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【開催直前】アタマとココロのスイッチを入れる渋谷の都市フェス SOCIAL INNOVATION WEEK SHIBUYA2020とは?

この連載について
前回「【未来予測 】 都市の個性、街の未来をつくる"HOW"」はこちら

SOCIAL INNOVATION WEEK SHIBUYA2020 は2020.11.7-15に開催。
「HOW -今を、これからを、どう生きるか- 」をグランドテーマにお届けします。
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北村
今日はプロデューサーズトークの最終回ということで、今年2020年のSOCIAL INNOVATION WEEK SHIBUYAのテーマや見所を、プロデューサーの金山さんと長田さんとお話ししていきたいと思います。

はじめに、改めてお二人から、SIWについてご紹介いただけますか。

金山
SOCIAL INNOVAATION WEEK SHIBUYAは、渋谷という街から広くこれからの社会がどう進んでいくのかを発信することで、渋谷で暮らす人のシビックプライドを育てたり、都市としての輪郭をはっきりさせていく都市フェスです。だから、オンラインセミナーやウェビナーだけではなくて渋谷の街なかで何を表現できるかに大きな意義がある。そこを意識してつくってきています。特定のマーケティングといったテーマを扱うイベントとか、経営者だけを集めた業界っぽいイベントとは顔つきが違っているんですね。

一昨年、昨年とやってきて、今年は新型コロナウィルス感染拡大の影響で延期する中で、改めてグランドテーマを深掘りし、プログラム構成も整理することができました。11月7日から15日の9日間にわたって、アワード、カンファレンス、ネットワーキング、エクスペリエンスの4つを柱に70ほどのプログラムを開催します。

長田
街を舞台にいろんな人たちが参加してくれるプラットフォームみたいな存在でありたいと思っています。カンファレンスでいろんな登壇者が話しているのを、何かを感じた人びとが聞き、次にアクションを起こす起点になるような。だから、話を聞くカンファレンスセッションだけではなく、ネットワーキングやエクスペリエンスも用意しています。

あとは、街フェスなので、宮下公園やスクランブルスクエア、パルコといった新しい場所を舞台にすることで、知ってもらう、街と場所と人とをつないでいくという部分も、SIWが大事にしているところです。

見知らぬ好奇心を刺激する

金山
今年のグランドテーマは"HOW"なんですが、去年の"NEW RULES"に続く今年のテーマを何にしようか考えてきた中で、コロナ前は"カルチャー"だと思っていたんです。オリンピックという、アートや平和、教育やダイバーシティを問う世界的文化事業が開催される東京のメインフィールドのひとつとして渋谷をとらえたときに、文化についてもっと深く考えて世界に発信しようと考えていたんですよね。

ところが、オリンピックは延期になり、社会が混乱し経済は停滞する中でみんな「文化でごはんが食べられるのか」というような思考になったんじゃないかと。2020年は、どうやって働くのか、どうやって価値を作っていくか、どうやってこの生活を維持していくんだろうと、「どうやって」をすごく考えている年なんじゃないかっていう話をしたんですね。"HOW"と一言にまとめちゃいましたけど、how to liveとか、how to workとかhow to study とか how to entertain とか、そういうHOWを集めて、この先の社会で知恵を使って人間らしい生活を進めていこうみたいな、そんなイベントになっているかなと思っています。


長田
"HOW"っていうキーワードが出てから、"HOW"を考えるようになりました。特にhow to communicate。オンライン開催は、コロナ前から2020年にスタートする計画だったのですが、より「渋谷に来なくても渋谷から伝えていけるようにするには?」を考えてきましたよね。この問いは来年、どうやってコンテンツアーカイブをもっと発信していくのかとか、書籍化できるのかとか、グローバライゼーションどどうやってするのかにつながっていく。

金山
10日間のイベントをプロデュースするっていう短期決戦型ではなく、どうやったらSXSWみたいに都市の磁力と結ばれたフラッグシップ事業になるんだろう、ということを考えてきましたよね。そのために、人々に数年単位でコネクトしようと思ってもらえる価値やきっかけが必要だろうなと思っていて。そこで、今年新しくフューチャーデザインアワードを立ち上げます。SIW2020で、アワードの立ち上げと賞のカテゴリーの発表をして、エントリーの募集を開始。来年の3月に表彰・発表しようと今、組み立てています。

SIWでインスパイアされたことをきっかけに、新しい社会や未来づくりのアイディアを考えてもらって、形になってないものでもいいからエントリーしてもらって光を当てていくことをしていきたいなと。そして、表彰されたものを来年のSIWに向けて実証、実装するケースを作っていく。同時に、SIWの体験コンテンツとして、受賞した事業アイディアのプロトタイプを見られる場になるというサイクルを作っていきたい。

長田
アワードは昨年、「まずはちょっとやってみよう」と試しました。そうしたら、受賞者のみなさんが喜んでくださって、「自分たちこういう賞をとったんだよ」ってwebサイトとかで発表しておられました。一つのきっかけ、自信に繋がったと思うので、さらに、自信の先につながる新しい形にしていきたいですね。

個人的にも、SIWって愛を持って育ててきているから、次に繋がるようにやっていきたい。だから、短期決戦型じゃなくて、1年かけて地道に、登壇者の方々と丁寧に話をしたり、関係者のみなさんの頭にあることをどうしたらいいのか、開催する側と受けとる側の間でどんな関係性を目指すのかを考えないといけないと思っています。通年事業としてどうやっていくのかが、4年目を迎える来年のテーマになるかな。それと同時に、今回生み出されるコンテンツをどう時間と距離を超えてつなげられるようにするか、書籍化も含めた設計は、年明け早々にやりたいなと思っています。

金山
僕にとってのSIWって、前のめりなプロデュースワークで最高に面白い仕事なんです。全てのセッションは、マーケティングや人事といった既存のビジネス領域と紐づいていなくて、僕が自分自身のこれまでの見聞や経験をどうすればアウトプットできるかに筋道を立てながら、これからの自分の好奇心や学びたい欲求がどこまで広がっていくのかに挑戦している感覚でつくっているんですね。だから、やるたびに成長できていて、知り合える縁も増えていくし、その人たちからの学びも多いし、その人たちが見ている社会とかが業界とか産業とかに興味を馳せることができて、広い視野で社会を見つめられる存在にどんどんなっていく。すごくラッキーだなと思っていて、多くの人に参加してもらってシェアしたいんです。

長田
いろんなお仕事で知り合った人に、「すごくユニークなことしてるからぜひSIWで話していただきたい」という場を提供できるってすごくいいですよね。結構みなさんSIWに出ることに誇りを持ってやってくださる。そして、自分がお話を聞いてみたいような方にゼロからお声がけできるのも嬉しいですよね。

金山
今年、オンラインセッションを完全無料にしたのは、僕らがちょっと先回りして得たリッチな学びの時間を、一過性ではなくチラ見でもいいから触れてみてほしいと思ってのことです。興味のないものこそ見てもらいたいって感覚があるんですよね。そして、何かスイッチを押されたら、ゆっくり時間をかけて学んでほしい。

長田
SIWでいろんなセッションを聞くと、自分が興味なかった分野がものすごい面白いとかあるんですよね。まったく知らなかったけどこんなことが起こってたんだ、とか。それがたぶん大事なんだと思ってます。ここまで情報の幅が広くある学びの場って、意外とないと思う。ジェンダーとかストリート、超アナログからAIまで、幅が広すぎるくらい。これこそが、渋谷の包容力だなって思ってます。

"渋谷的思考"を渋谷から解き放つ

北村
コンテンツをオンラインにのせて、距離の制約から解放して稼ぎまくろうという潮流もある中で、あえて無料にした意図をお聞かせいただけますか?

金山
SIWは、非営利プロジェクトではないんです。営利プロジェクトとして何をリターンに置くかを定義する中で、すぐには換金されない意義や価値が価値化されることをリターンにしている。手法としてフリーミアムっぽくしているわけでもない。今年SIWをやる意義や価値は、多くの人に触れてもらって、その人たちがより豊かに納得感のある仕事をして収入を得て渋谷に入ってくる、縁づくりのエンジンになることじゃないかと思っています。だから、広く公開したほうが、結果的に価値の高い、お金としても還ってくるプロジェクトになる。そういうエコシステムを回したいんですよね。

長田
私たち自身が、これまでの2年間で情報を得て次にいけるきっかけになっている手応えがあるので、オンラインコンテンツが溢れかえる中でもなお意義や価値のあるコンテンツが渋谷から発信されるんだということを伝えていきたいなと思っています。そして、たくさんの人が少しでも触発を得ることで、楽しいワクワクするような社会になればいいな、と。それと、2年間やってみて、聞くとものすごく面白いのに会場にくる人が少なかったり、集客って難しいなと感じてきた上での、次なるチャレンジの側面もあります。ラーニングコンテンツ事業の新しいモデルとして、海外にいる日本人も見られて「渋谷でこういうことやっているんだ」と知ってもらえる。そういう状況をつくりたいと思ってのことです。

金山
オンラインになることで、場所の意味が揺らぐことは避けられない。来る必要がないし、来たくても集まれないし。だからこそ、場所に来てもらって魅力を伝えていくだけじゃなくて、渋谷という地に宿っている価値観を知っておいてもらおうとすることがすごく大事で。「ちがいをちからに変える街。」渋谷の渋谷的価値観や渋谷的思考ってこういうものなんだよ、と伝える役割をSIWは背負っているかなと思います。それが、「何かやりたくなったから渋谷でチャレンジしよう」とか「渋谷のコミュニティに話しかけてみよう」っていう展開に繋がっていくんだと思います。

長田
渋谷系音楽とか渋谷系ファッションとかに並ぶ、渋谷的価値観とか渋谷的思考っておもしろい。
登壇者の川田十夢さんに登壇依頼をしたとき、「一緒に何かやってみたかったです」ってメッセージもらたんですよ。それって渋谷だからこそ。

金山
今初めてそういう言葉になったけど、触発されて勉強して人と会って自分の考え方を話して共犯者をつくって一緒に何か起こす渋谷的思考って、僕も新子さんもすでに渋谷でやっているかもしれないですね。SIWで触発されて渋谷的思考を持つようになる人が増えていったら、結構幸せですね。その先に、ビルが街をつくるんじゃなく、人が街をつくるんだという渋谷的価値観を証明していけるようになるかもしれない。

音楽やファッションはスキルがいるけど、考えることにはスキルがいらない。ある興味と情熱と関心と時間をそこに向けていけば、考えるということはあらゆる人に平等に与えられているような気がするから。渋谷的に考える人たちっていうのが群として見えてくると面白いですよね。

北村
SIWの意義や価値、その全体像のお話は尽きないですが、ここで読者のみなさんに、SIW2020の見所、お二人が思いをかけているセッションをいくつか紹介していただきましょう。

だらりとザッピングしてもらったら、心のスイッチが入る瞬間が必ずある


長田
本当に全部、見所なんですが、今年の特色としては、カンファレンスのスピーカーに女性が増えていますね。女性の経営者や起業家、研究者のかたとか。実はそこが楽しみです。何人かお話させていただいた中で、個人的に出前館の中村利江さんのお話が相当面白いんじゃないかなって思ってます。魅力的なかたで。今でも、店舗を全部ご自分でまわって交渉してますとおっしゃっていて、アクティブな精神で新しいものを目指しながらも生活者目線ですね。そういう人の話ってどなたにも響くんじゃないかなって楽しみにしています。

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「進化する社会システム」
SPEAKER:中村利江/伊東正明/長田新子
<日時> 11月11日(水) 18:30-19:30
<会場> SHIBUYA QWS
オンライン配信あり

北村
中村さん、「誰も取り残さない」っていうお考えがすごくいいなと思いました。宅食サービスで通信会社だけが儲かるのではなく、ローカルですごくいい中華屋さんだけどFAXしか持ってないというような人も取りこぼさないお話をされていましたね。「みんなを幸せにしたい」っておっしゃっているところがいいなと思いました。

人権やジェンダーを語る"HOW"

長田
それから、最終日に全員女性のセッションがあります。ニューヨークとスペインと日本を繋いでダイバーシティ〈多様性〉、イクイティ〈公平性〉、そしてインクルージョン〈包括性〉を考える。これも聞きたい。今年、大坂なおみさんがメディアを通して人種やジェンダーについて発信したことで、こうした人権の話がどういうふうに語られていくべきなのかって、すごい話されたと思っています。SIWのテーマそのものであるソーシャルイノベーションと親和性があると思っているし、渋谷から考えて発信するきっかけがないかなと思っている。両方とも女性なんですけど、今年はそういう部分にも注目してもらいたいなって。

金山
今年、女性多いですね。インパクトが強いんだな、女性の。僕はどれもこれも甲乙つけがたいんだけど、個人的に興味があるのは中島さち子さんですかね。大阪万博のプロデューサーをされている。数学者であり音楽家であり、現代版のレオナルド・ダ・ヴィンチみたいな印象が強くて、でも物腰がすごくやわらかくて。僕が理想とする、好奇心にのっとって自分の進むべき道を彷徨いながらプロフェッショナルになっているすごいニュートラルな人だなと思って。こういう人が作る万博ってどうなるのか、期待値が高い。話を深く聞いてみたいと思っています。

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音楽×数学×自然~境界をこえた掛け算創造の時代
SPEAKER:中島さち子/北村久美子
<日時> 11月13日(金) 15:30-16:30
<会場> SHIBUYA QWS

北村
8人の万博プロデューサーが発表になったときから、中島さんが面白そうって言ってましたよね。

金山
期待が持てるなっていう感じがします。
セッションだと筑紫Bordini遼太郎さん。ベルリンから参画していただけるのはすごく大きい。ベルリンで、NION Haus Neuköllnっていうすごく未来予測的な場作りのプロジェクトを非営利で立ち上げています。世界からアイデアを集めて都市連携もしたいんだっていうかなりの大風呂敷を広げているんだけれども、共感性の高い思想が随所に練りこまれたプロジェクトだと思っていて。ここに渋谷みたいな街から複数のアイデアを投げ込めるようにしていきたいなって強く思ったんです。

タイトルとかも一緒に考えたんだけど、筑紫さんのマザーランゲージはたぶん英語なんですよね。英語と日本語とドイツ語のトライリンガルで、僕が日本語でニュアンスを捉えにいくのを翻訳のツールを使って調べてくれたり、あのバイブスがすごくよかった。「これからの社会に必要なニュアンスとか感覚は連帯感なんじゃないか。筑紫さんのプロジェクトも日本語でいうと、連帯感では?」って話をしたんですよ。そうしたら、「それです」って噛み合った。このセッションは面白くなるんじゃないかなと思っています。

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シビックアクション/社会的連帯でつくる未来
SPEAKER:筑紫Bordini遼太郎/金山淳吾
<日時> 11月11日(水) 18:30-19:30
<会場> オンライン配信のみ

街や公園を、感動資源が生まれる装置にする"HOW"

金山
それから、代々木公園をどう再活性化していくかっていうプロジェクトについて、長谷部健渋谷区長とぴあ総研の笹井裕子所長とも東大先端科学技術研究センターの近藤早映先生と僕とで話します。観光資源を作る時代から感動資源を作る時代にシフトしていくんじゃないかっていう問いをチームで考えていて。感動資源作りってキーワード的には新しいんじゃないかなって思っています。昔は人と人が会うことでしかコミュニケーションできなかったのが、電話ができてスマホができてSNSができて、コミュニケーションの主戦場はリアルな会話からオンラインでの情報交換になってきている。さらに、バーチャル空間もできてバーチャル・エクスペリエンスがよりいっそうリッチになっていく中で、街というリアルな場が役割を果たすには、感動が生まれたり共有される装置が必要なんじゃないか、という見立てから、公園が果たす役割を定義していこうと思っています。結構新しいロジックを作っているので注目して聞いてほしい。手前味噌ですけど。

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都市公園の未来図
SPEAKER:長谷部健/笹井裕子/近藤早映/金山淳吾
<日時> 11月9日(月) 15:30-16:30
<会場> オンライン配信のみ

金山
あとは、勉強したてほやほやだけど、SBNR-Spiritual But Not Religious-のセッション。精神的ではあるけど宗教的ではないっていう感覚の観光者が増えていて、アメリカ人でも4分の1がそういう感覚を持っていると言われている。日本にすごくマッチしている観光産業のキーワードなんじゃないかと強く思って、SBNRを軸に海外向け地域ブランディング事業を多く手がける株式会社XPJPの渡邉賢一さんと、株式会社オマツリジャパンの加藤優子さんでこの"無宗教型スピリチュアル層"をキーワードにお話しいただきます。僕も深く勉強していきたいし、特にまちづくりや、観光都市・観光経済の活性化をやりたいと思っている人には聞いてほしいセッションです。

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SBNR/地域の価値を再定義する祭り
SPEAKER:加藤優子/渡邉賢一
<日時> 11月12日(木) 12:30-13:30
<会場> SHIBUYA QWS

北村
これからのお祭りとか、リアルとバーチャルの場やイベントのあり方への問いにもつながっていて、全国の祭りを渋谷に集めたいという金山さんの夢に近づく実験にも発展しそうなセッションですね。

子どもたちの「!」「?」から教育機会をつくる"HOW"

金山
エクスペリエンスのプログラムも紹介しておきたいです。今年はソーシャルディスタンスを保ちながらで難しいんだけれども、渋谷キャストで11/7、8にやる子供向けの教育プログラムは面白い。IMAGICAさんと一緒に「天気ってなんなんだ」っていうのを体験型で学習してもらうテクノロジーを入れたプログラムを作ってるんですよね。大雨、洪水、台風といった自然災害が激甚化して頻度も高まっている今って、僕たちの生活が天気に左右されるのを子供のの時から目の当たりしている時代だと思っていて。

フィンランド型の学習に近いアプローチでやります。フィンランドの教育って、宿題もなければ授業時間も世界で一番少ないんけれども、教育水準は一番高いと言われています。何かというと、子供たち自身の「なぜ」と「感動」、「!」と「?」から学びのきっかけを作っていくアプローチをとっているんです。まずは圧倒的に感動させたり、心を奪う入り口をつくってから、知識をインストールしていくというフィンランド型のアプローチの教育機会を作れないかってずっと考えてきたことをかたちにして、その一事例をIMAGICAさんと作ります。親子で参加してもらって、親にも子どもの心をいい意味で奪ったり、欲求をデザインしていくことができると体感していただきたいなと。人数は制限されちゃうんだけど。7日と8日に1回10組30名で4回転やります。

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Creducation Workshop Weather Wizard Academy
SPEAKER:國本未華/小林正寿
<日時>
11月7日(土) ①14:30-16:00/②17:30-19:00
11月8日(日) ①11:00-12:30/②15:00-16:30
<会場>
渋谷キャスト

長田
今年コロナ禍においても、宮下公園で体験型のプログラムをいくつも企画しているし、宮益坂では「ボラサイト」っていう路上で公共空間を解放するみたいなこともやります。SOCIAL INNOVATIONをみんなで体験しようという、SIWらしい実験的な企画を街の屋外空間で少しずつ始められてきたので、来年そこを広げていけたらいいなと思ってます。

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宮益坂コロナ対応路上利用 “Bollasite(ボラサイト)”
<日時> 11月13日(金)-15日(日) 10:00-20:00
<会場> 宮益坂 歩道部(渋谷郵便局付近)

金山
新子さんが言ってくれた宮下公園は、アートインスタレーションをネイキットの村松 亮太郎さんと一緒にやります。アートカテゴリーで言うと、今年は渋谷芸術祭と連携するし、セッションの中でもANDARTの松園詩織さんとアクセラレーションの山峰潤也くんに、これからのアートをシークレットで語ってもらいます。要は、アートもっと民主化していこうっていう動きが盛んになっていて、若い世代でもともとアート業界じゃない人たちが、自分たちにアートを解放してほしいというメッセージを業界に投げている。アート表現やストリートクリエイティブって、どうしても法律で引かれる是非の境界線があるんだけども、そのあたりについての本音のシークレットトーク、表に出てない話をするんです。グラフィティって違法性が高いじゃないですか。だけど、バンクシーだってほんとは違法だけど、あれだけ有名になると違法か合法かを超えて資産価値が高くなる。小池都知事が都庁に飾っちゃったりとかする、ある種のアウフヘーベンな感覚になっている。それをオフィシャルな場で語るのは危険だけども、それを語っていること自体を一つのアート作品とするシークレットセッションを作ろうって山峰くんたちとやってます。ちょっとアンダーグラウンドなアートトーク。もし政府がなくて行政機関もなくて、何もなくなってしまって法律がなくなってしまったらクリエイターたちはどういう表現をするんだろう、純粋なクリエイティブマインドとはどういうものなんだみたいなことを話してみようっていうのを仕込んでたりするから。アートカテゴリーのコンテンツも面白いと思ってる。

北村

食に関してはどうですか?

金山
松嶋啓介さんという、うまみバンクという活動やってるかたにセッションに登壇してもらいます。旨味って、日本固有の第五の味覚って言われてるんですよね。甘味、酸味、苦味、塩味は世界的にあるけど、旨味は日本固有で、日本の研究者が存在を定義して世界に認めさせた。

その旨味を突き詰めると調理法が変わったり体に優しいおいしさが手に入るよねっていうことを一生懸命活動しているが松嶋さん。日本人的な味の捉え方や感覚を敷衍して、禅だとか、日本人的な物事の捉え方とか表現の仕方がグローバルに次の社会作りのヒントになっているんじゃないかなと思っていて、そんな話を期待して松嶋さんにオファーしてます。

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食文化の未来図
SPEAKER:松嶋啓介/古田秘馬
<日時> 11月11日(水) 15:30-16:30
<会場> オンライン配信のみ

スタートアップ経営者が未来を予測する"HOW"

金山
もうひとつ、力を入れて作っていくある種のエクスペリエンス型プログラムがSHIBUYA STARTUP SUMMITで、11/11,12に渋谷ストリームホールでやります。渋谷をスタートアップの拠点として仕組み化するための取り組みとしてスタートアップコンソーシアムを立ち上げたんですけど、そのキックオフイベントをSIWでやるんですよ。

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HOW!? : イノベーションの街に不可欠な要素
<SHIBUYA STARTUP SUMMIT>
SPEAKER:鈴木寛/堀新一郎/琴坂将広/KiNG/宮本安芸子
<日時> 11月11日(水)15:00-16:00
<会場> 渋谷ストリーム ホール

女性経営者のプログラムとかいろいろあるんですけど、中でも未来予測をちゃんとやってみるセッションが面白そうです。渋谷未来デザインの代表理事である都市工学者の小泉秀樹先生が電通と一緒に開発している未来曼荼羅っていうファシリテーションプログラムがあるんですけど、そこに今注目されているスタートアップ経営者数名を入れて、業界横断、産業横断で未来予測のセッションをやります。

長田
一個だけ、エクスペリエンスで触れておきたいのが、今年スタートさせるeスポーツの企画です。日本にはまだ、eスポーツのメッカってないんですね。秋葉原といってもちょっと違うなって感じなので、eスポーツの楽しい取り組みを渋谷からスタートさせるきっかけになればいいなと思って、ちょっとトライしてみます。

金山
日本での産業化が、もうそろそろちゃんと殻を破ってきそうな。

長田

そろそろ破るんじゃないかと思いつつ、まだまだって感じなんですけど、
もしかしたらeスポーツがオリンピックの種目になっていくという話もあって。あれをスポーツやアスリートと呼べるのかという論点もありつつ、確実にカルチャー産業として育っている話をセッションでやります。スウェーデンの小さな街に、eスポーツで何十万人も人がくるようになった「ドリームハック」というイベントが、世界じゅういろんな場所でも開催されるようになっているとか、街とeスポーツが連携して何をどうできるのかを話します。

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都市とEsportsの未来
SPEAKER:Mike Sheetal/Christoffer Melin/Sven Rydell/長田新子
<日時> 11月12日(木) 14:00-15:00
<会場> オンライン配信のみ

デジタル化する国や都市の未来を描く"HOW"

金山
ちなみに、今年のオープニングを飾るのはデジタル担当大臣の平井卓也さんです。平井さんが特命委員の委員長としてマイナンバーの制度設計をしているときからの縁があって、いろいろと教えてもらってきました。デジタルデバイドの世代をどうしていくかっていう課題はあるものの、テクノロジーとかデジタルのソリューションは確実に僕たちの生活の中に入ってくるし、むしろそっちがメインになってくる。国全体のDX化と都市のDX化は、今年の国全体の大きなテーマなんじゃないかなと思っていて、初日のオープニングは、平井大臣のお話を。それから、東京都のデジタル戦略を担当している宮坂副知事にも渋谷に来てもらって、構想の未来形を語ってもらうセッションも、行政官のかたとかはもちろん、国民、市民的な視点から見てもすごく価値のある話になるんじゃないかと思ってます。

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SIW2020 オープニング
SPEAKER:長谷部健/平井卓也/金山淳吾/長田新子
<日時> 11月9日(月) 12:30-13:30
<会場> SHIBUYA QWS

精神の未来を想像した現代版手塚治虫の"HOW"

北村
2年越しのラブコールの山田胡瓜さんも登場しますね。

金山
山田胡瓜さんっていう漫画家がいて、「AIの遺電子」っていう漫画を書いてるんだけども、ものすごい面白くて。何かというと、漫画としての面白さだけじゃなくて背景にある思想も面白い。顔見せしてない人だからオンライン向きで、今年来てくれることになりました。「出るならマスクして出なきゃいけない」って言ってたけど、みんなマスクする時代になったから気にせず出れますよみたいな話になって(笑)。最近、言葉としては使われなくなったけど、アフターシンギュラリティの話を書いているんですよ。フィクションの物語にすごくリアリティがあって、山田胡瓜さんの想像力の中からたくさんのことを学べる。心のありようや、恋とか愛、子どもや友人関係も含めて、すごく面白い話になると思っている。

北村
二十歳前後の科学者に、胡瓜さんのクリエイティブから発想を得て研究をやりたくなった人が出て来ているから、ほんとに素晴らしいと思います。

金山
僕は、現代版手塚治虫くらいすごいと思っていて。鉄腕アトムを書いた手塚治虫が見た未来っていうのはある種、モノ的な未来なんだけども、それに対して精神的な未来を描いている作家で、作品に触れてサービスをつくる人が出てくると、すごいいい未来が待っていそうな気がしてます。

北村
対談相手が三宅陽一郎さんっていう方で、これまた人工知能の設計者なんですけど天才。東洋哲学を学んでいろんな知能を開発している方です。

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Society X(仮)
SPEAKER:山田胡瓜/三宅陽一郎/金山淳吾
<日時> 11月10日(火) 17:00-18:00
<会場> SHIBUYA QWS


長田
全部が、おすすめですね。

金山
本当にそうです。僕から強いメッセージがあるとすれば、SIWは、学びの場ではあるけど授業ではないということ。学ばなきゃとかノート取らなきゃとか暗記しなきゃっていう感覚で見にくるよりかは、だらりとザッピングしてもらったら、自分の心のスイッチが入る瞬間が必ずある。全部にスイッチが入るようなことは現実的に難しいと思うし、入れなきゃと思うと疲れちゃうから、ザッピングしてもらって心のスイッチが入ったところを掘ってもらうのが一番いいなと思ってるんですよね。

あまり構えないで、そういうことがしてもらいたくて無料にしたんです。去年までは、ソーシャルイノベーションの意識を持ってきてもらった方がいいと思って、意識の証としてのチケット代をいただいていたんだけど、新子さんと議論して無料で公開してこうとしたのは、そういう意味合いなんです。労力を使うなら、幅広いコンテンツをつまみ食いしてもらうのが一番よくて、その中で、僕はほぼ全員のスピーカーとお話しさせてもらってるけど、どの瞬間のどの言葉を切り取っても響く可能性があると思っているから。そういう感覚で触れてもらえたらと思っています。
(2020/10/23 17:00-18:00 @online)

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to be continued to
SOCIAL INNOVATION WEEK SHIBUYA 2020


構成:浅倉彩

SOCIAL INNOVATION WEEK SHIBUYA2020 は2020.11.7-15に開催。
経営者・社会事業家・クリエーターなど各界のキーマンがセッション。
会場観覧とオンライン視聴が30カンファレンスすべて無料。
>>> オフィシャルサイトはこちら



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