丸谷才一『裏声で歌へ君が代』、または「国家」について
わたしは一人の作家が気になりだすと、飽きるまで読み続けるという癖がある。
丸谷才一もそんな作家のひとりだ。
昨年の暮れから読み始めて、『輝く日の宮』『笹まくら』『たった一人の反乱』と、まるで亀の歩みのようにのろのろと読みすすめ、先日『裏声で歌へ君が代』を読み終えた。
(その間、図書館で借りた『忠臣蔵とは何か』は早々に挫折した。)
『輝く日の宮』『笹まくら』『たった一人の反乱』については、すでに note に感想めいたものを投稿しており、ここでは『裏声で歌へ君が代』(1982