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今クリスタルと私クリスタル
天正十年六月二日の早朝、明智光秀の謀反によって本能寺は炎に包まれ、織田信長は自害を余儀なくされた。このとき信長は思ったであろう、「おお、まさに今本能寺が炎に包まれており、熱い!」
信長は今まさに本能寺が炎に包まれているということを知っていたのではあるがしかし決してこのことを逆に誤解してはならない。逆というのは、まさに明智光秀の謀反によって本能寺が炎に包まれているということをもって天正十年六月二
「自痛み」はなぜ言えてしまうのか
能書き
私が頻繁に触れている永井均氏の独在論哲学について言及されている方のうち、「哲学探求2」の用語を借りれば現実性と中心性の問題を混同しているように思われる方が散見される。私見では、独在論とは現実性と中心性を峻別する議論なので、そこを混同しては元も子もないと思われたので、この違いを自力で説明してみたいと思った。もちろん、この説明に関しては問題提起者本人である永井均氏のそれが極限までに洗
非対称性の議論に関するメモ
デイヴィッド・ベネターという人の「誕生害悪論(いわゆる反出生主義)」の中軸に「非対称性の議論」なるものがあり、その展開の一部を拡大すると奇妙な問題があるという話をたまに人にするのだが、どうやら口頭で伝えることは難しそうなのでメモしておきたい。まず、その議論自体を知らないという人にはこのサイトなどで概略を掴んでほしい。
ちなみに、ベネターの議論自体は(消極的功利主義の立場によって正当化されうるため)