楽しい」と感じることをしていかなければなりません。

人がストレスを抱える原因は、「嬉しい」「楽しい」と感じることができないことであり、「嬉しい」「楽しい」と感じられないことをしている限り、いつまでたっても自分に満足ができません。

したがって、自分に満足できるようになるためには、自分の「喜び」を妥協しないことが欠かせません。自分は何を求めているのか、何をすれば楽しめるのか、何に喜びを感じるのか、その喜びを通じて何を得ていきたいのかということを知って、それを具現化していくことが大事なのです。

私は、「自己効力感」は「自己肯定感」の上に成り立っていると考えます。そういった意味では、「自己肯定感」は自分自身に対する承認であり、「自己効力感」はバンデューラのいう通り「他人から認められること」となるでしょう。

いずれにしても自分自身を肯定できるようになり、「自分はできるんだ」という効力感を持って生きていけるようになると、生きることそのものが楽しくなっていきます。そして自分を承認し、他者から承認を得られるようになると、まさに大船に乗ったような気分で生きていけるようになるものです。

自分を肯定できるようになるとことや自分はできると思えるようになることは、自分を「好き」になることでもあるため、「自己肯定感」も「自己効力感」もとても大切な感覚です。そして、この「自己肯定感」も「自己効力感」を得るには「喜び」が欠かせないといっていいでしょう。

次回は「効力予期」と「結果予期」

今回は、「自己効力感」の「承認」について書いてきました。これで「自己効力感」を得るための6つの要素について解説することができました。

人は、「自己効力感」を持って、生きられるようになると一日一日を「喜び」で生きられるようになるため、ますます人生が楽しくなっていきます。こういった「喜び」の循環で生きられるようになると、「私」という存在そのものが「喜び」となっていきます。そういった意味でも一人でも多くの人が、自分にとっての「喜び」を選んで生きていけるよになるといいなと思っています。

この「自己効力感」を定義したバンデューラは、「効力予期」と「結果予期」という言葉を使って、「自己効力感」を解説していたりするので、次回は、この二つの言葉を使いながら、私の思う「自己効力感」について書いてていこうと思います。


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